2019年10月25日金曜日
ゴーレム・ザ・リッパー
倫敦の世紀末
シャーロックホームズ氏(SH氏)はなにをしていたのか?
彼は、1877年から1912年までの間、諮問探偵として活躍しました。
ホワイトチャペルでの複数の娼婦惨殺事件は、1888年の夏から秋のこと
折しも同居人のワトソン医師が結婚し、一人暮らしの日々。
高名なSH氏が、切り裂きジャック事件に全く関与していない事は
世紀のミステリーとされます。
しかし、これに先立つ1880年のライムハウスの連続惨殺事件も
忘れてはならない。
いずれもが、倫敦のイーストエンド...下層民と娼婦の街の出来事。
これにも、SH氏は関与していない。
ダンリーノとライムハウスのゴーレム
邦題が...切り裂き魔ゴーレムと泣きなくなるような
とても白水社刊行とは思えないネーミングです。
ダンリーノとはググっても英語版しかありません。
世紀末のミュージックホールの人気役者。
陣痛でのたうちまわるチャップリンの母親を救ったとされます。
つまり、チャールズの命の恩人
このショービジ人間の周りには...
夫毒殺容疑のダンリーノ配下の人気女優
その夫は切り裂き魔の容疑者
その他大英博物館図書室に出入りする知識人も
容疑者...カールマルクスや、ジョージギッシング
そうそう...ダンリーノもその一人。
なんとも蠱惑的な舞台設定のホラーミステリーは
蝸牛庵的魅力満載。
原作者は、人も羨む学歴と経歴の知的著述家。
史実捏造的なストーリー展開を得意とするようです。
人生は劇場...とはシェイクスピアだっけ?
舞台装置のキモは、ミュージックホールです。
なんとも猥雑な虚構空間ですが、現実よりもリアルに現実めいた虚構を
描き出します。
まるでシネマのように....
そう言えば、マルクスの娘さんは、かのミュージックホールて
女優やってたのか?!
SH氏の代わりに、スコットランドヤードの敏腕警部補が
登場します。
多分ですが、亡くなられたアランリュックマンが
演じる予定だったと思われます。
バルクセールで買い漁られた作品群のひとつ
未体験ゾーン映画祭とやらで、誠に粗末に公開されました
まだ銀幕にかかるだけマシって事ですが、砂の中に輝く砂金のよう。
こういうのに出逢えるのが嬉しい。
なもんで、プライムビデオに登場しましたから、
見逃してなるものか
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