2018年2月20日火曜日
にほひをこせよ んめのはな(道真異聞)
東風が吹けば「思い起こす」のが梅の花...と長らく間違って覚えていたのは
赤面の至り。
和歌集により多少の異同はあるが、匂いおこすものらしい。
京の都から薫風が吹けば、都の旧宅の梅の花よ
幽閉された西方まで香りを運んでおくれ...が切なくて和歌らしい。
思い起こす...では詩想にならない(^^)
まあ、過ちはそそくさと改めて、枕はこれくらい。
今年のお謡の練習は「老松」から、
季節にふさわしくて祝儀の謡。
舞台は太宰府。
ここに紅梅殿なる御神木登場
飛梅伝説に名高い梅の古木
アレレって!
たしか、太宰府の飛梅は「白梅」のはずだ。
実際に見た記憶がある。
鷺を烏と言いくるめるのは未だに得意だし
紅と白を混濁して取りちがえるほどボケてもいない。
北野天満宮には紅白とりどりだから
どっちとも言えない。
地名にも...京都には白梅町もあれば紅梅町もあるが、
この町名はあまり歴史がなく傍証にもならない。
ファンタジーならどこでもドアでとべるだろうが、
ヒストリーではあり得ない。
誰がが勘違いして移植したのだろうか
或いは突然変異で紅が白に変わったのか?
太宰府の飛梅は樹齢千年らしいが、この手の話は大抵サバ読み
この謡曲の出来た室町期は紅梅であったはず(伝承は馬鹿に出来ない)
道真公の頃は中華趣味で梅は紅であったことは確実だし、
清少納言だって「...濃きも薄きも紅梅」とかいてます。
そうだ!
源氏に登場する柏木の弟も、紅梅大臣
王朝美学は紅梅に限るのだ。
江戸時代には、王朝美学も忘れ去られ、誰がが和趣味の白梅にすり替えたのでしょうが、
迷惑なことをしたものです。
更に知りませんでしたが、正しくは「飛松飛梅伝説」らしい。
梅ばかりが有名で、松の伝説も世間に喧伝しなくちゃというのが
隠れたる曲想である。
0 件のコメント:
コメントを投稿