2017年1月29日日曜日
話題になるのが遅かった「アイ・イン・ザ・スカイ」
途中から姿勢を正し、まなじりをキリリと・・・
思えば、亡命ロシア貴族の血を引き、RSCの舞台女優をつとめ、オスカー賞に輝き、デイムの称号まで持つ大女優が
迷彩服着た戦争映画ごときの主演だって・・・
しかし、彼女が引き受けるだけのハーバード白熱授業的素材なんですねえ。
ドローン自体全く新しい素材ですから、ユニークな仕立て上がりになります。
アメリカンのドローンの制御センターはネバダ州のベカス近郊
自宅と戦場の日帰り通勤・・・って不条理な現実です。
ヘレンミレンは英国の大佐
イスラム過激派追討の最前線にいますが、長年追い求めたテロリストをケニアの某所で発見。
英米ケニア連合のドローン搭載ミサイルで皆殺し作戦・・・ってそう物語は単純じゃない。
他国で戦争行為をやるってなんだか問題ありげ
獲物は英国国籍人とアメリカン(アメリカ政府の意向は無視できない)
一般市民・・・とりわけ幼い少女を巻き添えにしてもいいって事でもないし・・・
一方で、元来捕獲作戦だったが、自爆テロ行為を確認した以上悠長なことをやっている暇はない。
軍人の発想は単純ですが政治家はそうでもないし、元来功績独り占め且つ責任回避主義者
不毛の決定先送りプロセスは事態を混乱させるだけで、決定権者を上に上にと時間ばかりが経過する・・・・
外務大臣を探し出し、外務大臣は首相に決断を任せ・・・
アメリカンは簡単ですから、国務長官は、そんな単純なはなしを相談以前と歯牙にも掛けないし、
ホワイトハウスの補佐官は、危惧して圧力をかけてくる。
実に面白い。
シン・ゴジラでは、倭風な結論のでないダラダラした会議風景がある種話題になりましたが、
この手のことは倭国に限った事ではない。
政治家が恐れることは、攻撃動画が漏洩し、YouTubeで炎上する事(笑)
当事者の軍人たちのストレスはたまる一方。
生身の戦場よりもPTSDになる確率が高いとはこういう事なのか。
なかなか見る人が見れば含蓄深い映画なのですが、なんとも粗末なプロモーションのおかげなのか
入りも悪かったのでしょうねえ、早々に打ち切りのようです。
やっぱり、軍令と軍政は別物です。
文民は、戦術局面に口出しをすべきではない。
文民がやることは「戦争を始める事と終わらせる事」の決断だけ
あとは軍人の世界だ。
しかし、ろくな交戦規定もないとしか思えない自衛隊・・・・・ご苦労が多いだろうねえ。
改めて、南スーダン方面の空を見上げ、歎息する蝸牛庵でした。
誤解されると困りますが、政治家がダメで軍人が立派という事ではない。
軍人は、捜査一課の刑事に似てまして、これと思いつめれば
実行するに不利なデータには目をつむり、有利な情報ばかりを
かき集める。
デイムミレンも例外ではない。
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