唐代中期のキャリア官僚の代表作「楓橋夜泊」
月落ち烏泣き
霜天に満つ
晩秋の凄愴な蘇州の風景ですが、老残のわが身の暗喩にも
見えます。
緑なす烏の濡れ羽のような黒髪も、はや白髪に....
そういう詩草ではないが、気分はそうだ。
黒髪をミドリとはこれ如何に?とか
びしょ濡れの烏の羽ってイメージわきにくいが、
黒髪の呪術性を表現したのでしょう。
オンナの長い髪は象をもつなぎとめるとはなんかの説話に
あったが思い出せない。
しかし、ヘブライのサムソンのパワーの源泉が、
彼の長い髪に由来することは旧約聖書に描かれる。
しかし、敵対する民の妖艶なデリラの誘惑に負け、目を抉られ牢獄に
繋がれる悲惨な運命。
髪を切られたサムソンには怪力は失われた。
絶望するサムソンにエホバ神は復讐の神なれば
再度パワーを与えた...
デミルの映画版は知っていますが、以後も複数回映画化されていることは
知らなかったし、サン=サーンスのオペラ版とは...
フランスオペラって
グノー
ビゼー
ドビュッシー
くらいで、サン=サーンスは動物の謝肉祭しか知らない。
しかし、
フレンチテイストの美しい旋律
豪華なデリラ(どうもダリラに聞こえますが...)の衣装
壮麗でコンテンポラリーな舞台装置
誘惑するメス
破滅するオス
に相応しい設えです。
そう思えばカルメン(ビゼー作)もそのモチーフだ。
がしかし、記憶では、長い幽囚の時の中で
いつしか髪が伸びてパワーが回復するって話だったような...
これじゃドラマにならない。
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