2018年4月14日土曜日
インヴィジブル ハンド
ミステリーのオールタイムベスト。
一応プロが選んでいますから、そう酷い結果ではないが、
余りに常識的で面白くもない。
価値は風化しない、或いは風化しないのが価値、だと思えば
著作権が切れかかった作品とまでは言わないが、
発表後三十年以上経過作品を対象に選ぶのが良いとおもう。
日本編(2012年版、前回は85年版)
順位 著者 タイトル 年 前回
1 横溝正史 獄門島 1947 1
2 中井英夫 虚無への供物 1964 2
3 島田荘司 占星術殺人事件 1981 21
4 夢野久作 ドグラ・マグラ 1935 6
5 宮部みゆき 火車 1992 -
6 松本清張 点と線 1957 3
7 天藤真 大誘拐 1978 12
8 綾辻行人 十角館の殺人 1987 -
9 京極夏彦 魍魎の匣 1995 -
10 横溝正史 本陣殺人事件 1946 7
ベストミステリーから陥落したのが
黒死館殺人事件
不連続殺人事件
刺青殺人事件
黒いトランク
戻り川心中
まだ選ばれるのは早いだろうってのが選ばれた結果
割りを食った感じです。
歴史に残るのは「火車」だけ。
特に「黒死館殺人事件」が圏外に落とすなんて
ミステリー愛好家に有るまじき所業。
文学はリアリズムだけで成り立つものではないし、
多分ですが、戦前戦後の一級品に触れるチャンスのなかった
世代の選び手が増えたに違いない。
因みに、海外版も選ばれていますが....
1アガサ・クリスティ そして誰もいなくなった 1939 4
2エラリー・クイーン Yの悲劇 1933 1
3アーサー・コナン・ドイル シャーロック・ホームズの冒険 1892 10
4ウィリアム・アイリッシュ 幻の女 1942 2
5アガサ・クリスティ アクロイド殺し 1926 8
6レイモンド・チャンドラー 長いお別れ / ロング・グッドバイ 1954 3
7ウンベルト・エーコ 薔薇の名前 1980 -
8G・K・チェスタトン ブラウン神父の童心 1910 24
9トマス・ハリス 羊たちの沈黙 1988 -
10ジョン・ディクスン・カー 火刑法廷 1937 14
よく似たようなものですが、世界的に定評のある作品だらけ。
誰もリスクをとらない(^-^)
がしかし、実に面白いことに気が付いた。
そして誰もいなくなった
Yの悲劇
獄門島
には共通点がある。
それは(神の)見えざる手!
殺人の計画が殺人者以外の手で作られて、
ただ犯人は実行するだけというプロット
文藝の黄金期であったのは19世紀から20世紀のはじめの頃
自然主義と象徴主義の相克が幾多の名作を生み出したが、
ミステリーなんてそもそもが反自然的。
今は社会派と言われる写実的なミステリーが幅をきかせますが、
どっこいセンターを張れるのはやはり「つくりばなし」なのです。
かの黒死館殺人事件は、
衒学
耽美
倒錯
満載(^-^)
0 件のコメント:
コメントを投稿