2019年8月15日木曜日
終戦の「勅語」
法制的には降伏文書署名日だと思いますが、
玉音を耳にした日を敗戦の日と思うのも無理からぬ事。
倭人ならばそれでもいいが、
コリアンの光復節(独立記念日)もその日と言われても...
なお、台湾(中華民国)は全く違います。
せいぜい、これから併合解消に向けての事務手続開始の合意日程度のもの。
最近知ったのですが、外務省が終戦勅語の別バージョンを
密かに作成していたらしい。
軍部のクーデターに備えてのプランB
幸いにして陽の目を見ることはなかったが、この際だから読んでみよう。
朕ハ東亜ノ安定ヲ確保シ、以テ世界ノ平和ニ寄与シ、
列国トノ交誼ヲ篤クシ、万邦共栄ノ楽ヲ偕ニセンコトヲ冀ヒタルモ、
帝国ノ自存自衛ノ為止ムナク米英両国ト釁端ヲ開クニ至リ、茲ニ四年ニ垂ントス
此間朕カ勇武ナル陸海将兵ハ挺身国難ニ赴キ、
朕カ百僚有司ハ砕身職務ニ励精シ、朕カ忠誠ナル衆庶ハ困苦欠乏ニ耐ヘテ其本分ヲ尽シタルニ拘ラス、
戦遂ニ利アラス、戦争ハ益々惨烈トナリ朕カ赤子ノ犠牲日ニ月ニ増大シ将ニ国本ヲ危クスルニ至レリ、
而モ交戦相手国ノ流血モ止ル処知ラス人類ノ不幸之ニ過キル無シ
朕ハ戦争ノ惨禍ヨリ人類ヲ救フノ道ハ即時干戈ヲ収ムル外無キヲ思ヒ、
敢テ米英支及ソ聯ノ参加セル共同宣言ノ条件ヲ受諾スヘク決意シ、
朕カ政府ニ命シ交戦各国トノ交渉ニ当ラシム
帝国ノ払フ犠牲ハ甚大ナリ、来ラントスル艱難ヲ克服シテ悠久ナル皇国ノ生命ヲ護持スルハ朕カ忠良ナル衆庶ニ信倚スル所ナリ、
汝有衆感情ノ激発ニ動セス、冷静苦難ヲ忍フノ真勇ヲ発揮シ、一致協力平和ト復興ノ大業ニ邁進センコトヲ期セヨ
公式詔勅のようにみんながよってたかって添削すれば、
冗漫になるのは世の常。
外務省案の方がスッキリしている。
とりわけ「人類の惨禍」をはやく終わらせようという視座は
なかなか...外務省らしい。
全体の起承転結はテンプレート通りかな
以下は公式の詔勅
朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現狀トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク
朕ハ帝國政府ヲシテ米英支蘇四國ニ對シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ
抑ゝ帝國臣民ノ康寧ヲ圖リ萬邦共榮ノ樂ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々措カサル所
曩ニ米英二國ニ宣戰セル所以モ亦實ニ帝國ノ自存ト東亞ノ安定トヲ庻幾スルニ出テ他國ノ主權ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス
然ルニ交戰已ニ四歳ヲ閲シ朕カ陸海將兵ノ勇戰朕カ百僚有司ノ勵精朕カ一億衆庻ノ奉公各ゝ最善ヲ盡セルニ拘ラス戰局必スシモ好轉セス
世界ノ大勢亦我ニ利アラス
加之敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ慘害ノ及フ所眞ニ測ルヘカラサルニ至ル
而モ尚交戰ヲ繼續セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ
斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ
是レ朕カ帝國政府ヲシテ共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ
朕ハ帝國ト共ニ終始東亞ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ對シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス
帝國臣民ニシテ戰陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内爲ニ裂ク
且戰傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ
惟フニ今後帝國ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス
爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル
然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス
朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ
若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ亂リ爲ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム
宜シク擧國一家子孫相傳ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ總力ヲ將來ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ
爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ
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