2025年10月29日水曜日

秋の気分、、、、補習編

 


いわゆる「和歌」なるもの

その数45万首あまり(国歌大観収録数)

プロを自称する和歌研究者ならば、座右の書(いまはCD-ROMもあります)として手元にないと自称する資格はない、、、が、アタシは素人ですから、万葉集と八代集とあとは手軽な参考詩歌撰として清唱千首(塚本邦雄撰)やらなんやらで事足ります。


お手軽といっても中味は凄いんです!

新書版一冊に万葉集以来一千年の和歌の一番良質な精華が満載!
でえ、、、秋部二百七十首あまりの和歌のうち「秋の夕暮」を五句目にもつ和歌をサーチしてみました。


再説するに、この手の和歌の構造は単純です。
上の句の十七文字で、ウンチャラカンチャラと情景や叙情あるいは情感をかたる。
そして四句目の七文字でズバリと総括し
五句目は単なる念押しで実のところ、、、まったく意味はなく「秋の夕暮れって素晴らしいよね」だと
つまり「四句目いのち」なわけでして和歌全体が心に染み入る感情の念入りな説明


天の河原の(新古今 式子内親王)
袖ほのかなる(後土御門帝)
袖濡らしける(藤原為家)
ながめてけりな(新古今 良経)
浦の苫屋の(新古今 定家)
なほ色まさる(新古今 良経)
消えてもの思ふ(続拾遺 葉室光俊)
秋の心に(千五百番歌合 寂連)
思い消ちても(肖柏)
伏見の里の(源俊頼)
枕の下の(六百番歌合 慈圓)
尾花波寄る(金葉 源俊頼)
鹿鳴く野べの(六百番歌合 良経)

秋部の数が多いとは言え結構な数になりました。
アタシの奇説妄説(?)からすれば、四句めは秀句表現のキメ台詞であることが名歌ということになる。

以下は極私的な好みになりますが、、、この二首

うずら鳴く 眞野の入江の 浜風に
尾花なみよる 秋の夕暮れ

おしなべて 思ひしことの かずかずに      なほ色まさる 秋の夕暮

後者は説明の必要もない名歌人にして華々しい官暦と多彩な教養。しかし謎の頓死
前者の源俊頼は、金葉和歌集の撰者。十二世紀初めの頃歌壇で活躍


ちなみに「秋の夕暮れ」和歌と言えば、誰でも知っているだろう有名どころがあるのですが、撰者は天邪鬼なんだろうなあ、、、バッサリとその多くを切って捨てた。

当然ですが誰も知る百人一首の「秋の夕暮れ」歌もゴミ箱行き

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