2023年12月31日日曜日

今年の大晦日は、、、一葉ではなく

 



王朝和歌がテーマなんですが、まずは文部省唱歌



作者不詳とされますが、文部省唱歌にはありがちな事。高名な文学者や音楽家を起用しているのですが、匿名を条件に高額報酬を払ったらしい。

良い唱歌とは思いますが、今となっては「意味不明」なんだろうなあ(^^)



和歌集なんかの「冬部」

夏や冬、、、とりわけ冬は歌題に乏しくて粗末に扱われるのですが、冴えた和歌が多いのですよ。

太陰暦の世界ですから、時の流れ感に多少齟齬感がありますが、歌題の順番からすれば


時雨

木枯らし

霜枯れ

霰....そして 雪

水鳥(鴛鴦とか千鳥、都鳥)

最後は、、、年の暮


今年の王朝美學テーマの駄日記もこれが最後だろうから、やはり「真打」の登場



ひととせを

ながめつくせる朝戸出に

薄雪こほる 寂しさの果て(六百番歌合 定家)



下句は極め付けの秀句表現だとおもうのですが、この歌合では相手陣営からは非難轟々。何が非常識って言うのかねえ?

判者の俊成の評すら意味不明だし、、、大晦日の早朝の気分としては、凍てつくような風景も相まって、この一年を顧みてこれ以上の万感の思いはないって。


詠進した時期はわかりませんが、六百番歌合の頃に母没。頼朝が征夷大将軍になったのもこの頃。


....

ここで、居住まいをただし大晦日のご挨拶です。

月並みになりますので行間の空白(余白)から意を汲み取って下さい(^^)






新年最初の駄日記は、一月一日十一時十一分 に公開されます❣️






2023年12月30日土曜日

ピアニスト

 



4Kデジタルリマスター版による再上映。
名だたる映画祭で高い評価を得ていますから、特段不思議でもないが、ポーランドのピアニスト、シュピルマンの自伝的著作の映画化。

特に観たい気もないが(ショパンのピアノ曲ばかりだから)予告編を観て超驚愕!


ワルシャワ蜂起80周年記念公開


今どき、誰が(ポーランド人は子孫の代まで忘れないだろうが)ワルシャワ蜂起なんか覚えている?



WW2に於いてポーランドはナチスと赤軍に苛烈な分割支配をうけたが、戦争末期「敵の敵は味方」とリアリズムに考えポーランドのロンドン亡命政府は赤軍と共同してナチス打倒の為、ワルシャワで大規模な武装蜂起を敢行!

しかし、赤軍は傀儡政権樹立を企み逆に蜂起したポーランド人殲滅に手を貸す裏切、、、あるいは陰謀

漁夫の利とはこの事。敵はやっぱり敵なのです。

赤軍はこれ以外にも「カティンの森」で、ポーランド再建の為の有意な多くのポーランド人を虐殺したり、、、まあ筆舌に尽くしがたい悪行の数々。


ならば、、、義侠心から観に行くかなあ



余談ですが、シュピルマンを助けたのはナチスの将校である某(名前は忘れた)

反ナチス思想の持主であり、彼以外にも多くのユダヤ人を救ったとされる。戦後ソ連に拘束されポーランドの助命嘆願にも関わらず、シベリアで冤罪流刑死となった。

けだし、さらなる悪行。

2023年12月28日木曜日

イコライザー

 



なんとなく、、、、最初の二作を劇場で見たし、

特に、一作目はお好みの彼女がヒロインだし、、、

なもんで、ファイナルまで惰性で

しかし、どういうわけだか、完全的に爆睡(名子役だったらしいダコタファニングがお好みじゃないのだ)



しかし、ラストあたりはお目々パッチリって、モヤモヤして(^^)

動画配信サイトにリリースされたもんだから、観てみた。



ところで、Equalizer   ってなんだい?


イコールなんだから、音響の世界で、サウンドのバランスを良くするって意味なんだろうが、多様な意味を込めているって解釈するのが、プロ目線らしい。


なんだか作風は段々に殺伐として来たなあ。

しかし、ロケ地なりヒーローが終の住処としそうなのが、あのアマルフィ



いいなあ(^^)

世界で一番美しい海岸かどうかは別にして、アタシもそうするために尾道の街以上の階段登りに耐えられるように足腰を鍛えているが、叶わぬ夢かもしれないが、、、


なお、ダコタファニングですが、母親がデンゼルワシントンの現役時代の理解ある上司であり、第二作目は、殺害されたその母親の報復劇。

その後ダコタは母親と同じ道を選んだようです。

この辺りは、第三作のワンカットでちらっと。分かる人にはわかるけど(アタシはこんなところはパッチリ観ている)





2023年12月27日水曜日

阪神の優勝

 



WBCの「憧れを超えた侍たち」は、実に面白かった。

ファンもよく知っていますから、拡大拡張公開と異例のヒットになったのは慶賀の至り。



一方で、、、こっちはどうなのかねえ?



