2015年11月25日水曜日
一見無関係な三題噺
邦画のオールタイムベストテンの選考において
黒澤(七人の侍・羅生門)
小津(東京物語)
成瀬(浮雲)
木下(二十四の瞳)
なんかをスキップするような度胸ある選者はいない。
いてもいいが、そもそもかような異端は選者に選ばれない。
単なる「権威」に過ぎないとも思うのですが、ボクだってそんな子供じみたことはしない。
しかし、上位にはお気に入りの小栗康平さんの「泥の河」を入れる。
なんちゃって、哀しくなるような美しい映画なのです。
見るたびに、何故か川中美幸の「二人酒」を口ずさむのはどういうわけだ(笑)
戦争画という呪われた映画群がある。
イデオロギー的に言えば、侵略戦争賛美芸術家である。
芸術は政治に隷属するというのは、サウスポーの芸術論に限らず、芸術の宿命であり、
その葛藤から歴史に残る作品が生まれたのではなかったのか。
どういうわけだか、非公開作品が多くて、単なるプロバガンダなのか、やはり捨てがたい芸術的魅力があるのかさっぱりわからない。
わからない以上予断をもって断罪するのは、ヒトザルとはいえその態度において問題がないとはしない。
不幸にして戦争に負けたから批難されるだけのことであり、勝っていれば、芸術英雄である。
ふとしたことで東京国立近代美術館に足を運んだのは、先日のこと・・・・
バロンフジタの絵は好きとも嫌いとも・・・・
しかし、あの乳白色の色合いはなんとも言えない・・・まったり感ともふんわり感とも、ちょっと冷たい気もするし・・・
彼は呪われた画家である。世界的な才能であるがゆえに倭の画壇からは、嫉妬という名の羨望のあまり、不遇であり、
戦後はスケープゴート的に戦争画制作の咎により戦争協力者として狙われ、日本脱出を余儀なくされた。
協力した、画家や文人は、枚挙にいとまなしなんですが、なぜか彼だけが・・・
僕が日本をすてたんじゃなくて、僕は日本に捨てられたんだ
哀しいまでの愛国者であったが、不幸な人生は真の芸術家の本望ですよ。
藤田嗣治をモデルとする小栗康平さんの
映画作品が上映中。
小栗さんの十年ぶりの新作です。
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