2016年2月25日木曜日
どうして「黒服」なんですか
法服の王国
裁判では、裁判官等は規則により黒の法服を着用する。
裁判官はシルクのはず
支弁されるかどうかまでは知らないが、アマゾンで扱ってます(コスプレ用かな?)
何故黒なのかについても、諸説紛々。
この小説が法曹界でどう読まれているかは知らない。
あまり話題にしないところからして想像はつく。
作者は、蝸牛庵なる御仁の学部の後輩らしいが、バンカーだった。
どうも現役時代訴訟問題でひどい目にあったらしく、そのルサンチマンがこの小説を書かせたのだろう。
実に面白いっていうのはそういうことではなく、なんとまあ産経新聞に連載されたってこと。
反原発・青法協擁護とか非難轟々連載中止要求が数多だったらしい。
その後サンケイ出版で単行本になったが、なんとまあ、最近岩波書店で文庫化された。
数奇な運命とはこういうことをいう。
戦後の重大な裁判や司法行政のスケッチがストリーを肉付けするし、
モデルとおぼしき人物も多々登場する。
司法の巨人と畏怖される最高裁長官が登場しますが、
そのご子息(在職中に死去)は古巣の先輩だった・・・と思われます。
裁判官が主人公といえば・・・有名どころでは「家裁の人」しか思いつかないが、
これはコミックだ
リーガルミステリーではないが、小説の主人公になりにくい職業をよくぞ選んだものだ。
裁判所版白い巨塔と書評には書かれます。
確かに財前教授とか関口弁護士のキャラに似た人物は多々登場しますが、
これは小説に名を借りた戦後司法史というほうが正鵠を得ている。
多少ともその辺の事情に詳しければ、特段衝撃でもなんでもない。
元企業法務戦士の端くれですから、裁判や裁判官や裁判所には言いたいことがヤマとあるが、
安酒や泥水を長年呑んできた以上「真実だとか正義」だとか書生っぽいことが言わない。
ただただ「勝訴判決」を書いてくれる裁判・裁判官・裁判所が真実の友、正義の味方である(笑)
別に便宜主義的だと自虐しているわけではない。
裁判の当事者とは所詮そういうものだ。
行政を訴える住民訴訟だって・・・
勝てば「司法の良心」というし、負ければ「司法は死んだ!」と垂れ幕を出す。
法と正義の象徴であるテミスの女神は、剣と天秤を持ち目隠しをしている。
その暗喩には様々な意味があるが「正かるべき神も時として盲いる」ということだと思っている、、、と
敗訴判決が出れば嘯く(笑)
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