2025年10月5日日曜日

専門家の漢字力

 




相貌失認

素晴らしい四文字専門医学用語だ。
先人達の教養レベルの高さには敬服します。
失顔症ともいうそうだが、実に俗っぽい。

先天的あるいは後天的な側頭葉の機能不全・欠損によるものらしいが、結構な発生率らしいし、その認識がなくて、、、人様の顔を覚えるのが苦手でねえ(ヤバい可能性があるかも)
実のところ、ヒトザルは雰囲気や体型なんかも含めて総合的に個人認証を行っており、自覚症状がない場合もありうる。
そうは言っても、個人認証の上で一番簡便且つ高精度なのが顔認証なのだから、この機能不全はいささか致命的である。



という事で、鋭敏な映画人が映画素材として採用したのだが、、、

ミラジョボビッチは優秀な教師であるが、シリアルキラーの殺人現場に遭遇し、側頭部に怪我を負い失顔症を発症してしまった。

実際のところ、どういう病状かよく分からない。
Wiki的には、個々の顔を構成するパーツの認識は出来るが、顔全体とか表情の認識が出来ないことだとされる。
が、ジョボの場合は、相手の顔を見るたびに認識結果が異なるというもののようだから、クラスの生徒が認識出来なくなるのは大変な事態だし、映画的には、唯一の目撃者なのに犯人の顔が認識出来ないというか絶えず変化するというスリルって事になる。

残念ながらあまり出来栄えが良くなかったのか、作品はお蔵入りだったが、馴染みのない脳機能疾患ですから、観客の感情移入活動が難しかったのが敗因


今なら、顔認識システムなんかがはびこってますから、それを絡ませれば面白くなったと思うのですよ
顔認証は、スマホも含めてあちこちで採用されているが・・・・怖い社会になった事には間違いがない。
免許証、パスポート、個人番号カードを合わせると、国家は国民のほぼ全員の顔写真情報を保有している。
究極の個人情報ですので用途規制は厳しいが、素直に信じるほどナイーブでもない。
ビッグブラザーが君臨する時代はもうすぐだ。
困ったと思うか安全と思うかはそれぞれだ。

すくなくとも、指紋や血液を無理矢理採取することは
違法であることは間違いなく、証拠能力は否定される。
しかし、顔写真は、採取されることに包括同意を与えた記憶はないのですがら防犯カメラなんかで融通無碍に盗み取られている。




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