2020年7月13日月曜日
茶色の朝から水晶の夜へ
茶色が連想させる抽象的イメージとは・・・
安心感
安定
頑固
堅実
重厚
素朴
地味
伝統
一言で言えば「保守」のイメージ。
一部にグレン・ミラーの「茶色の小瓶」なんかを思い浮かべるだろうが、
それは潜在的なアルコール依存症の傾向を表す。
民族的にも、ラテンやノルマンよりゲルマンとかスラブのイメージ
倭人には馴染みの少ないカラーであるが、
EU諸国(とりわけ仏蘭西国)ではあの「ナチスの褐色の制服」を連想させるらしい。
従って「茶色の朝」っていわれても、その寓意性を感じ取るのは難しい。
仏蘭西ではベストセラーになり、倭国でも翻訳が出たようであるが、社会現象にはならなかった。
お節介にも「倭国の朝も段々に茶色に染まりつつ・・・」なんて書き散らす
某国の国粋的サウスポー新聞もあるようだが、
社会の木鐸たる大新聞の多くは「黙殺」したようである。
原作者のフランス人は、国民戦線(フランス民族主義極右政党)の躍進への
強い懸念を示すためにこの短編寓話を書いた。
1998年のことである。
各国で出版されたが、EU諸国での保守(右派)の台頭に歯止めはかかったわけではない。
一本のペンの力で歴史を動かすことは可能だが、
それはそういうような「時代の要請」が潜在化している場合に限られる。
識者の「強い懸念」にもかかわらず、時代はそのような「危惧」を共有してはいない。
識者は「上から目線」で言うのですよ。
自己保身・他者への無関心等の事なかれ主義的な惰性の日々の積み重ねが
ファシズムを拡散するって・・・
別に大義は「革新や左派」にだけあるってもんでもない。
労働者・市民の祖国だか、地上の楽土だっけ・・・幻想は破綻している。
グリーンゾーンにいながら「啓蒙」してやるって態度だから、
最後の最後で共感を呼ばないのだ。
あの暗い時代は二度とゴメンだ・・・って、迎合した後知恵めいた物言いにも困る。
むしろ戦争の時代を積極的に礼賛し、加担すらしたでしょう。
識者って言われる方々って、基本的に信用も信頼もされていないのですよ。
信じて用い、頼った結果があのざまですから・・・
しかし、寓意に満ちたこの短編は実によく出来ています。
啓蒙された誰かさんが苦労してPDFファイル化していますから
その点には感謝します。
また、インスパイヤーされた12分間のアニメも素晴らしい。
予感させることは「茶色の朝」のつぎには「水晶の夜」・・・・だろうか?
あるいは西域送り
ただただ言えることは、空気や風に流されず思考停止状態には陥らないことです。
自分の頭で考えて・・・それが正しい答えだったかどうかは歴史が教えてくれますって
サイレントマイノリティは思うわけですよ。
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