2014年11月6日木曜日
「鉢の木」を演じる(2)
結構長丁場なのです。
謡うというより語る「能」です。
オペラやミュージカルより、演劇に近い。
通常の能とは違って、面(仮面)をつけません。
主人公が、亡霊や魔物ではなく、実際の人間であるという設定の場合は直面・・・
つまり、自分の顔が仮面(面)であるという設定です。
まあ、リアリズム能というところかな。
でも、表情をつくってはいけない(仮面ですからねえ・・・)
格式の高い演目ですので、そんじょそこらの素人さんは演じられませんし、
周りは全部プロが固めます。
周りは・・っていいましても
普通はバックコーラス以外の「ワキとかツレ」は素人さんがやるのですが
今回は、全員プロです
シテ :佐野源左衛門常世(蝸牛庵十兵衛)
ワキ :旅の修行者実は執権北条時頼(斎藤信隆師匠)
ツレ :常世の妻(多久島法子師匠)
ワキツレ:時頼の部下(吉沢旭師匠)
地謡(バックコーラス)プロ能楽師がなんと五名
女性も含めて、プロとアマも全員がクロ五つ紋袴姿
一見、誰が主役の素人さんなのか判然としませんが、そこはそれよくしたもので
プロは暗譜(無本)ですが、アマは見台(譜面台)を使います。
意地張って無本でも構わないのですが、トチると恥ずかしいのですが、
蝸牛庵は、プロと間違えられるとなにかと差し障りが・・・なんていい方を(笑)
リアリズムと言っても、所詮はお芝居で作り事
旅人をもてなすために、秘蔵の鉢の木を薪にするのはさておき
御家人としての忠義の気持ちを確かめるために「全員集合」命令を出すなんて
あまりに大仰でありえそうもない。
本領安堵はともかくも、一夜の焚き火の御礼に、三箇所の荘園が報償とは
これまた過分過ぎはしませんかねえ・・・
古来倭人の琴線に触れる・・・忠義とその報償という武士道の華みたいな
ストーリーで、江戸時代はもとより現在でも、涙腺ウルウルってことで結構人気曲。
起承転結がはっきりした分かりやすい演目です。
11月16日は、予定では十四時二十分から約1時間ということです。
さすがにユーチューブではろくな映像がないもんで、講談もどきで・・・・(爆笑)
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