2018年2月28日水曜日
始皇帝
史上空前の費用とキャストで何故に映画化しないのか
不思議でしょうがない。
監督は中国人でないと不味かろうが、あとはハリウッドの一流どころを
札束で引っ叩けばいい。
主役は...悩みますなあ(^^)
興収が期待できそうな各国のスターをかき集めましょう。
The first Emperor
愛新覚羅溥儀が、ラストエンペラーならば、
秦の始皇帝はまさしくであり、中華帝国の野望を世界に
喧伝するにこれ以上のものはない。
今の主席は皇帝気取りらしいから、最高の忖度である。
なんと憲法から任期規定を排除するらしい
始皇帝に関する一級史料によれば、
現象面ではよく似ているのですよ。
似せているのかな?って思います。
彼の愛読書は三国志らしいが、まに受けるほど愚かではない。
絶対に韓非子!が愛読書だ。
儒家に支配された中国史だと最高の悪王だとされるが、
誹謗中傷悪口雑言こそが男の勲章。
無事是名馬でないところで大幅減点ですが、
客観的に見て中国史上あれほどの英雄はいない。
後世の英雄はかなり彼の功績にタダ乗りしている。
いまの主席も然り。
始皇帝は諸国を攻め滅ぼす事に辛苦したとはおもわないが、
天下統一後の貪官汚吏集団とのいたちごっこのような戦いには
勝てはしなかったようです。
歴史的に中国統治制度の宿痾である不義な官僚システムに
勝ったためしはない。
小賢しい皇帝はあえて手をつけない(から賢帝と後世呼ばれる)
韓非子の理想とする政治システムからすれば、
貪官汚吏はあってはならないし、彼の考える統治とは官吏の支配システムである。
法治主義とは、官吏を法に従い従順に働かせる事。
獄に降った多くは汚職官吏だったというのは目から鱗。
その数(正史によれば)数十万人。
首吊り、生き埋めみたいな無駄なことは始皇帝は致しません。
辺境の勤労奉仕にこき使ったそうです。
今時なら「下放」といいます。
法治主義こそ政治の近代化の証しだが、いまだにあちこちで
人治主義を垣間見るし、法適用の依怙贔屓。
夜明けは遠い。
中央集権的な帝政が最良の統治制度とは思わないが、
民主主義もまた然り。
時代と民度に合致する事が一番。
けだし、正しい事と良い事は別なのです。
2018年2月27日火曜日
ウィスキーガロア
名詞の後ろに形容詞が付いてます。
フランス語にはよくありますが、今回はゲール語です。
沢山!...という嬉しい形容詞。
勿論、前がウィスキーだから(^^)
背景は実話だそうですが、原作は一部のハードリカファン絶賛の小説。
舞台はスコットランド近海の小さな孤島、エリスケイ
こんな島にも住民が居て、しかも呑んだくればかり(^^)
冠婚葬祭喜怒哀楽何につけても一杯のウィスキー
が、バトルオブブリテンの苦境下、とうとうウィスキーの配給も途絶える。
普通は、闇市の登場ですが、淳朴な島民には無縁な事
そこに、神の恩寵か悪魔の所業か
NY向けに大量のスコッチを積んだ貨物船が座礁。
その数...定かではないが、数万本から数十万本ばかり
その全てが島民達にネコババされた訳ではない。
銘柄もよく分からないが、アメリカンお気に入りだから、
ジョニーウォーカーとかヘイグのはず。
しかし、映画の上では、知らないハイランドモルトばかり
プロダクトプレイスメントのなせる業。
嬉しい毎夜の酒池肉林がいつまでも続く訳がなく、
関税局査察部が乗り込んできて大半は押収され、逮捕者数多。
これじゃ映画にならないから、
予定調和的にハッピーエンドに終わります。
禁酒家や嫌酒家なら無視する映画だし、
プロ映画鑑賞家目線でも水準以下....でもウィスキーに免じて(^^)
映画的にいろんな枝葉が付いてますが、どうかなって。
2018年2月26日月曜日
単一国籍違憲論
濫訴ではないか?とまで思えますが、
国籍問題に疎い輿論啓発の効果多大とも考えますので、
原告の方々には三宅坂まで争って欲しい(^^)
最初から原告敗訴を予定してはいけないが、
反日左翼チックな論旨だし、まずもって多重国籍者の権利義務を
合理的に調整できるほど国際社会や法は成熟していない。
ナンチャラという条約があるが、悲惨なまでの批准状態なはず。
つまり世界はまだ実質単一国籍でまわっている。
従い、多重国籍を認めない事が基本的な人権を阻害するとは
いま時点は言い切れない。
国籍離脱の自由を論拠と言うが、離脱は自由だし、
離脱しながら日本国籍は残すべき!とは如何なる理屈かしら?
俗には、ええとこどり と言う。
憲法が保障する離脱の自由はそこまでを保障するものとは
思い難い。
さはさりながら、無国籍でない事が前提だが、
多重国籍を容認しても構わないと判決要旨の傍論で
述べてくれると嬉しい。
単一国籍、多重国籍のいずれであっても本人の選択。
出入り自由自在を認めるかは多少議論がいる。
直感的には一度決めたら変更はダメ!...だと思う。
日本国籍に付随する義務は全面的に果たして頂きますし、
多国籍による不自由も甘受してもらいます。
つまり
権力行使にまつわる公務員にはなれません
物権取得には制限があります
なんと言っても、ザイニチ特権と称する正体不明な化け物も退治できますし、
外国人参政権も...投票したければ日本国籍を取ってください。
特別永住許可だと簡単に日本国籍もとれるはず。
その代わり通名が正式名称です。
被選挙権はありません。
欲しければ、旧籍を捨てなさい。
簡単な話です。
戦後なるものの残渣の払拭の為にも必要な裁判ですなあって
改めて感じ入り、入魂の予定稿を先送りにしての今日の登板。
2018年2月25日日曜日
ワシントンポスト
ちょっと長いが、最高裁判決要旨の一部ですから、趣旨を正確に...
