2020年8月27日木曜日
江戸のベイシックインカム...合わせ太田蜀山人のこと
ベーシックインカム(BI)は、現段階は概念の世界。
恐る恐る脚を踏み出そうとしている。
何を躊躇するか判らないが、新自由主義的立場からすればやって仕舞えばいい。
健康で文化的な生活のための最低保障を全国民に遍く...
その代わり各種社会保障給付は原則的に全廃。
すこぶるシンプルで、チープスモールガバメントが実現します。
富裕層にも給付しますが、課税所得を構成しますから
税金で返して貰います(やり方はさまざま)
江戸幕府の旗本御家人をみていると...
あまたの不労社員が解雇の憂いなく最低保障を貰いながら
世渡りをしている(職務専念義務なし)親方日の丸企業を思い浮かべます。
まともな仕事を与えられても、年間の半分はお休み。
無役ならば、週に一日程度くだらない雑用をすればいい。
最低保障だけなら食べていけませんから、
上役に賄賂を進呈して役をもらう
札差から未来の俸給を担保に金を借りる
趣味と実益を兼ねてねアルバイトに精を出す
ゆすりたかりとお武家の特権を活かす
この様みれば、新渡戸稲造先生の「武士道」とやらは
武家のあるべき理想を描いただけで現実にあった姿ではなさそう。
太田蜀山人こと太田直二郎。
御家人の端くれで牛込あたりの官舎暮らし...
官舎といっても長屋ではなく百坪あまりの土地を拝領
自分好みの上物をたてて暮らしていた。
ジアタマが良かったのですが、官途に恵まれず、副業に精を出す
田沼時代とは天明バブル期
狂歌雑文戯言を書き散らかして一世を風靡する。
そして寛政の改革
田沼時代に肩で風切っていた役人はお役御免
新規に実力主義採用という事で、太田蜀山人も大抜擢
財務省の中堅官僚にまで上り詰めた。
なかなか優秀な役人だったようだし、趣味の戯言世界にも
片身どっぷりで、人脈形成。
しかし、才能は所詮一代
子孫は、親父の資産の切り売りで果てたらしい。
江戸の町人文化とは...誤解も甚だしい
文化文芸の担い手は武家階級や、化外の民
いわゆる町人の貢献度は限定的
武家という剣術か読書以外に能のない人種の
余活で花開いたのが江戸文化
アタシのように出世魚の逆で、マグロからハマチの世界に
落ちていくと...蝙蝠だって空が飛べると思ってもらえる。
大企業だと当たり前の技術が魔法に思ってもらえる。
大企業の人事部門の目論む副業解禁は、動機があまり良くない
しかし、智の伝播という観点からすれば、実に喜ばしい。
無論アレンジ力がないと...それをマルクスは教条主義とか左翼小児病と言ったのだ
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