貞子なんかよりも「尊敬される倭の偉人のひとり」は
お岩さまだ。
世界はまだまだ周回遅れに遅れている。
今日は、鶴屋南北作の東海道四谷怪談の初演日。
因んで幽霊の日である。
舞台はソフィアあたりの四谷ではなく、雑司が谷である。
二つの因果怪談噺がクロスオーバーしますが、
赤穂の浪人四谷左門の娘..お岩さまとお袖の哀しい物語。
冠に東海道が付く理由が定かではなく、諸説様々だが得心するものはない。
元来は仮名手本忠臣蔵の幕間狂言的に上演された外伝が
余りの大人気に一本立ちして演じられ、
夏は四谷怪談
冬は忠臣蔵
とまあ、舞台人のコメの櫃となった。
忠臣蔵外伝は他にも沢山ありますが、爛熟頽廃淫靡の極致は
四谷怪談に如かず、未だに人気は衰えない。
江戸の化政期の歌舞伎なんて、天満ミュージックか
DX東寺の出し物と変わらない...R18で良い子の観るものではない。
新渡戸稲造先生の「武士道」は名作だから、
折ふし繰り返し拾い読みをしますが...
あれはあるべき武士道を描くもので、ありえた武士道ではない、
ってことを喝破したのか鶴屋南北。
無為徒食な存在である武士が禄を離れると惨めである。
年金も生活保護もない時代のこと
内職ができる小器用なのはまだマシ。
女房や娘を働かせて...それも風俗系で糊口をしのぐとなれば
武家の面目はどこにある。
赤穂の浪人民谷伊右衛門は加えて在職中は業務上横領の罪人である。
登場する武家にその配下、どいつもこいつも外道ばかり
引き換え、お岩さまやお袖のいじらしいこと。
お江戸の #MeToo とは
怨み晴らさでおくものか
七代生まれ変わっても祟ってやる...
男尊女卑が苛烈なまでに定着したのは明治のこと
江戸の女権は結構強かったのです。
芝居小屋の喝采の背景とはそんなもの。
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