2017年11月10日金曜日
16世紀(2)
ルネサンスと宗教改革の時代
近代エウロッパの輝かしい黎明期....とかなんとか山川世界史の記述を
鵜呑みにしてはいけない。
無理矢理に光の部分をフォーカスすれば間違いとは言わないが、
結構ダークサイドな時代だったのだ。
ルネサンス本場のイタリアは当時の先端国家。
明るい太陽の下に文芸復興運動は似つかわしいが、
反面猜疑と陰謀の巣窟であったことはその辺の読み物にすら書いてます。
宗教改革の本場はさしたる混乱はみられないものの、スイスの惨状や如何に。
宗教(広義に考えてもいい)と政治の融合はロクデモナイものしか生まない。
そして、なんとも悲惨な有様は...
その時代精神を具象化した人物と言えば、大方の予想を裏切り(^^)
マルグリッド・ド・ヴァロア(王妃マルゴ)
父はアンリ二世
母はカトリーヌ(メディチ家からお嫁入り)
際だつ美貌だが傾城のオンナ
博識に教養、語学の大家
兄弟を含めオトコ出入りの激しい放縦にして淫蕩
母親ほどでもない陰謀家
彼女のたぐいまれな資質こそが16世紀の時代精神。
倭国での知名度の程はよく知りません。
萩尾ナニガシの漫画があるそうですが、今回初めて知った。
ベル薔薇の二番煎じだろうが、、、キャラとしてはマリーアントワネットなんかより遥かに上。
しかし、おフランスでは、
ジャンヌモロー
イザベルアジャーニー
とコメディフランセーズ出身の大女優により二度映画化されています。
淫乱美人だけならばいくらでも似つかわしい女優さんが居るはずですから、
彼女達でなければならないアイコンだということです。
当時のフランスは国家としての程をなさないくらい混乱を
極めていた。
宗教的対立あるいは名を借りた抗争が相次ぎ、
定説を見ないほどの犠牲者が出た。
マルゴはカトリックであったが、夫となるのちのアンリ四世はプロテスタント
絵に描いたような政略結婚ですが、当人たちに和解と寛容の精神なんか
持ち合わせていないし、
結婚式に集まったプロテスタントへの迫害が、
高校の教科書にさえ登場する「聖バルテルミーの虐殺」
その後アンリ四世により国家は統一され、ブルボン王朝の繁栄の礎が築かれた。
彼は何度となく改宗を繰り返し、最期はカトリックだった。
マルゴとは離婚し、、ローマ法王のお墨付きですから、
正確には、離婚ではなく、原始的に結婚は無効とされたのでしょう。
しかし、アンリ四世は狂信的なカトリックに暗殺されたものの
マルゴの晩年は寂しくも平穏であったらしい。
新しい時代を切り開いたと言う点では
フランス史と国史は時代的にも相似形にみえます。
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