2016年11月21日月曜日
初めてのワーグナー(トリスタンとイゾルテ)
トリスタンがオトコでイゾルテがオンナ。
逆だと勘違いしていたが、これは倭の慣例(お初徳兵衛、お軽勘平とか・・)が普遍ではないのだ。
北欧神話とこれまた勘違い。
舞台はブリテンです。
ケルト神話の延長かしら?
トリスタンは、アーサー王の円卓の騎士でもあるようです。
騎士道文学・・・とりわけアーサー王ワールド(伝説あるいは説話)は、後世のあらゆる芸術の最大のネタ本である。
が、浅学菲才にして蝸牛はあまりよく知らない。
時代は・・・クラシックローマなんかが登場しますから、末期古代のようですが、風俗的には中世
場所は・・・イングランドの南西部からウェールズあたり
キリスト教に席巻される以前のケルトの風情満点
アーサーは、典型的な貴種流離譚の装い。
手には正統なブリテン島の統治者の証しである妖刀エクスカリバー。
そして十二人の円卓を囲む騎士たち。なんかジュダイの騎士みたい(笑)
文芸の定番である、ドロドロ愛憎劇は、近代フランス小説に限らずアーサー王伝説でも例外ではない。
ランスロットは、アーサー王の股肱之臣
グィネヴィアは、アーサー王の貞淑な妻なんですがランスロットと不倫中
一方でランスロットは、なんちゃらなる若い婚約者だか恋人がいますから二股愛
こんな状況で悲劇が起きない訳はなく.........なんですが、
ほんとうにヒトザルは過去の過ちから学べない。
実はトリスタンは、ランスロット卿の蹉跌である・・・ってことで、この壮大なワーグナーの楽劇は始まる。
まるで、シェイクスピアの悲劇だか史劇を見てるようです。
いや違いますねえ(笑)
シェイクスピアの作品のモチーフに騎士道文芸のエレメントが使われたのだ。
忠節と裏切
貞淑と不義
羨望と嫉妬
誤解と無知
愛と死
しかし、苦痛の......いや苦痛も限界を越えれば法悦の5時間7分。
しかし.........
浪速のオッサンやオバチャンにこんなにワグネリアンがいたとは知らなかった。
シネコンの料金としては法外だし、各種割引は一切なし。
貸し切りで堪能......は甘かった。座席の両サイドに観客って久し振り・・・
NYのメトロポリタンまで足を運ぶことを思えば何十分の一ですから、ライブビューイングってお安いのです。
そもそもチケットも完売だった模様。
指揮がBPOのサイモンラトル。
今のうちに聴いておかないと悔いが残る。
英国に帰るだけのことですが、ベルリンフィルより、ロンドンフィルが良いのかねえ。
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