2015年7月6日月曜日
戦争の犬たちを解き放て
お手軽なポリティカルミステリーと切って捨てればそれまでであるが、
スパイ養成組織の教則本にも採用されているやに聞けば、さもありなん。
戦争に限らず(とりわけ戦争はそうらしい)が、プロジェクトの成否は、
戦闘(行動)
情報
作戦
兵站 の要素で決まるとは言い古されたこと
そして、話は旧皇軍の過度の戦闘重視(情報と兵站の軽視)とつながり、
自衛隊においても、兵站は三日分しかない・・・って都市伝説に展開するのだが、
そんなことはどうでもいい。
情報・作戦・兵站は文章力が巧みであることによりそれなりの質を担保できるが、
映像にはならない。
したがって、小説も映像化されれば、戦闘シーンばかりとなり、原作と似てもにつかぬものになる。
フレデリック・フォーサイスの魅力は、ロジスティックスにある。
人気作家なのでそれなりに映画化されるが、かようなことなので、愚作の山。
とりわけ「戦争の犬」はひどかった。
当然脚本もチェックし、それなりの注文もつけたと思うが・・・
真偽は定かではないが、
印税と映画化権は、ビアフラクーデターの資金に提供される予定であったらしいので
とやかく言わなかった。
しかし、現実は、小説のごとくうまく行かず、官憲に察知され失敗に終わった。
フレッドジンネマンが監督した「ジャッカルの日」は、ある程度原作に忠実なので
ロジスティクスが堪能できる。
その後は、舞台がワールドワイドになり・・つまり荒唐無稽的になり、ちょっとついてけないって(苦笑)
最近ブックオフで美本なんですがタダ同然の単行本
ネゴシエイター
舞台は・・・・アメリカ、スペイン、サウジ、ロシア、イタリア、イギリス
小道具は・・・オイル、軍縮、誘拐、クーデター、公金横領、
登場人物・・・大統領、書記長、首相、国王、軍事産業のボス、オイル屋、テロリスト、FBI、KGB
ひと通りなにもかも揃っています。
時代は、ゴルバチョフのころですので、エネルギー情勢の読みがかなり違う。
その点で、作品価値が低いのでしょう。
他方で「イコン」は、いまだに評価が高い・・・って、けだしそういうことです。
しかし、現実になってほしくはない。
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