2015年7月9日木曜日
今日は何の日 気になる日
何かと便利なもんで「セブン銀行」のATMを贔屓にしています。
全国に二万台程度のATMがあり、これとゆうちょのATMをうまく併用すれば、まずます
津々浦々どこでも困らない。
しかし「セブン」銀行とは(苦笑)・・・世が世ならまず忌避されるネーミング。
質屋営業の衰退と新形態銀行の勃興とは、これぞ自由主義経済の新陳代謝である。
質屋業の黎明はよくわかりませんが、有体物を担保(質草)に金銭を利子付きで
貸し出すというのはありげな話である。
しかし、さしたる財を持たない庶民だと質草にも困るだろうから、
ある程度の動産を持てるようになってから蔓延りだした営業形態のようである。
江戸時代には、鑑札の交付とか組合の結成があったと記録にありますし
江戸には二千軒程度の質屋が組合に加盟していた。
質草をとっての金銭貸付(有担保貸付)の割に年利がアバウト30%程度
担保評価が適切であれば、リスクのない取引となり、
火付け強盗の餌食にならない限り、家産は増える一方だったと思います。
かつては、街なかでも質屋さんといえばふとん屋さんとならび小金持ちの代名詞だった。
しつらえも、通りに面して堂々とお店を構えるでなく、
横丁の狭い通りのワキからこっそりと出入りするって風情もなかなかゆかしい。
イチロク銀行とかセブン屋と言われながら(蔑称ではなく愛称ですなあ)庶民金融の柱だったが、
無担保無店舗なサラ金(当時は団地金融とも言われた)に駆逐されたのが1970年台。
いまや組合連合会加盟の質屋さんは4000店に満たないらしい。
一方でサラ金稼業も無体な取り立てと暴利の追求の結果、敗残の憂き目・・・
ということで・・・コンビニ銀行の話に戻るのですが、さておき
貧乏学生だった割には、質屋さん通いの経験がない。
当時の学生だから、蔵書(大月書店のマルエン全集なんか・・)を質に入れてって
ことなんでしょうが、質屋さんよりも古書店で売り飛ばすほうが多かった。
なもんで、改めて質屋営業法を紐解くに・・・
物品を質に取り、流質期限(通常三ヶ月)までに当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、
当該質物をもつてその弁済に充てる約款を附して、金銭を貸し付ける営業
が質屋さんであり、公安委員会の許可事業だとか。
ちょっと驚くのが金利。
利息制限法の適用に関しては下級審の判断がまちまちでなんとも言えないのですが
日歩30銭(年利だと10割を超えます!)
利息制限法だと二割(但し元本10万円までの場合)と比べると・・・実に凄い。
有担保取引だと通常は金利は低くなるんですがねえ・・・
金利水準の妥当性の論拠はちょっと苦しいのですが、
短期・小額金融であること
質草の鑑定、保管の手数、盗犯防止の管理コスト
盗犯品捜査協力等の費用(報償)
を加味した結果だとされます。
悪しく言えば、公安のイヌの餌代が高利ということか・・・苦笑
つらつら思うに・・・
質屋営業とは、貨幣が商品に恋をする時代の産物であって、
モノが溢れかえれば流質特約付有体物担保金銭貸付に客は押しかけない。
反面、有体物の担保価値の範囲でしか金銭借入ができないという節度の働く
システムでもある。
借金なんかはしなくてもすむものならば、しないに越したことはない。
しかし「足るを知る借り方」ってこともあり、清貧な倭の原風景を支えてきた
仕組みの一つでもあったって、いまさらながら思いを致すのです。
7月8日は・・・・知りませんでしたが「質屋の日」だったそうです。
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