2019年7月28日日曜日
黒金星(ブラックビーナス)
韓国は映画大国である。
国力に比して製作本数は多いし(倭国の半分くらい)一人当たりの鑑賞本数は
世界でもトップクラス。
エンタメの世界での才能が結集している世界のようだし、
他の分野がまたプリミティブなのかも知れない。
まあ、海外市場に挑戦する映画しか知らないから、
隣の芝は青いのかも...
しかし、同じように世界を目指す作品(アニメを除く)の
比較をしても、社会性への肉薄は...
物議をかましそうな素材を避け、コミック原作やお手軽小説ばかりを
取り上げていると倭国全体の水準が上がるはずがない。
実在したコリアンの工作員の実話をベースにする
ポリティカルスリラー。
派手だけが取り柄のスパイアクションではなく、
息詰まるような謀略の世界を描きます。
時代は金泳三大統領から金大中が大統領になるまでの頃
北鮮の核開発情報を入手しようとする工作員の活躍と挫折
老い先短い時間を費消するようなものとも思わないが...
56億円かけた百花園のセットを見てみたい(実際はその百分の一)
将軍様のそっくりさんが登場する(ハリウッドの専門家が手掛けたのでホンモノに紛う)
事実なんでしょうが、かなりきわどいエピソードが満載。
大統領選挙の終盤ともなれば、政権与党が北鮮軍幹部に賄賂を贈り
軍事挑発を起こさせて保守バネを働かせる
その賄賂を更にピンハネする汚職軍人
蓄財の為に古美術品を闇ルートで売り飛ばす将軍様
南北交流事業のたびに飛び交う札束
要するに、南北の緊張も和解も銭次第...実にわかりやすい。
絶えず毟られるのはミナミみたい。
まともに南北統一と同胞の安寧に腐心するのは、
北側の経済政策担当と主人公の工作員だけで
やがて将来変わる事のないイデオロギーを超えた信頼と友情...
アホくさ!
この映画も文政権の巧妙なプロパガンダだ。
保守政権時代の腐敗堕落を描きながら
国境を跨ぐ新しい絆...という幻想をかもし出す。
元町のミニシアターは立ち見まで出るご盛況ですから、
世の中は、メクラ千人にメアキ若干
あちこちの映画批評も好意的で「アホくさ!」なんて
罵声を発する者はいません。
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