2018年10月11日木曜日
天才はかくして造られた
アメリカ文学については・・・(他もそうですが・・・)浅学菲才であり、
トーマスウルフ
トムウルフ
をごっちゃにしていた。
後者は共和党支持の売文家(虚栄のかがり火とかライトスタッフが有名)
前者は、二十世紀前期の大作家(・・だそうです)
時代的には、フィッシュジェラルドやヘミングウェイと重なりますが、知名度は劣る。
もっと重なるのは、同じ編集者が彼ら「天才」を世に送り出したこと。
その「彼」以上の名編集者なる存在がいるとすれば、
蔦屋重三郎
P・J・エッツェル・・・・くらいなもんか?
後者の知名度も低いが、バルザック、ユーゴー、ジョルジュサンドの出版担当者だった。
かの「?と!」のエピソードの相方かと思うのですが、調べましたがよく分かりません・・・・
そもそも、編集者って「黒子」だから、名前が出回るようだと逆におかしい。
かの マックス・パーキンスの場合はたまたま伝記のできばえがよくて、映画製作者が目をつけた。
しかし、ここまで編集者が腕力をふるえば、
ゴーストライターとは言わないが、共作と何が違う?
次回作のアイデアを出し
ストーリー展開を一緒に考え
添削し....
けだし、気分としては、作曲家と演奏者。
名曲とはこれらの幸せな融和だもの
最近は、映画なんてアトラクションです。
かつては、映画館は学校とも教室とも言われましたが・・・
最近の学校も中身は遊園地程度らしいから平仄はあいます(苦笑)
しかし、よくできてる「大人・・・精神年齢がですよ!・・の鑑賞に耐える映画」です。
映画の舞台の多くは、NYですが、倫敦を思わせます。
あえてモノクロトーンで撮影していますから、余計にくすんだ煉瓦色を思わせる。
役者が、がさつなアメリカンではなく、
英国紳士(編集者)
イケメン(作家)
オーストラリアオンナ(作家の愛人兼パトロン) とブリティシュテイストだからでしょうか?
補足をすれば、編集者の妻は、生粋のニューヨーカーだそうですが、
劇作家を父とする基礎練をきっちりとやった、学歴・芸暦とも申し分のない実力派
しかし、原題はともかくも、ひどい邦題。
最初から興行成績をあきらめている。
配給が「ロングライド」社ですから、愚昧な大衆は相手にしないというパブリシングな方針かも。
NY中の出版社から断られたウルフの大部の原稿用紙
タイトルは・・・・失われたもの(lost)
しかし、パーキンスは、コンテンツを半分くらいまで切り刻むと同時に、ウルフのご自慢のタイトルまで手をつけようとする。
侃侃諤諤の議論と抵抗するウルフ
最終的には
Look Homeward, Angel(天使よ 故郷を見よ) となり、今に伝わる。
表題とか装丁さらに分量って、コンテンツに無関係だが、売れ行きへの影響は大きいのよ
配給会社の担当者は、映画の中のこのシーンを思い浮かべなかったのかねえ
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