2025年8月28日木曜日

アメリカの原風景

 



ノーマンロックウェル風に、筏ぶねでノンビリとミシシッピ川を下るハックルベリーフィンなんて思い浮かべるのもいいし、トムソーヤーの悪戯も楽しい。
多分彼らは進化論はおろか読み書きも覚束なかった筈。
まさしくアメリカンの原風景ってそんなもの。



しかし、そんな風景よりも北東部の寂れた州の陰鬱な風景

ポー(ボルチモアが終焉地)
ラブクラフト(生涯ニュンイングランド在)
レイブラッドベリ(イリノイ出身ながら作風を承継)
スティーブンキング(作品の多くがメイン州が舞台)

アメリカンゴシックロマン風な幻想或いはホラーの世界こそが、時として理性も論理も忘れ、反知性的狂気のアメリカンの原風景である。

世界文学史では脚注程度であるが、ハードボイルドとアメリカン幻想(オカルティズム)文学はテイクノートされるべきことには確信がある。
東部13州といっても、北部と南部では別世界であったことは南北戦争が教えるところ。
自主独立の気風と近代資本主義の萌芽となる清教徒の世界がどうして同時に魔物が跳梁跋扈する地なのか理解に苦しむ。

例えば、こんな物語りはどうだろうか?

時代はセイレムの魔女狩りとミスカトニック大学創設の間の18世紀。
場所はニューイングランド(それ以上詳しく語られないが、マサチューセッツのアーカム付近だろう)
コミュニティを追放された移民一家の赤子の謎の失踪
犯人は狼か魔物か?
家族の誰かが魔女なのか?
疑惑は狂気を、狂気はドラマを生む。
最後に勝つのは神か悪魔か



たった三百万ドルの製作費で世界興収は十倍以上。
だっから映画ビジネスは面白くてやめられない。
かといってもその十倍かければ興収も十倍になる訳じゃないし、コストをかければかけるほど収穫は逓減します。



暑い夏の夜はクーラーよりゴシック出来的なホラー映画です。
単なるスクリーム映画は怖さの余韻がない。
世界観のあるホラー....実に素晴らしい。
過度に熱烈な宗教心は悪魔の温室にして触媒
サタンの別名はルシフェルであるが、彼は大天使ミカエルの双子の兄弟だった。


これは、すぐれて神と悪魔がコインの表裏である事を示唆している(が、信仰心にとぼしいアタシには実のところ観念的にも分からない)

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