2020年9月13日日曜日
オフィシャルシークレット
いろんな見方のできる佳作だと思います。
平日の小屋は満席(座席占有率が五割という事)
観客の心の琴線にふれる何かがあるのでしょう。
ヒロインはバックオフィスとは言えスパイの端くれ
厳しい国家機密保持義務を課せられています。
やっている事は盗聴傍受
国民のために必要なアクティビティだと思うから罪悪感はない。
しかし、不義なイラク戦争を合法化するような企みが、
秘密裏に行われることは、国民の為にならないと考える信念は持っている。
そして、友人を介してメディアにその事実をリークする...
強い信念とはいうものの、国を「裏切る」事への葛藤が無いわけじゃないし、
犯罪者になることの不安や恐怖...
取り調べのなかで、彼女は言い放つ
国家のためではなく国民の為に働いている!
実話かどうかは知りませんが、
これが公僕の矜恃というものなんでしょう...
最近は国民はおろか国家の為でなく私益省益の為に働く
公務員をよく見かけるもので....
英国外務省の従来の法解釈は、国連決議の無い戦争は違法だったのですが、
倭国の法制局長官みたいな立場の公務員が解釈変更を突如行う。
アメリカンの上層部に恫喝(あるいは脅迫か利益供与?)されたことが
示唆されます。
これまた見たような風景
アタシが見ていないのは、豹変した上司を見限り辞表を叩きつけた部下
これはエンドロールに「協力謝辞」がありましたから、事実のようです。
倭国風に言えば「特定機密保護法違反」で起訴されます。
昔風に言えば反逆罪...
罪を認め減刑で事を収める司法取引を彼女は拒否
違法な戦争行為に至る公文書開示請求を行い、
機密漏洩は認めるがその行為に違法性はないって...
公判初日
検察は冒頭で起訴の取下げを行い、法廷は騒然と...
英国の刑事訴訟手続には全くの無知。
倭国ならば、
公訴は、第一審の判決があるまでこれを取り消すことができる。
という刑訴法の規定があります。
公判中に被疑者死亡とか明らかな不当起訴の事実が判明した場合とか...
しかし、村木厚子さんの冤罪事件は後者に該当するとおもうのですが、
結審し、無罪判決(検察は上訴権放棄)
個人的には見苦しい振る舞いと思いますが、恥の上塗りだから
大阪地検としてはやれないわなあ
英国では開示請求を回避する方策がなく、開示すれば非常なスキャンダルになる為
この方法しかなかったと思われます。
しかし、アタシの知っている某国の例ならば...
遺憾ながら誤って文書を廃棄しましたので提出出来ません
実に示唆に富む面白い映画です。
0 件のコメント:
コメントを投稿