2015年9月13日日曜日
赤身と白身
ちゃんとした白木のカウンターに座れば、まず「トロ箱」を見る。
ネタを眺めて、ふんと冷笑して席を立つ・・・ってニヒルでカッコいいがあまりに気取り過ぎ。
普通は黙って、白身(淡白な素材)から始める。
次は脂身の濃い食材(赤身のマグロなんか・・・いいですねえ)
本当はガツガツとあれやこれやって物色する前にこの程度で軽く「あがり」なんかを頂戴するのが粋だが、
次に「光物」とか「卵焼き」。
最後に「巻き寿司」っていうのが通俗的定番・・・・
寿司屋話題と思いきや、実は全く別なことを考えている。
ここで言う「身」とは「筋肉」のことである。
白い筋肉と赤い筋肉がお魚さんの世界にはあるのだ。
当然ながら、白い筋肉は「瞬発力」に優れ、赤い筋肉は「持久力」に秀でている。
マグロはどんだけ頑張ってもヒラメのシャープな動きにはかなわない。
逆もまた然り・・・
薬物ドーピングをやっても効果は限定的だし、これって陸連規定で永久追放になりかねない。
ヒトザルの世界も多分同様だろう。
ハイジャンプと砲丸投げでは所詮体型が全く違うし、短距離と長距離では肉質がきっと違うのだ。
つまり、そういう形成遺伝子の違いということになる。
少し前に「デザイナーベイベー」って話題になり、多分に倫理的な問題にもなった。
さすれば「デザイナーアスリート」も同様である種のドーピングであると指弾する向きもある。
薬物を使用してレコードを出すことと、人為的に遺伝子操作を行うことのそれに
差異があるのかどうか・・・
明らかな劣(悪)性遺伝子を駆逐する医学的行為はヒューマンですが、
ある種「神の領域」に踏み込んでいる。
愚劣に生まれついてくることは不幸には違いないがこれも「神の不可知な御業」ってこと。
アスリートの世界は、もはや古典歴な意味でのスポーツとは言い難い。
過度に管理された「科学的なトレーニングなり生活環境」から人工的に創りだされたマシン達の戦い。
そう言えば古代ローマ文化ともいうべきは剣闘士(グラディエーター)
現代のグラディエーターとはまさしく競技場のアスリートたち。
パンとサーカスに興じるローマ市民と我々はどこが違うのか?
古代ローマのグラディエーターの多くは奴隷階級の出身であるが、
一定規模で自由民も志願したらしい。
厳しい訓練を経て勝ち続ければ、富と名声を得ることができたが、
出自において差別されることに変わりはなかったとされる。
今様のグラディエーターも「奇形児」であって、ある種後ろ指を刺されても致し方ない(差別といえば差別だが・・・)
しかし、帝政期ともなれば、上流階級出身者がグラディエーターとなった例もあるようである。
なんだか・・・今様風景と何が違う(苦笑)
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