潜在的観客層に差があるから興収なんかの比較に意味はないが、ドキュメンタリー映画としての出来不出来からみても、かなり差がある。

前者は最初からそのつもりで撮影クルーを準備していたに違いないが、後者はテレビのスポーツニュースの再編集拡張版程度だもん。

まあ、ファンは硬い事は言わない(^^)

日曜日のシネコンにはそこそこの入り。



勝てば良かった程度のファンのアタシだから、特段涙腺が刺激することもなかったはずが、、、



この日の「阪神対巨人戦」は、若くして病魔に斃れた横田慎太郎の追悼試合。

最終イニングに入団同期の岩崎投手のリリーフ登板。

彼が出囃子に選んだ曲は、横田慎太郎のテーマ曲。


試合展開は一点差まで詰め寄られたが、岩崎の力投で阪神の逃げ切りの勝利。

追悼試合で負ければ末代の恥辱だし、仮に巨人が勝てば、勝った方も寝覚が悪い(^^)

野球漫画的な予定調和の結果でした。



2023年12月26日火曜日

傍観者効果

 社会心理学の概念だそうです。

概念としては知らなかったが、経験則的にそうなんだろうなあ、、、とは思う。


発端は、、、



Wikiではかように書いてしますが、悲劇である事は間違いないが「都会人が他者に冷淡」だからかどうかは疑問だと言われる。


講学上は、


なんかが相まってそんなつもりはなかったのだろうが、傍観者として悲劇を生み出してしまう。
この理論がただしいのならば、傍観者を非難しても事は解決しないが、じゃあどうすると言われてもねえ。


誰もやらなかったんだから、やらなかった俺一人責められる事ないだろうし、、逆に余計な事したって言われたら嫌だし、、、


ありげな話だが、別に都会だけの事でもない。
教科書的には「このような事にならないような社会システムの形成が肝要」だとさ(^^)
しかし「互助」に冷淡な事を罪に問うわけにはいかない。
しかし「保護者責任がある立場」の場合、、、会社の同僚数人で酒盛りをやり、泥酔した一人を置き去りにして帰宅。翌朝になって彼は道端で死亡していた。
これはまずいですよ、、、刑事事件になり、誰かが介抱すると思ったからって通用しないだろうなあ

孟子の時代は簡単だった。

人皆忍びざるの心あり(惻隠の情)

しかし、心で思うことが即行動につながるとは、孟子は仰っていなかったと思う。

2023年12月25日月曜日

ポトフ

 




まずは「料理」の定義から(^^)

素材作りあるいは吟味
調理
盛り付けやら器の選択、、、の総体(料理人として)

かかるが故に「BBQは料理だが、焼き肉は料理ではない」



グルメ映画(マンガとか)やらには事欠かないが、権威ありげなコンクールで最高の賞に輝く事はまず無い、、、とプロ映画鑑賞家は断言!


オスカー作品賞と三大映画祭のグランプリでは皆無。

唯一オスカー外国語作品賞に「バベットの晩餐会」が、、、だから、如何にこの作品が素晴らしいかという事(だから過去に何度もブログネタにした)



お料理映画ってお手軽で、美味しそうな料理を並べるだけで絵になるし、グルメ哲学なんて辛気臭い事は映像にしにくいし、ドラマ仕立てにしようとしても料理人よりもやはり「料理」にフォーカスが当たってしまう。


最近、少しまともな料理映画を観た。



一応は、美食家とお抱えの料理人の愛の物語なんですが、尺の大半は、野菜作りとか調理のシーンばかり。

いくらプロセスに時間かけても美味しくなければ、、、って天邪鬼は思いますが、やっぱり手間暇かける事に意義があるのです。


ストーリーは以下(参考までに)


豪華だけでは無意味という言葉には、激しく同意します。ポトフってアタシでも作れる仏国の家庭料理。

その単純な料理の究極を求める、、、なんて理屈の多いフランス人の発想(^^)


しかしね、、、ある意味でおべんちゃらというかセールストークなんですが、

世界三大料理ってあります。

中華にフレンチ、そしてトルコ(まあ異論ありますよね。地域バランスだけじゃんかって)

だから、そんな話題には、、、


三大料理ですかあ?

