世界最高のフレンチリキュールや世界三大銀灰色の猫を思い浮かべるであろうと
容易に想像できるのは、音信不通な某氏。
まあ、そういうことはどうでもよくて・・・(苦笑)
信仰心の深い方々だと思いを馳せるのがフレンチアルプスに所在する男性専用の修道院。
グランド・シャルトルーズ修道院
女人禁制の最後の砦の一つである。
地球が滅びる最期の日になってもオンナとカメラは立ち入れない・・・はずが
奇蹟が起きた。
1984年に撮影を申請
2000年(・・・とは微妙な年ですねえ)に許可
2005年にドキュメンタリー映画として完成
但し、映画として必要な構成要素の多くは映画製作許可条件として排除された。
・修道院に立ち入れるのは監督一人だけ(製作スタッフのいない映画撮影)
・音楽は使用しない(でも無声映画ではない。生活音や自然音は聞こえる)
・ナレーションはなし(修道院内は礼拝以外は沈黙ですよねえ)
・照明なし(自然光だけでの撮影はありえますがそれでも照明スタッフはいます)
奇をてらい才気バシッた実験映画ではない。
己がもつ映画技法のすべてが通用しない中、
半年間手探りで孤独な映画造りを行った果てに見えてきたものを、
幸いにして我々はスクリーンから感じ取れる。
映画とは、一時の慰安と享楽を提供するだけのものではないことを教えてくれる。
風や光の中にも、言葉や音楽があることも教えてくれる。
ある意味で苦痛な169分ですが、苦痛の果てでしか得られないものがあることも
教えてくれる。
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