アートとしての政治学の最初の教科書が、マキャベリの君主論!は嘘。
遥かな昔に「韓非子」の書物があります。
同じ頃にインドに「実利論」なる政治技術書。
あまりに即物的なタイトルで興醒めしますし、中身はもっと寒々しい。
思弁性の高いチャンドラブクタ王朝時代の文献とは思えない。
比較検証を学術的に記述するだけの才は有りませんので
単なる紹介。
が、一番面白いは韓非子だと、これはキッパリ!
軍事学では孫子を教える事はハリウッド映画でも出てきますが、
政治学ではどうなんでしょう?
政治学部は数多ありますが、かような科目があるのかどうか?
中華四千年の治世の要諦からすれば「裏技芸」ですから、
あまり語るべきでもなく、
愛読書は韓非子です!なんて口にすれば疎まれる。
統治の一番のコツは「最も好きなものを君主は公言してはならない!」とされますから
案外隠れ韓非子派は多いのです。
因みにこのエピソードは韓非子に出てきます。
つらつら感じ入るに、韓非子の統治の極意である権謀術数って
部下の操縦法であって、人民の統治法ではない。
役人は腐敗堕落し私利私欲にふける存在ですから、
コイツらをまともに働かす事が、民草のシアワセ実現の近道。
たった数百人規模のキャリアが三十万人の一般警察官の上に君臨する
世界とはけだし韓非子の世界。
犯罪者を捕まえることより犯罪者を捕まえる体制堅持にパワーを注ぐ...
だから警察ミステリーは、かようなキャリア官僚に反撥しつつも面白いのです。
事件は現場で..と絶叫するのは木っ端役人の勝手であり、
やっぱり会議室で暗躍するのが韓非子ワールド。
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