2017年1月17日火曜日
あの「ギリシア人の物語」はどうも危険な匂いが・・
英国のジェントリー(・・に限らずかもしれませんが)のクリスマス休暇のお楽しみは、暖炉の前でスコッチなんかを片手に
クリスティの最新作を読むこと
彼女は、毎年その時期に新作ミステリーをリリースしていたようですが、ご逝去あそばされ、今は何を楽しみにしてんでしょうか?
翻って 蝸牛は「危険な著述家の新作歴史小説」を毎年末の楽しみにしていました。
まあ、本の売れないさなかでの新潮社の戦術なんでしょうが、これはこれで楽しい営み。
ところがどうしたことか・・・昨年末にはその楽しいイベントが・・・・
ギリシア人の物語の第二冊。
彼女の著作は史書でなく歴史小説ですから、
話の展開が意図通りうまくいかないもので「挫折」ってのは考え難いし、
彼女ほどのこと、全体構想があいまいなままで書き始めるはずがない。
考えられることは、彼女も末期高齢者の仲間入りですから、
健康状態を害したのではないのかと・・・危惧しています。
ローマ大医学部教授と離婚してますから、主治医はいるんですかなあ?
彼女だって、途中でペンを折るようですは、慙愧に絶えず死ぬに死ねないでしょう。
彼女の「恋人」は、歴史上の永遠に残るようなどっちか言えば「ワルイ男」
オンナを主題とすることもまれにあるが、
イザベラ・デステのように、今どきの「強いオンナ」のタイプ
良妻賢母なんかはお呼びではない。
ラテン系のワルイオトコは書き尽くしたが、唯一アレキサンダー大王が残っている。
個人的には興味の順番はあまり高くないし、よくは知らない。
だから、逆に知りたいって気持ち・・・はないではないが。
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ここまで書いたところで・・・・1月27日に刊行されるって!!!
なんとも「サブタイトル」が・・・民主主義の成熟と崩壊
加えてオビには「民主主義の罠」
なんとも、やっぱり危険な著述家です(笑)
ナイーブなよいこは避けるほうがよさそうですねえ
彼女は、蝸牛の定義する反「知性主義」主義者ですから、
西洋政治史における「最大の悪」に肉迫したいのが真の意図だったと分かります。
思えば、第一冊のタイトルは「民主主義の始まり」だった。
つまり、崩壊した民主主義の明日を第三冊で見せてくれるわけですよ。
見たくない現実から目を背けてはいけないが・・・・
英邁なアレキサンダー大王が登場するのか、反・知性的なトリックスターが
跳梁跋扈するのか、小説以前に現実社会が大変ですねえ。
歴史は繰り返すって言いますから・・・
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