日本の三大随筆のひとつだそうですが、身辺雑記文藝を旨とする倭の文学
他にもましなものがありそうな....
教科書の必載文献ですから、冒頭文は誰でも知っている。
しかし、巻末の文章となれば...逆に知っている方がおかしい。
何にしても、文藝は失意を奇貨としてそれを超克したところに生まれる。
鴨長明は、下賀茂神社の禰宜の職を失い、
近親者に先立たれ
歌人としても大成せず
演奏家の盛名も禁忌に触れ、失速。
止む無く、出家隠遁の身と相成った。
一体どうやって生計を立てていたのか皆目判らない。
質素であった事は書かれていますが、それでも先立つものは必要だ。
昨今の元中流、今や下流の老後破綻みたいなありさま。
社会の変革期には、木の葉が沈み大石が流れる様だから
それこそ何でもあり。
これでもか!とばかりに災厄が襲って来る。
大火
地震
竜巻
疫病
飢饉
治世者の不徳、ここに極まれり。
世は末法。
無常観から何事にも執着せずに諦観する気分を「サトリ」とでも言うのか?
方丈記は建暦2年3月に書かれた(書き上げられた)と
書いてますから、死去の四年前。
一切が執着だと否定しているようですので、
雑記書きも晩年は辞めちゃたみたいです。
伏見区あたりの掘っ建て小屋で野垂れ死でもしたんでしょうか。
堀田善衛氏の方丈記私記
71年の初版出版をもってます。
大学生の頃でどうして読む気になったのでしょう。
堀田善衛氏は、敗戦間近の原体験と方丈記の記述を重ね合わせることで
問題意識たっぶりな文芸エッセイを上梓しました。
今読み返しても感じ入るところはあります。
当時の政治の季節に疲れ果てアホたらしくて...は
皆さん、吉本隆明に逃げたらしいが、
こちらはそこまで敗北主義ではなかった。
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