2018年5月24日木曜日
蹇蹇録を再読する
紅旗征戎我が事にあらず....な天下の素浪人ですが、
多少は気になるので、陸奥宗光の回顧録を書庫から探し出してきた。
東学党の乱から三国干渉までの朝鮮半島覇権外交史である。
なんだか最近見たような風景という所が、ヒトザルの浅ましさ(^-^)
常々倭国の政治家には不満タラタラなんですが、
そのひとつが、回顧録を書かないこと。
多分、記録に残るような事を何もやっていないし、
文才もないし、書きたくとも書きようもなく
ゴーストライターなる職業をもってしても如何ともし難いのだろう。
けだし、文は人なのです。
衒学的に言うと...
文章は経国の大業
不朽の盛事
チャーチルは、回顧録でノーベル賞を貰いましたし、
尊敬する上司はサッチャー回顧録を激賞していました。
守秘義務なんかに縛られて回顧録を書かないならば国民的にも損失だが、
明治はまだおおらかだったのか、白眉ともいうべき傑作が世に出たのは
慶賀の至り。
しかしながら公定刊行物でしたから、三十年あまりは秘史扱い
しかし、いまでは岩波文庫で誰でも読めます。
平明なは書き下し漢文風の和文。
陸奥宗光は紀州藩の学者の家系の末裔。
それなりに文を鍛えられたのだろうか、
その辺の実録ドキュメンタリーよりも遥かにスリリングである。
内容は今更再説しません。
第一級史料ですからあちこちに引用されてます。
ただ、下関の春帆楼での講和会議の前に広島県庁で講和会議があったことは
あまり知られていない。
公式の権限を持たない木っ端役人がやってきたもんで、
毛散らかしたという史実。
これじゃ駄日記にもならないので、蛇足を。
リンクの勇敢なる水兵
清国との黄海の海戦を背景としますが、軍歌史上の
ムスメフサホセ...なのです(^-^)
さらに....本文からの引用
兵力の後援なき外交は如何なる正理に根拠するも
その終極に至りて失敗をまぬがれざることあり
対話か圧力か?なんて粗雑単純な二択論をふりかざす
愚者への警句です。
0 件のコメント:
コメントを投稿