2018年7月18日水曜日
この国は滅ぶべし
グラディエーター(クラシックローマの剣闘士)でオスカーの栄誉に
輝いたリドリー・スコットにきた次回作のオファーが
ハンニバル
ローマものを続けてやる気はないが...
まあ、勘違いなのですが、
欧米人には、ポエニ戦役を連想するのが当たり前なのだ。
人喰いハンニバルなんか....(^^)
地中海の覇権を巡ってのローマとカルタゴの百年に及ぶ
争いは古代史の白眉である。
川中島合戦みたいだが、此方は歴史への影響は限定的。
蝸牛角上の争い程度
むしろ、現代に比定するならば、東アジア海域の覇権争いに匹敵する。
このビッグイベントを鳥瞰的に記述したのが
ある通商国家の興亡(森本哲郎)
いまだに精読に耐える労作であるが、
なんとまあ絶版らしいってところが、今時の倭の風景
書庫のどこかにあるはずだが.....
探すのは大変だから、先日から再読中の塩野女史の著作を
思い浮かべてみよう。
女史にとっては、ローマ史のエピソードのひとつにしか過ぎないし、
カルタゴへの強い想いがある訳ではない。
しかし、森本さんは「通商だけ国家」へのある種の思い入れなのか
いささか湿度高く滅びの背景を語るのです。
有史以来はじめてのエコノミックアニマルであったカルタゴ
富の追求が悪だとは言わないが、
富だけの追求は善ではあるまい。
盛者必衰なのだから、永遠の繁栄なんかある訳がない。
ギリシアは滅びた。が、文化を残した。
ローマは滅びた。しかし、統治のインフラ(ローマ法と土木構築物)を
後世に伝えた。
でも、カルタゴも「教訓」を残してくれました。
歴史(我々に)に学べ!
しかしながら、世の中盲ばかりで、
目あきはサイレントマイノリティだという事も....
目に見えるカタチのあるものはお手本になりやすいが、
教訓なんてねえ
親父の小言とか冷酒に似ていて、後から効いてくるし、
その時は手遅れ(^^)
労作が出て来ました!
89年9月 第一版第7刷(初刷は同年六月)
PHP出版社刊行
定価1300円
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