2014年5月22日木曜日
プロメテウスの約束
ファラデーは、英国政府より細菌兵器製造の依頼があった際に、
断固として倫理的立場より拒絶したとされる。
マンハッタン計画を推進した科学者達は、結果に慄き反原子力の立場に立ち位置を移した。
どちらの立場がより良心的かは論じない。
どちらの立場であっても、歴史の流れは変わらなかったはずである。
科学とは諸刃の剣であり、見たくない陰に目を背けてはならないし、
光を無視することも正当な立場ではない。
人類の多くは科学の恩恵に与る事も少なく、先進国の半分程度の寿命で生が尽きる。
スイッチ一つでエネルギーが得られるならば、生きながらえたであろう生命に想いをはせた場合、
エネルギーの質を論じるのは、傲慢というものだろう。
富裕層には、お値段の高いクリーンエネルギー、
貧困層は安価なダーティエネルギー・・・・という棲み分けは倫理的なのか?
化石燃料による環境汚染への対応は、化石燃料依存の限りにおいて不可能とされる。
再生可能エネルギーだけで、人類全体が、健康で文化的な生活を維持するだけのエネルギーの提供は到底覚束ない。
少なくとも、遠い将来は別としても近未来的な実現可能性はない。
翻って、今ここで、我々が論じているエネルギー論とは、
その程度の次元のレベルではないのか?
地球環境保護における先進国と新興国との意見の隔たりも
ある部分に於いてそれに似ている。
全地球環境のために、あるいは隣国のために「エネルギー窮乏生活」に甘んじるつもりは毛頭ない。
逆に、今のエネルギー消費水準を維持したいから、
途上国の諸子は、プロメテウスの火の恩恵は現状並みでも十分でしょう・・・と
内心は思っているのが、多くの人々の偽らざる心情だと忖度しています。
原子爆弾の悲劇からの連想で反原子力・・・・という情緒的立場は捨てて欲しい。
それに、地上に舞い降りた悪魔は二度と彼岸には戻らない。
パンドラの箱は開けてはならないが・・・・
一旦開けてしまえば、慌てて閉めれば「逆に希望を封じ込める」ことになりかねない・・・とは、
神話の教えるところである。
https://youtube.com/watch?v=AgqvbILWN6c
今、静かに上映される「パンドラの約束」
反原発運動家が、大挙して上映反対運動を実施すると思いきや・・
反捕鯨映画とはエライ違いです(笑)
健全なコモンセンスがあれば、策謀と真実を嗅ぎ分ける本能をヒトザルは、
神から与えられているということでしょう。
立場は様々。
貿易赤字がとか、製造コスト高騰がって理由で原発再稼働推進も、
かような近視眼的理由での再稼働に対する反対も一定の合理性はありますが、
ちょっと視座を変えませんか?
思考の視点を変えないと、少数の安楽な生活のために
犠牲になる多くの大衆というSF映画にありげなアンチユートピアの世界と変わることがない。
それも致し方ない現実と冷酷に割り切るのもある種の立場。
偽善者は、よろしくないが、ピュアな反原発運動家であるほど、
思考を突き詰めると宇宙船地球号の認識に立ち至るようです。
この映画では、なうての反原発活動家が、原発推進に転向した経緯を冷静に映像化します。
彼らの究極の目標は・・・
その辺の騒動師のような反原発活動家の反原発運動それ自体が目的ではない。
地球生命体全体にとって重要な地球環境保全にもっとも有効な選択はなにかということであり、
全人類の健康で文化的な生活を保証するためには、現実解としては、
安全性を担保された(・・と客観的に疎明可能な)原発の稼働しか方策がない。
原子炉自体が進化し、いまや「再生可能エネルギー」になりつつある。
この方向がだたしいかどうかは自身で思考を深め、考える事である・・・・
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