2016年4月28日木曜日
願文
簡単に言うと「誓いの言葉」、誓詞ともいう。
神仏との約束であり、約束を違える事は許されない......はずなんですが、
to share with you both sorrow and joy,
and be faithful to you,
until death parts us.
さはさりながら......風の中の羽根のように言葉は空虚(笑)
世の中、なんにでも「三大」なんとかってあるんです。
能楽の「三大願文」
木曽の願書
安宅の勧進帳
正尊の起請文
これまた「願書」は、真面目に木曽義仲が平家追討を願い奉るのですが、
あとは、その場限りの虚言妄語の類い。
しかし、嘘も真剣になり、本当だと信じこめば、本当らしくなる。
聞いている方も、そこまで言うならまあ信じてやろうかって。
さて、渋谷の松濤の観世能楽堂が、銀座に移転し、来年秋に杮落としの予定。
従って、おさらい会も秋に新装な能楽堂でやることになったらしい。
今年が引退興行のはずだか、杮落としの一環で会をやるからと言われれば
寒村陋屋から御出馬するかどうか思案中。
どうせやるなら、オトコ弟子宿願の、願文揃い踏みの第二弾!
毎度の独吟だと芸がないから、起請文の「一調」にでもしてみるか(笑)
頼朝の義経暗殺の密命を受けて上洛した僧正尊。
義経と弁慶にとっちめられ、苦し紛れに起請文を書き、それつらつら嘘偽りはございません。
まあ、みえすいたうそですが、だまされた振りの主従。
その夜、正尊一党は夜討ちをしかけるのですが、哀れ返り討ちの次第。
ちなみに、アリアのアカペラのソロに簡単にオーケストラをあしらうという
演じかたがある。
笛をあしらったり、太鼓をあしらったり......
鼓をあしらうのを一調という。
多少イロモノがつくと華やかになるし、新しい舞台に花をそえるかな。
世捨て老人が、メセナをかねて、恥辱汚濁の世間に再登場するのだ(笑)
客席も渋谷の能楽堂のばいになりますので、バンショオクリアワセのうえ、
御来駕を伏してお願い奉る次第。
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