松竹大船調なる家族の風景は、長らくホームドラムの基調となり、今に至るが、
その骨格は異質なものになってしまった。
小津の描いた家族の肖像・・・山田洋次が継承したなんてとんでもない読み筋
誤読もいいところだ(笑)
小津の世界の一人ひとりは、古き良き時代の倭人ですが、自我の確立と自己主張がしっかりとしています。
俗にいう、腹がすわっている・・・予定調和的な迎合や妥協とは一線を画す。
遠くに離れているくせに時折甘笑顔で故郷に帰ってきる。
愚につかない諍いで家を飛び出し、また呑気に帰ってきて、家族はそれを受け入れる
なんとも、センチメンタルな家族の風景を山田洋次は長年撮り続けた。
これを倭の原風景って言われると、小津が化けて出てきますよ。
川中美幸さんは・・・生きているのが辛い日は、おまえと酒があればいい って唄いますが、
オトコはつらいんだって言われても、それがどうした?
甘えんじゃないよってケリを入れたくなる。
芸術作品としての骨格を歪めてしまったことには変わりがない。
早く悟ればいいのですが、またぞろねえ・・・苦笑
家族はつらいよ
小賢しくつくってはいますが、映画じゃない。TVのホームドラマ
中流サラリーマン家庭
二世代つつがなく生活していますが、リタイアしたオヤジは糟糠之妻から離婚請求
惣領の甚六は右往左往
髪結いの亭主を抱えた税理士長女は半ヒステリー
居候状態の次男は収入不安定な調律師
結末あたりで、小津の東京物語の映像がながれるのですが、
家族の風景として対比させたい意図が、チョットいたたまれない。
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