2019年6月15日土曜日
恋愛ゲームの規則
藝術的天分に遺伝性はあるのだろうが、
印象派の大家の御子息はフランス映画界の至宝
彼の「ゲームの規則」は、フランス映画としての歴代ベストの榮に輝く。
1939年製作のシニカルコメディ
大戦前の不穏な時代に能天気なまでフリンごっこにうつつをぬかす
セレブの行状...
いかに恋愛に寛容なお国柄とは言え..
観客の支持を得られるはずもなく呪われた映画
再評価されたのはヌーベルバーグ以降である。
更に遅れて日本公開は八十年代の岩波ホール...のはず
確か足を運んだはずだが、さしたる感動はなかった。
どっかの芸能界不純交際相関図めいた話には、いまでもそうだが
ついていけない(^.^)
幸いにしてアマゾンプライムには、三十年代や四十年代の
名作のラインナップが揃っている。
三人の、淑女とその小間使い。
それぞれに夫はありながら愛人や恋人がいる。
田舎の別荘でのウサギ狩りの夜
関係者が一同に会したものだから...スプラスティック寸前の
ドタバタ騒動。
偶発的な殺人事件までって穏やかではない。
お話をシンプルにすれば、ドロドロイタリアンオペラだ。
いったいなにをもってフランス映画の至宝なのか
分からないが、テクニカルなまでに実によくできている。
4Kデジタルで観てみたい❣️
蓮實重彦先生の著作に詳細かつ難解な評論が
あったと思うが、読むと益々訳が分からなくなる。
大衆娯楽を殊更にこ難しく論じるものではない。
まあ、人生は座興のメリーゴーランドとかなんとか..洒落て言えば
それで終わり。
なんせ、東大総長時代の五十分近い晦渋な入学式式辞は、
爆睡者、医務室搬送者あまたという未曾有の事態となった。
これに比べれば、なんとか千鶴子さんのスピーチなんかは
子供騙し。
ウェブでも読めますが「抜粋版」です。
正確を期したければ、彼の講演録「齟齬の誘惑」を
こんな感じの式辞を延々と聞かされれば....
...社会とは,いくつもの齟齬感や,違和感や,
隔たりの意識が複雑に交錯しあう苛酷な空間にほかなりません...
(1999年4月,東大入学式式辞)
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