名馬と伯楽の交流や葛藤ほど面白いものはない。
トーマス・ウルフとマックス・パーキングの物語は映画になりました。
この作品もそういう視座で鑑賞すると面白い。
ライ麦畑の反逆児
オリジナルタイトルの直訳です。
さらに「ひとりぼっちのサリンジャー」と説明的なおまけまで
ミーハーな観客が足を運ぶわけではなく、
ライ麦畑....と言えば、サリンジャーを思い浮かべるのが社会通念
つまりは「あらかじめ馬鹿にされた観客」なのです。
サリンジャーについて詳しくはなく、週刊誌的興味の範囲の
知識にとどまる。
コロンビアで教鞭をとりながら雑誌編集者でもあった
ホィット・バーネットがサリンジャーの名伯楽であったことは
初めて知りました。
ストーリー的には、失恋や戦争PTSD、家族の愛憎を
乗り越える為、宗教的瞑想に浸りながら
ホールデン・コールフィールドを主人公に
書き続ける物語なのですが、
NYの出版世界と編集者との関わりのほうが面白い。
バーネットの役をあのケビン・スペイシーが演じます。
同じ時期に制作された「ゲティ家の身代金」では、
彼の出演箇所は差し替えられ、莫大な追加費用を要しましたが、
この映画はそのまま公開です。
セクハラ訴訟の結果如何ですが、彼の遺作となりかねない。
さすがに二度のオスカーに輝く名優の演技ですから
みておく価値があります。
ケビンをそのまま公開したからに違いないが、批評家の評判は
よくない。
興行成績も宜しくはない。
名馬はあれども伯楽はいないのは、
映画と観客の関係もおなじだ。
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