2018年9月22日土曜日
薫と匂(改版)
この映画のラストシーンに登場する女性の使っている
フレグランスは、キャロンの代表的なブランド。
香水だけを扱いますから知名度はあまりないかも知れません。
最高に趣味の良い女性の愛用品だとか....
けだし、かおりは人格なのです。
シャネルの何番なんてありがたがるうちは...まだまだ
平安時代の上流社会では、元来は仏前を清めるものであったが、
香烟をもって、衣服、頭髪身体、屋内を香り尽くしに
することが嗜みとされた。
ロクに入浴もしなかったらしいので、所詮はファブリーズな異臭消しであるが、
調合の妙はあるもので、モテカタも変わったようである。
臭いと匂いの違いは視覚的には明々白々。
不快と快感の差である。
聴覚的には差がなく、あらぬ誤解を招かないためにも、
使わないようにしましょう・・・ってのがエチケット評論家のアドバイス。
バカバカしいですなあ(笑)
下町の人気居酒屋で 「大将美味そうな「カオリ」だねえ・・・」っていえませんよ。
やっぱり「いいにおい」なんですよね。
ちなみに知らなかったが「匂」は、漢字ではなく国字である。
勹とは、つつみかまえというらしい。
ということで一旦話題は「カオリ」に転じる。
視座は、源氏宇治十帖!
当てる漢字は多岐ですが、香あるいは薫が代表例
快感を覚えるような「ニオイ」ではあるが、どう違うのかは判然としない。
用例からすれば、
後者の場合は、比喩的、象徴的に使われる。
風「香る」皐月なんて書くようじゃ、ヒトザルやめた方がいい。
さて、本題ですが、ニオイとカオルはどう違うのか?
本来「ニオイ」は、臭だったと思われます。
いいにおい!
単に形容詞をつけなければ「臭」のイメージが浮かぶ。
有名なあの相聞歌.........単に宴会の戯れ唄ともいわれますが、
紫の 匂える 妹を にくくあらば ...
額田王が香水プンプンというイメージはないが、紫草の仄かな香りが立ち上る雰囲気
風流とか姿かたちも美しいといいたいときに「匂」を使うのだ。
高価なフレグランスだけって一点豪華主義じゃ貴公子はつとまらない。
アレコレブランド尽くし。
匂宮とは、そう言うオトコなのだ。
さて、薫
特段、香烟を焚きまくるわけじゃないが、体内からそこはかとなく
そそる匂いが.........
麝香ネコみたいな異常体質
やはり、ある種のシンボリックな存在なのです。
出生の秘密からくる屈曲感ある性格とか、陰を感じさせたいが故にも
象徴的であらねばならない。
かの源氏物語の源氏名の精緻堅牢な考証論文を探していますが、
探し方が悪いのか、皆目アタリが出ない。
ならば、自分で考えるしかないが...
改めて思うが、アタシって嗅覚音痴かも。
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