2017年7月13日木曜日
義経すこしも騒がず
古典の古典たる所以は、様々スピンオフされる事。
船弁慶
能楽の人気曲ですが、歌舞伎や落語の演目にもなってます。
西国に落ちのび再起を図る義経一党
愛人(静ちゃん)を連れての逃避行というのはいくらなんでもまずいって
側近中の側近、弁慶の進言もあり、なみだ涙の別れが前半部。
後半は、尼崎の港から船出したものの、平家の猛将知盛の悪霊が、
怨みはらさでと立ちはだかる...怨霊大戦争風バトルが見どころ。
結局、船は難破し、その後安宅の関を超え、奥州に落ちのびるって事で
演目は安宅となる(歌舞伎なら勧進帳)
まいどの事ですが、主役(シテ)は、
前半は、静御前
後半は、平知盛
義経や弁慶は狂言廻しのようなもの。
知ってるからいいようなものですが、知らないと弁慶が主役だと勘違いする。
でも実際は大活躍します。
いささか長めなのがよろしくないが、アイ狂言にたっぷり時間を取らないと
お着替えが出来ない。
能装束の着付けは特殊なのですよ。
着ると言うより縫いつけるだなあ(^.^)
歌舞伎の船弁慶は、つくりは能楽そのもの。
たぶんですが松羽目もの(舞台のバックに老松があしらわれる)と言われる演目は明治以後の新作歌舞伎です。
能楽が幕府の式楽の時代には、河原の小屋掛け芝居で大衆演劇として演じることは御法度!
でも、町人でも公式公演の鑑賞は出来ましたし、素謡は許されていた。
結構なスペクタクル劇に仕上がっていますから、見ていて楽しい。
一方で落語版はと言えば、上方落語の大ネタ。
これも明治の初め頃の演目でしょうか?
趣向はガラリと変わり、夫婦善哉みたいなもののようですが、
実際に拝見したことがないのでなんとも言えない。
一応オリジナルを下敷きに、能楽のシーンが登場するみたい。
いつもおもうのですが、落語の台本ほどつまらないものはない。
高座の名人の声色次第で初めて面白くなる。
松濤から銀座に舞台が移転し、初めてお邪魔します。
地下鉄直結と聞いていましたが、現在工事中。
地下3階ですが、なんとも迷路みたいな
見所は五百弱。
お能は、ロングランはやらないのがしきたり。
絶対にカネになる舞台芸術じゃない。
0 件のコメント:
コメントを投稿