2019年5月18日土曜日

メキシコについて少しのこと...ROMA断章



United States を「合衆国」を訳したのは明治の先人の
漢字力の賜物だし、中国でもそのまま使っている。
が、アメリカだけが合衆国ではない!
メキシコも、正式には「メキシコ合衆国」である。

United Mexican States

確かに内情バラバラで「合衆」なる言葉に相応しい。
ことの遠因はコロンブス交換に始まる。
南米やメキシコが失ったものは余りに大きい。
得たものは、キリスト教と多様な伝染病だけ。

アルフォンスキュアロン監督のROMAには
70年代のメキシカンタブローがさり気なく背景に
使われます。

先住民を住み込みの家政婦に雇うのは成功したスペイン移民の末裔
階層化された社会は、教育によりマイノリティでも
這い上がれる仕組みを担保しており、結果学生さんの一部は
急進化し、機動隊やゴロツキ院外団(多くは這い上がれない原住民)と
都市部で流血騒ぎを起こす。
一方で、地方は百年河清を待つような土地争いが続いている。
多くの国の歴史は土地制度により彩られるが、
メキシカンも例外ではない。
虐げられるのは先住民の農民


しかし、良い映画だとは思いますが、
ノスタルジックな自叙伝映画であって、階級主義的でないとの批判
余計なお世話ですよ
アタシ的には、ブルジョワ家族が主人公群で、
ヒロインの家政婦は...あくまで家政婦はミタ!なる
狂言回しという解釈。


ついでながら、麻薬戦争の話題は有りません。
80年代までは、コロンビアからフロリダルートが本流
レーガンの撲滅作戦が功を奏したが、
結果、メキシココースが浮上し、今に至る。
思えば、領土戦争で首都陥落までの惨敗
あの時に、テキサスやニューメキシコ割譲くらいで
矛を収めたアメリカンが信じ難い。
今のメキシコの半分位を分捕ってもおかしくなかった。
リンカーンが理想論的な正義を主張したかららしい。
だから言うでしょう

溺れかかった犬は叩け!

温情が仇となり、今の麻薬の惨禍がある。
あの時の報復みたいな第二の阿片戦争

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