決まってますよ!

フレンチに中華に、、、あなたんところの家庭料理


これだけで契約はいくつか取れます(^^)



だっから、、、アタシの最後の晩餐には


茶粥と茄子の一夜漬け が食べたいって

2023年12月24日日曜日

幻の女

 



なんとも蠱惑的なネーミングです。
オリジナルは、Phantom Lady
ウィリアムアイリッシュ作のサスペンシブルな不朽のミステリーです。

オールタイムベストでは、ベストテンから外れたことがないし、外せば見識を疑われるか、無知蒙昧と馬鹿にされるか、、、そのベストテン企画自体が無意味となるくらいのレベル。


刊行まなしに映画化されたようだが、アタシは観ていない。邦訳も幾つあるのだが、新訳版の文庫本が公設貸本屋で見かけたもので、懐かしくて斜め読み。


むかしに読んだ「名作」を今更読めない理由は単純。

文体が古すぎる。

今時に「葡萄酒」はないだろうし、読めない若い世代も少なくない。

オールタイムベスト常連の名画でも、昔のネガのママじゃなあ、、、小説だって「4Kデジタル化」して欲しいのよ。


アタシがハルキの翻訳を褒めるのはそういうこと。


ちなみに、こんなストーリーです。






2023年12月23日土曜日

骨董の憂鬱

 



爺さんが仕入れて孫が売る、、、、骨董屋の「良きビジネスセオリー」らしい。
しかし、いまどきそんな悠長な商売はないし、半可知コンサルタントは「資金の回転率を上げろ!」って。


時代の経過が価値を作る部分もあり、なもなき芸術的な素養に乏しい縄文人の作でも、無紋のまま今に残れば国の指定を受けたり、相当な金銭価値もつく(国宝指定品でも個人財産ですから売買が出来ますが、国家に優先買取権があります)


寒村陋屋にある多くの書画骨董なる「蔵の肥やし」だが、、大したものがあるかどうかは皆目分からない。

仮にも相続が発生したら、、、相続財産一覧の最後にに「塁代書画骨董品一式 金十万円」で申告してやろうかなあ。

前回は「その他継承資産」と書いたが、、、

申告が通れば、とりあえず「お墨付き」

美術品の申告価額については徴税権力は申告額を鵜呑みにせず鑑定をやるはず(費用を国は持たないだろうが)。多少費用がかかっても美術品目録製作代とおもえば、、、

最近半世紀に買い求めたものは、だいたいの想像はつくから、これらは除外。


まあ、茶器なんてまず劣化しない。使用後のお手入れをええ加減にやればくすみ(カビ)がつくが、逆に「景色」として珍重することもある。

書画は空気に触れるだけで劣化するのよ。だから触らない、床の間に掛けないのが一番。

それじゃ何のために保有してる?



しかしなあ、、、国産の陶器なんて国際的な市場価値は皆無に近い。中国の金持ちは歯牙にもかけないから、オークションに出しようがない。

国宝の茶碗はたった八碗。唐物の窯変天目が四つ、朝鮮茶碗(元は生活雑器?)が二つだから、国物は二つしかない。以上のうちで作者が判明しているのは一碗。

まあ、我が家のはたいしたものじゃないし、あと百年待っても、バブル化してくれそうもない。

売れば二束三文だし、持っていても邪魔になるだけ。


憂鬱だ。



2023年12月22日金曜日

友達になりたい

 一時期は下火だったのですが、昨今は焼夷弾のように降ってきます(^^)


友人つながりならば、わかりやすいのですが、、、

よくわからない




カラクリがよくわからないのですが、アタシのプロファイリングをFBがやっているのかな?
大量の堕日記がありますからそれに基づき「友人登録」しそうなFBメンバーにダイレクトメール的に友人申請を勧誘している、、、、かも

ある時までは、、、


中近東駐在のアメリカンのアーミー(女性)
海外在住の金満(らしい)日本人寡婦


が双璧だったが、影を潜めた。
申請が来ても胡散臭そうだし、片っ端からシカトするから諦めたのかも

最近の傾向は


アジア系のアラサーからアラフォーの未婚ないしバツイチ女性
貿易とかアパレル系のお仕事で倭國在住
アジア系といっても両親のいずれが台湾だし、本人は結構な学歴(が多い)


