2018年10月24日水曜日
「プライド」ってなんですか?
19世紀の英国小説の最高峰でオースティンの傑作といえば「PRIDE AND PREJUDICE」
後ろの単語は、おおかたのところ「偏見」と訳されているが、問題は PRIDE
これがまあ、多岐多様で、その表現しだいで本作のイメージまで決まってしまう。
多数派は「高慢と偏見」。
我が書庫の単行本もこの訳ですが「自負と偏見」という訳もあります。
高慢
自負
自尊(・・という訳もあるらしいが、自尊心って一番適訳語でもあります)
矜持も感じがでてますがねえ
小説家が小説のタイトルに苦吟するエピソードは、枚挙にいとまなし
あのミッチェルの「風とともに去りぬ」がオリジナルとおりに「明日は明日の風が吹く」だとあれほどのベストセラーになったかどうか・・・
長い間「つんどく状態」だった理由のひとつがタイトルにあったと思い至ったのは、
さまざまな訳のことを知ったからであり「自負」と訳してくれれば、早い時期に読んだかもしれない。
別にどの日本語を当てるべきかって「悩む」のは蝸牛庵だけでもないと知ったのは、2005年ころ
最新版の映画化では・・・・日本公開タイトルは「プライドと偏見」だった!
悩んだ果てに、一番安易な解決策をとったみたいだ。
もっとも、お好みの「キーラ・ナイトレイ」主演作とはいえ「高慢」では、シネコンに足を運んだかどうかはわからない。
モームの世界十大小説のひとつに挙げられるくらいだし、漱石も絶賛ですから、スピンアウト作品はごまんとあるらしい。
あの「BJの日記」もそうだ
しかし、いくらパブリックユースとはいえ「ゾンビ」映画に仕立て上げるってちょっとやりすぎでしょう。
しかしまあこれがなんともいえない「怪作」でしてねえ・・・・(笑)
19世紀の上流階級の世界
爵位があればいうことがない(当然世襲財産もある)が、
ジェントリーといわれる爵位を持たない上の中下階級ではさまざまなエレメントに左右される格差社会。
女性の社会進出なんてとんでもないことで「働かないこと」が美徳(実に羨ましい)
したがって、いい配偶者(つまるところ資産のたか)をゲットすることが人生の第一目標である。
当然ながら婦女子のたしなみってありまして、そのひとつが「武芸」
何故かゾンビが大挙し徘徊する英国においては重要な「美徳」とされているのです・・・・・
別に下級がゾンビという設定ではないが、上流ゾンビっていうのも登場します。
昨今の映画ではたおやかではなく強いオンナキャラが要求されるってトレンドにのっとるという王道に従います。
原作の縦軸のロマンスと横軸のお互いの誤解に基づく心理的葛藤、
加えて大衆向きのゾンビ&ホラー要素にアクション、
美しい五人姉妹にイケメンの英国紳士があまた登場・・・・と大衆娯楽要素満載
これがあたらないとどうかしてるって、制作サイドの意気込みが伝わってくる。
当然続編期待らしいエンディングですが、興収は惨敗。
再見するに、ラストあたりがうだたい。
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