古文本来には濁点がありませんし、仮名だけ表記ならなんのこっちゃって(^^)
問わず語り、、、と書いてくれるならばイメージが湧きます。
聞かれてもいないのにべらべらと秘め事を言い散らかす・書き散らかす芸能人を思い浮かべればいい。
この暴露独白本の書き手は上級貴族の娘(二条)とされます。
帝と太政大臣とのかけもち愛(昭和風だと三角関係)やら、他にも愛人あまたのようだ。
そんなに魅力的なモテ女というよりも、院政期の宮中は「淫性」と下衆に言いたくなるほどの乱倫の世界で、こんなんが当たり前の風景。先の三方もお互いが知った上での関係らしい。
さらに暴露すれば、帝の元服のあかつきには、年上の女性が「添臥」をして、実事の手解きをおこなうそうだが、その役は二条の今は亡き母親が勤めたって言うから、下世話にはこれを「親子丼」とも
面白くもない痴話はなしなんだが、折にふれての贈答歌が面白い。和歌として優れている訳ではないが、単純に思いの丈をのべるのでなく、皮膜の間の虚実や当てこすり、皮肉、嫌味が、爛熟した和歌の技法満載に登場します。
披露する方のものじゃない、、、当時の様々な和歌の約束事なんかが分からないと洒落も分からない裏芸の世界なんですから
ぬばたまの夢にもみつる
さよ衣あらぬ袂を
かさねけりとは(後深草院)
ひとりのみ
片敷きかぬる袂には
月の光ぞ 宿りかさぬる(二条)
下品に大意を書けば、、、
貴女が誰かの衣に寝くるまっている夢を見たが、、、
ひとり寝は寂しいからお月様に添い寝をお願いしましたが、、、
ようもまあ厚かましくも、、、状況としては太政大臣との密会の翌朝に帝から歌が届き、シレッと答歌ってのが、実にすごい

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