2020年8月11日火曜日
疫病2020
悲観的に考えて
楽観的に行動せよ
佐々淳行氏の「危機管理のノウハウ」
文庫三分冊の分量ながら、つまりはこの一言につきる。
ポイントを三つに絞り込んだり、対句対比表現は
お手軽ハウツウ本の定番で俗耳に入りやすい。
しかしながら、この秀句表現が、佐々淳行氏の
造語の筈はなく、なにか原典があるはずだが....やっぱりあった!
Hope for the BEST
but Prepare for the WORST
李文亮病関連の高級系海外メディアにはしばしば引用される
クラシックローマの哲人政治家にして名文家であるセネカの言葉
意味は言わずもがなであるが、二千年の時を経ても
未だに光芒を放つ名言は如何にすばらしい....のではなく
未だに命脈を保つことが、ヒトザルの愚かしさ
よくぞ「知的生命体」と自称し食物連鎖の頂点に君臨なんかできるものだ。
災禍に遭われた方々にはお気の毒としか言いようが無いが
これはやはり「天の配剤」なのだ。
しかし、災厄は等しく全員に襲うわけではない。
歴史に学ぶもの、危機管理の要諦を知るもの...やらはちゃんと生き残る。
未だに災禍が猖獗をきわめる、あるいは第二波とやらに右往左往する者達は
歴史はおろか経験からも学ばない(学べない)
戦略的失敗は戦術ではリカバリー出来ない...
どこの国でも参謀教育ではこう教える筈だ。
しかし「戦略」なんて耳触りのよい言葉だけではことは進まない。
戦争は最後は白兵戦がものをいう。
今時の経営組織論では
現場力
瞬発力
という。
アタシは組織内ではアタマではなくてアシのレベルでしかなかったから
研修会やらで、これらの言葉を企画戦略スタッフから聞く度に
腹の中は呪詛の言葉で一杯になる。
戦略的失敗は末端現場が白兵戦でなんとかしろ...
としか聞こえない。
だって、戦略的失敗の常習犯が口にすれば、
そうでしかないだろう。
歴史は、斯様なあまたの事例を教えてくれるし、
今更教えてもらう必要もない。
しかし、この歳になってまた教えてもらった。
現場力が大本営作戦参謀の失態をなんとか抑え込んだ。
現場力って戸板一枚の滅私な献身なんですから、
何時迄も支え切れるものではないこともまた、かの大戦の惨状から
学んだはずだ。
さらにもうひとつ学んだこと
偏差値が高くて自己顕示欲の強い奴を作戦参謀にはするな
今日の名題は、門田隆将氏のドキュメンタリー
同時代進行的であり、時期尚早の感なきにしもあらずだが、
同時進行的だから意味のある刊行とも言える。
全ては読み方次第だ。
まだまだ増えるかもしれないが、犠牲者の方々へ
安らかに眠ってください
過ちは二度と....
そう言えるようになりたい
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