2017年11月28日火曜日
絶滅歳時のさまざま
歳時記と言えば「四季の事物や年中行事のアンソロジー」のことであるが、
一般的には「俳句の季語辞典」である。
あの懐かしい銀座の猫フェチドクターは「ブログのネタに困れば歳時記を・・・」と嘯いておられた。
蝸牛庵は別にネタに困ってはいませんが、夏井いつきさんの季語辞典の続編(実は刊行されたのが相当昔)をリアル書店で見つけたもんで
前作もそうだったが、奇天烈季語(別に風土や文化が変わったわけではなく)なんかをネタにしよう。
絶滅危急季語辞典
俳句の定義は単純で・・・
定型詩
季語があること
しかしながら、自由律なんて俳句もあるがこれは論理矛盾。
こんなことをやるから「俳句第二芸術」と批判されるのですよ。
たった17文字の世界で参入が簡単ですから、川柳もふくめ多くの方々がたしなんでくれるのは
それはそれで功のほうが多い。
もっとも、ここからに先にさらに一歩踏み出してくれないのは困ったものだが。
さて前作で紹介された「絶滅寸前季語」を使った「秀句」の再公開・・・(当然自作ですよ)
人見知り 好き好き ままこのしりぬぐい
おしのけて 藻に住む虫の 音に泣くも
蚯蚓鳴く 静思夜切り裂く 鹿威し
ダルマ俳句とはこう言うのを言います。
これに比べれば前衛俳句なんか大人しいものです。
俳人と言われる方でも果たして知っておられるかどうか・・・(笑)
なんちゃって、たった17文字のうち11文字が季語ってことになれば、俳句つくりも楽なものです。
定型詩の世界では「禁句」なるものがあり、あまりな秀句表現なんかは使用が禁止される。
たとえば・・・根岸の里のわび住まい
しかしながら「藻に住む虫の音になく」も季語です(われから・・なる虫の異名だとか)が、
使ってはいけないとは聞いていない。
そんなこんなで、コンテンツ的には寸前でなく危急ですからまだ知っている季語が多い。
まあそんなことより、奇天烈で文字数の多い季語なんかを巧みに使えば、句会で注目を集めますから・・・
鷹化して鳩になる(10文字)
夜糞峰榛の花(10)
鶏初めてつるむ(12)
けだし狂言綺語俳句の始まり。
しかし、奇天烈すぎてインスピレーションが働かない(^^)
前作を読んだ時はさしてそうも思わなかったが、
なついいつき(ダジャレみたいなお名前だ)って俳人よりも
隠し味のきいた随筆家の様相ですなあ。
一応は歳時記なのですが、そんじょそこらの季語辞典の数倍は
面白い。
蝸牛庵は殊更に奇矯、難解な言葉つかいをこのみますが、
別に好きだとかペダンティックなひけらかしをやっている訳ではない。
言葉は死に絶えると可哀想だし、言葉は使われる事で命脈を保つ。
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