2017年7月20日木曜日
Tristes tropiques
いくらなんでも、Wink のヒット曲と間違えたりはしないが、
紛らわしい村上龍の短編集タイトルと取り違えることはありそうだ。
これまた楽曲タイトルにも使われている。
悲しき熱帯
と訳されますが「悲しき南回帰線」とも....
フランス語では、名詞の後ろに形容詞がくるのが当たり前だと思われていますが
前にくるケースも多々あります。
悲しきという和語が適当かどうかは疑問があるようですが、よく分かりません。
南回帰線は明らかに気取りすぎな意訳ですが、意味合いには多少共感もします。
20世紀を代表する最重要な「文学書」のひとつ
最重要ですから、あの文学賞は貰ってません。
重要であるほど受賞しない!という蝸牛の仮説のエビデンスです。
フィクションだけが文芸ではなく、優れて含蓄深い紀行文なのです。
旅行記とも言われますが、魂と思索の逍遙のような。
構造主義の学術書だとか文化人類学の入門書だとか思わずに
レヴィストロースの彷徨に同行する弟子のつもりで読むと一番感情移入しやすい。
しかし、彼は社会人類学者だとされるが、文化人類学者とは言わないのか?
ヒトザルを社会科学的見地から研究する事に違いはなさそうなので
学者特有の言葉遊びかな?
それともアプローチの違いかな?
広義には人類学のある分野を意味するようですが、フィールドをあまりに細分化する事が
学問の進化なり発展とは思わない。
様々な学の系統が一体となっている事が真理探究の醍醐味だと思うし、
そういう面白さを味わせてくれる。
レヴィストロースは構造主義で名を馳せたが、これまたよく解らない学の体系。
主義主張というより学問のアプローチの方法論のようにしか見えません。
現代思想(不思議にも現代哲学とネーミングしない)なるもの
どうしてかくも難解なのか?
それ以前の哲学体系が平明とは決して思わない以上
解説する現代人が理解不足に違いない。
真面目に理解する努力なんかムダということでしょう(^.^)
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