2015年8月7日金曜日
ハリウッド的「三丁目の夕日」譚
2010年の刑事訴訟法改正により「人を死亡に至らしめ、最高刑が死刑に当たる罪の場合」公訴時効は廃止された。公訴時効制度の存在の意義は学説的に様々論じられたが、決定打はない。仮にあっても、部分的とは言え「廃止」された以上、今までの論争は虚妄の神学論争だったということである。知る限りの学説から廃止論を導くのは無理です・・・ということは、単なるマクラである(笑)
コールドケース、つまり未解決事件をテーマにしたミステリーが王道を歩けるようなったのです。
佐々木譲さんが、シリーズ化しようともがいておられますが、道警シリーズに比べて出来映えはイマイチです。
しかし、フィラデルフィア警察の殺人課があつかうコールドケースは、これは歯ごたえ、見応え・・・さすがにCBS制作の60分ものドラマシリーズ。
たまには、郷愁もいいもんだ。しかし、遠くからノスタルジックに浸るだけでは、ただそれだけになってしまう。同時代感を共有できるようなしつらえこそが、製作者の腕の見せ所。ドラマ展開は優れて「寅さん的」である。
ワンスアポンアタイムって感じで、殺人事件が起きる
なんらかのきっかけで、担当グループの出番となる
再調査を始める・・・
新たな事実、人物が登場し、当時の粗雑な捜査が露わになる
真相発見、犯人逮捕
お決まりといえばその通りですが、事件当時の懐かしい風景、ファション、音楽、社会風俗なんかを忠実に再現・・・これが見どころの一つ。
当時の関係者がそれなりに歳をとって登場し、時によりフラッシュバックして当時の居ずまいになったり、また今に戻ったり・・・見どころの二つめ
事件が解決し、積年の怨み辛みが晴れ、街角の一隅から晴れやかに、当時の姿で捜査官に笑みを浮かべる被害者たち・・・なんちゃってこれも見どころ
仏の功徳で冥界に彷徨う怨霊が、はれて成仏するような複式夢幻能を思わせます・・というか、そのひそみに習ったのかも知れませんなあ。
シーズンは終わりましたが、嬉しいことにGYAOで無料鑑賞できます。
著作権の関係でDVDは多分発売されないと言われています。
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