アタシを良く見ていると言うか、、、

まあ「親台派」だし、アパレル商社勤務の経験もあるし、まあ、GでもBでもTでもない。

それに「一番いいオンナはアタマの良いオンナ」と度々嘯いています。

しかし、会話のパターンがどれも同じで、、、かけこのマニュアルみたいなものがあるのか、翻訳ソフトを介するから疲れます。

その内にLINE登録の要請。

セキュリティの甘いアプリは使わないって謝絶していますが、簡単には諦めてくれません。

アタシの堕日記を読んで気の利いたコメントをくれそう方(コメントがなくても足跡を残してくれれば)を友人にしている訳であり、お付き合いの仕方としてLINEでチャットなんか本末転倒なんですよ。

メッセンジャーの上でもチャットは出来ます。


まあ、、、袖すれあうだけだったと言うこと。

多少の縁だから、基本「拒否」はしませんし、頭ごなしに、、、ってときは、明らかにアヤシイのよ。


2023年12月21日木曜日

能は、エクソシストドラマだ

 能楽は、、、



一人芝居
ミュージカル とかなんとか初心者には面白おかしく説明してきたのだが、あまり胸に響かないようだ。
ならば「エクソシストミュージカル」と銘打ってみようか(^^)

数多くの演目パターンがあるのだが、一般的に「能」とイメージされるのが複式夢幻能



名所旧跡を訪ね歩く諸国一見の旅僧

あたりの里女にガイドを頼んだりして、、、その地で野宿。

深更におよび「なにやら」があらわれいでる。

問うに、この世に恨みや未練、、さまざまな煩悩を抱え成仏出来ない苦悩やストレスを僧に訴える

そこで、旅僧は法華経のマンダラを呪し、煩悩の呪縛は退散し、晴れて弥陀の浄土へ、、、


要するに「悪魔祓い」なのです。悪魔とは言わずに、物怪、怨霊と言いますが、似たようなもの。



ヒカルくんの正妻である葵上は、六条御息所の生霊に取り憑かれて死ぬか生きるかの境い目。

祈魔師の照日巫女や横川聖が駆り出されて、なんとか退散、、、って筋書はエクソシスト映画のプロットさながら。

写真は、生霊の正体をみせる前の六条御息所が、病み伏せる葵上(床の着物が偶します)を打擲しようとするシーン



生前より式子内親王は定家との身分違いの恋をうだたく思っていたが、死後も定家に纏わりつきまた纏わりつかれ、我が身の浅ましさと業に苦悩するのだが、仏力により一旦は心が晴れるのだが、、、愛欲の煩悩は灰になってもというとおり、、、、これまた悪霊は簡単には滅びずに続編を期待させます。

2023年12月20日水曜日

お楽しみはこれからだ

 名台詞の宝庫って、、、、まあ、歌舞伎とか古典演劇。

日本映画ってさほどでもない。

まあ、、、この仁義なき戦いシリーズくらいかな(^^)

ハリウッドでは台詞屋って役割があり、脚本家のシナリオの台詞のブラッシュアップをします。



まあ、例示のひとつ

ほかにもいろいろ






ハリウッド映画ならば、かの「カサブランカ」が名台詞の宝庫



今更説明するまでもない、ハリウッド映画史上最大最高最強の反ファシズムプロパガンダ映画

ヒロインを演じたイングリッドバーグマンは、全体の流れが解らないがままクランクアップ。

不完全燃焼そのものだったが、その後完成版を観て、実に素晴らしい映画に出演したと感激したらしい。



まあ、この映像みたいな青くさい事には興味はなくて、ハンフリーボガードの酒場に入り浸り彼にゾッコンな若い女の子とのやりとりが絶妙

残念ながら、ユーチューブにはそんな瑣末なシーンはなかった(この映像で「ビバフランス」と叫ぶのが酒場の若い女の子)


せっかくの名台詞なんだから、、、オリジナルのままでハンフリーボガードの素っ気ない冷たい台詞を



女 夕べはどうして来てくれなかったの?

男 That’s so long ago. I don’t remember. 


女 今晩は、来てくれるよね?

男   I never make plants that for ahead.


字幕という制約の中で、対句の妙が満載の絶品の翻訳でした。