未だに「グルジア」というスラブっぽい呼称の方が、
大地の匂いがして好きです。
初めて観たグルジア映画...
六十年台末の製作らしいが、観たのは多分東京遊学中
神田か新宿か...記憶にない。
質朴なピロスマニなる国民的画家を初めて知った。
当時はワインを飲む習慣がなかったが、もしあれば、
グルジアワインの海に溺れただろう。
土壺で発酵させる伝統的な製法のワインは、ちょっと異質で
馴染めば離せなくなる。
以降、グルジア映画に出会うことはなかった。
そして半世紀ぶりに邂逅した、ジョージア映画
迂闊なことに、映画後進圏に住まいすれば、
上映されるべき秀作が粗末に扱われ、やっとのことで三部作のうち
懺悔
だけを観た...涙ながらに観た。
ヨシフ・ベサリオニス・ジュガシヴィリ
ロシア革命の主導者には珍しく
かの恐怖の独裁者はジョージアの貧農出身なのだ...
といっても誰だかまずわからない。
ペンネームが、スターリン
本名のままならば、知名度も地位も上がらず、
ロシア人はあそこまで塗炭の苦しみに喘ぐことはなかったに違いない。
しかしペレストロイカ以降も悲惨なことには変わりがない。
体制は様々変われど、その実はツァー支配下の継続だということだし、
多分ですが、劣等感に由来する歪んだ性格は、
組織的に増幅され、小さなスターリンを数多生み出した事は
容易に想像されます。
その怨み、我は忘れじ
罪人が埋葬され、大地に還ることを許さじ
チャイナならば、伍子胥のように墓を暴き、死者を鞭打つのでしょうが、
本質優しいジョージアンは、そこまではしない。
しかし、重いエンディングです。
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