2016年3月19日土曜日
舌足らずなその(2)
ほかに選択肢がないからしょうがない程度でしかない政体ですが、
いかようなる政体であっても、つまるところ「政体の権力を行使する人格」次第である。
数年おきの「お祭り騒ぎ」の都度、思い出されるのが、ドクヴィルの「アメリカの民主政治」
アメリカンの一流大学では、社会科学系の学生の必読文献とされているようです。
翻って倭国はっていえば・・・・学生時代にそういう指導を受けた記憶がない。
っていうか、そもそも「指導する場」すらなく、なんちゃらジャーナルだけを読んでいればよかった時代。
当時の彼の評価とは、唾棄されるべき存在のフランス人政治思想家だったようです。
しかしながら「古典」とは風雪に耐えてこそ。
ちゃんと講談社と岩波の文庫には収録されていますが、
あの時代のアジビラのたぐいはどこへ行った。
アンソロジーでも編纂されれば・・・・値段次第ですが、贖うかもしれません。
さて、フランス革命で辛酸を嘗めた貴族の末裔であったようですが、
そのトラウマで反動主義者になるようなレベルの人物ではなく、社会のエリートとして生涯を過ごした。
なんちゃって、定員40人枠のアカデミー・フランセーズの会員でもある。
もっとも、終身席次なので、いかで天才であっても先人を押しのけて座席に座れるわけではない。
むしろ「無冠の会員」にこそ、天才民族が生み出した大天才たちがいる。
ざっと、見たところ当然会員であるべき方が名簿にないということはそういうことなのだ。
逆に空席がでたといっても、すぐ誰かが後釜に座れるわけでもない。
権威とはそういうものだ。(ググルに、今時点二人程度欠員がいます)
この稀代の名著ですが、何分浩瀚なもんで、まともに読んでません。
やってはいけない「お手軽解説本によるお勉強」は・・・・解説本著者によって、
ドクヴィルの思索の捉え方のニュアンスに差があり、やっぱりやってはいけない(苦笑)
アメリカンの民主主義は時代の最先端を切り開くものであるという高い評価は誰しも同じだし
それに内在する危険性(多数者の専制)の指摘もそうなんですが、その背景や理由の切り取り方に差がある。
今そこに見える「政治の劣化」は確かにあたっていそうだが、その危険をどう克服するかは、
よってたつ原因の正確な分析と把握によらねばならないが、そこんところがねえ・・・・
政治を読む識者の甘さってそういうことなんでしょう。
ブームという風を巻き起こして登場したものの、金メッキだったという経験はもう結構ですが、
ムクなのかメッキなのかは、冷酒とオヤジの小言と同じだ。
あとからじわじわ効いてくる・・・・・・(サイレント・マイノリティとしては諦観するしかない)
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