2015年12月5日土曜日
伊拉克叙利亜水滸伝
頃は北宋徽宗帝の頃。
暗愚としかいいのようのない皇帝であるが、天は何を思ったか画人の才能を与えてしまった。
この点にかけては中国史上の天才といえるのでしょうが、経世的には余計にまずかったようである。
徳のない治世者を持てば、国土は土崩瓦解し、跳梁跋扈するのは犯罪者か反乱群
山東省あたりの海抜ゼロメーターの大沼沢にあったのが梁山泊
犯罪者が巣食うカスバみたいな場所である。
今や有志の巣窟ってことでネガテイブ感は払拭されたが
そもそも的には良い子が立ち入る場所ではない。
法治国家の網が及ばず・・・言ってみれば「ローグネーション」
ある程度の規模感ともなれば、上九一色村のサティアンみたいなもので、
相応の統治のメカニズムが働き出す。
組織を支えるのは、ロジスティクスである。
フロントで勇ましく銃刀を振り回すだけが能ではない。
まずもって先議事項は「カネ」
組織経済を支え、医務・工務・物流・・・一隅を照らす様々な専門技術者こそが組織の宝
北方水滸伝では、塩の密売が経済を支えていました。
伊拉克叙利亜の水滸伝の世界では・・・・オイルに人質ビジネス
輜重輸卒が 兵隊ならば、
蝶々トンボも 鳥のうち、
電信柱に 花が咲く
・・・なんて言ってるから、我が皇軍は、敗退したのですよ。
さて、梁山泊の水滸のあたりの百八人の国家モドキ集団ですが、実質支配地域を拡大しつつ
軟弱な政府軍を翻弄し・・・ってことで物語はすすむのです。
中華の最高の知性は、まずは韓非子を読み、第二集団は孫呉、三国志なんかを有難がるのは
養い難い婦女子のたぐい。いわんや水滸伝のような小説は稗史以下
なもんで、様々なバリエーションが作られます。
権力者に阿るように、帝に投降し、北狄防衛で玉砕していったりとか・・・
何時の時代でも、帷幄に謀を巡らす陰謀屋はいるわけで、策謀にひっかり、
歴史的には「革命の裏切り者」として消え果てていく。
いまや世界的には乱世の時代(・・なんでしょうか)
強大であるはずの国家が手を焼く梁山泊モドキの反乱軍があちこちに群雄割拠する。
テロなき世界を目指して、連衡合従とでもいうのでしょうか「宣戦布告のない戦争」が繰り広げられる。
戦争なき世界はいつ到来するのだ?
テロなき世界が終わるとは思えず・・・戦争なき世界も幻想でしかない・・・のかねえ。
敵の敵は味方って考える向きがある以上、いかにローグネーションであっても利用価値がある。
けだし、国際政治は道徳から解放された存在である。
連衡合従ともいうべき国際政治の策動は「ゴルティアデスの結び目」よりも難問。
手を握りながら足を蹴飛ばすのは当たり前。
右手で握手し、左手には匕首を隠し持つ
なんとか中心外交なんて空理空論に浸っている余裕はない。
命と暮らしは自分で守るって当り前じゃないか
アレキサンダー大王のように、一刀両断しか解法はないというのがオチなんですが・・・・
英雄が活躍する時代が民草にとってシアワセな時代かどうかは知らないが、
英雄が必要とされる時代に英雄が得難い時代は不幸でしかない。
そろそろ007の新作のロードショー
あの「スペクター」って、元祖ローグネーション
ちょっと前にナポレオン・ソロとイリヤ・クリヤキンが活躍するリメイクが登場して
絶句しましたが、これまた「スラッシュ」というローグネーションが登場する。
やっぱり、今はそういう時代なんですよ。
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