2018年8月28日火曜日
顔はぶたないで・・・女優なんだから
一連の角川映画の回顧上映の真っ盛りのころ。
才気走った版元の御曹司のビジネスモデルが大当たりし、映画ビジネスの風雲児とか。
エンタテインメント性の高い小説を映像化してセット販売。
確かに当たると思います。
しかし、傑作とは多くの場合、映像化が困難な作品に多く、お手軽な手口はやはりその程度ってことになる。
早晩廃れるのは歴史の必然ですが、そうはいっても、記憶に残るような佳作も少なくはない。
薬師丸ひろ子の「Wの悲劇」
原作は夏樹陽子さんなのですが、映画化された際には原型をとどめないくらい改変されました。
しかし、思えば、原作のミステリーが劇中劇となる巧妙な換骨奪胎です。
ヒロインは駆け出しの舞台女優。
劇団の大物女優、なんとこれをあの三田佳子さんが演じるのです・・・
の醜聞を肩代わりする事で成り上がるチャンスを作る。
角川版「イヴの総て」みたいです。
なんちゃって出色のシーンは、パトロンの不慮の死に居合わせたという身代わり設定でのヒロインの記者会見
ハイエナどもの無作法、無遠慮、卑猥下劣な質問を
オドオド、健気に、愛らしく「演じる」薬師丸ひろ子。
女優って凄いですねえ・・・・と言うことで、高畑淳子さんの記者会見に話題は飛ぶのです。
色んな意見がありました。
馬鹿息子という点では異論はないのですが、あの歳になって母親が記者会見するかよって
まあ、その通りですが、事件発覚のタイミングが悪い。
記事枯れのところに飛び込んだスキャンダル。
目がつり上がった舌舐めずりな芸能ジャーナリズムをなだめるには、ネタの提供しかない。
所詮、狭い業界の事。持ちつ持たれつ貸し借りの世界。
正論からすれば、素知らぬ態度でも問題はないのですが、
今後のことも考えた政治的あるいは営業的妥協・・・
可能性は薄いが、復帰のチャンスを潰しておかない。
スポンサー筋の義理かけをしない。
三田佳子のように息子の醜聞で自分の女優生命を危険にさらさない
ってことを考えれば、法的責任はなくとも・・・いや違いますねえ、ないからこそ、道義的責任を
前面に打ち出し、無制限にカメラの前で晒し者になる。
女優の本領とはそういうもの
あの記者会見で、母親しか見なかったのであれば、まだまだ安酒と泥水の
呑み方が足りないということです。
因みに、タイトルは、薬師丸演じるヒロインのセリフ
なんか含蓄ありげ(笑)
一世一代の母親の名演技に関わらず、
バカ息子...美人局の被害者かも...は消えました。
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