——
報道機関が公務員に対し秘密を漏示するようにそそのかしたからといつて、直ちに当該行為の違法性が推定されるものではなく、それが真に報道の目的からでたものであり、その手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認されるものである限りは、実質的に違法性を欠き正当な業務行為である。
当初から秘密文書を入手するための手段として利用する意図で女性の公務員と肉体関係を持ち、同女が右関係のため被告人の依頼を拒み難い心理状態に陥つたことに乗じて秘密文書を持ち出させたなど取材対象者の人格を著しく蹂躪した本件取材行為(判文参照)は、正当な取材活動の範囲を逸脱するものである。
——
沖縄密約文書漏洩に関わる裁判こそ吐き気がでそうな醜悪なものはない。
今では、被告であった政治部記者は悲劇のヒーローとされるが、
彼の取材方法等はジャーナリストの王道を余りにも逸脱している。
新聞記者の戦場は紙面のはずだが、野党の質問材料の収集下請に堕してしまった。
利用された人妻事務官はお気の毒とした言いようがない。
不倫とはいえ、単に騙されたのか、脅されたのかはたまた...
因みに窮地の政府を救ったのが、週刊新潮の不倫スクープ。
所詮、真実の追求、報道の自由、民主主義の理念よりも
オトコオンナのドロドロ劇の方が蜜の味。
これが民度
しかし、最近流行りの不倫「謝罪」記者会見みたいな場で
かの蓮見事務官が
配偶者に対する不貞については罪万死に値しますが、
国民に対する真実の開示
知る権利と報道の自由の守護
加えて西山記者への愛情
から、あえてこの身は泥田にまみれても....
なんて言えば(要するに居直り)どうなったか?
肝心の相手に誠実さがないから無駄かも
この野心家の記者のおかげで特定機密保護法制定の機運が
高まったようなものでもある。
判決自体は、悪名高い岸盛一裁判官の小法廷によるが、
報道の自由に関する部分は、常識的な見解。
しかし、秘密漏洩の教唆は正当業務であっても、
秘密漏示行為自体は国家公務員法違反なんでしょうねえ。
政府としては不満の残るところで、前述の経緯に至るのです。
翻って、ペンタゴンペーパー
あのスクープは、NYTだと思っていた。
今調べるにワシントンポストも追従したらしい。
でも、最初の一撃が一番値打ちがあるとおもうのですが...
キワモノ映画だと決めつけていますので、
死ぬほどヒマでも無ければ多分シネコンに足を運ばない。
ストリープがノミネートされるのは毎度の事ですが、
スピルバーグは、オスカーノミネートをほくそ笑んでいるに違いない。
この辺の憤懣は過去ネタですから、くりかえしません。
同時に、身を呈して真実を明らかにしたFBI高官の映画化作品も
ロードショー。
こちらは魂魄となっても観に行く(キッパリ)
知りませんでしたが、WPはアマゾンのオーナーの個人資産
になっているそうです。
お値段は、二億五千万ドル
高いか安いか?
何故に化石みたいな事業に手を出したか?
あの毎日新聞なんかには買い手はつかないのは確かだが...
多少西山記者の弁護をすれば、新聞掲載を上層部がビビったのかも知れず、
止む無く横路や楢崎に材料を渡したのか?
しかし、政治部記者のくせに政治家の質を見る目がない。
拉致問題もそうだが、沈黙し体をかわしているだけの泡沫政党。
泡沫になるだけの理由があったのです。
2018年2月24日土曜日
働かせ方改革
案の定、瑣末なところが蟻の一穴になりました。
まず「働き方」改革と称したことが蹉跌。
自分の裁量で「働き方」を自律的に制御できる労働者は極めて少数である。
つまり、働かせ方を変えないと世の中は変わらない。
いまそこにある危機は「中長期的な良質な労働力不足」であり、
その対処こそが、改革(対策)の本丸。
労働時間規制
裁量労働
正規非正規格差是正
が最も効果的....なのか?と疑問に思わないのが不思議。
まずもって
生産性の向上
労働供給力の拡大(潜在労働力の活用、出生率向上、移民等)
...だとは犬畜生(曾てはオンナコドモなんて差別用語を駆使したが...さすがによろしくなく)
でも分かることだ。
更に言えば生産性向上が最優先である。
10人月の仕事が半分で出来れば、その効果は計り知れない。
なにぶん倭国の労働生産性の低さには定評がある。
つまり、対策の効果性が高いことも、これまた犬畜生でも分かる。
長い通勤時間や無駄な会議、時間のかかる意思決定システムやら
枚挙にいとまなく、IT化の遅れあるいは稚拙な導入...
知恵だけでもできるが、まずは生産性向上投資減税!!
例えば...
デスクワークを立ってやるようにデスクを変える。
シリコンバレーでは珍しくないそうです。
たてば体幹は鍛えられるし、長時間労働は無理。
会議だってスタンダップ。
在宅勤務が当たり前で!オフィスの個人デスクは取り上げる。
座らすとヒトザルはろくな事を考えない
だから、小人閑居し不善を...という(^^)
在宅勤務をやっている事が話題になるようでは、
これはいつの時代だ?
旧石器時代でしょう。
勤務の概念を変えませんとねえ
会社にいる事が勤務でなく、仕事をしていることが勤務なのです。
ハイヤー並に通勤時間も労働時間に算入しましょうか?
現場は、ホワイトカラーとはちがいますから、
ひたすら省力化!
省力化投資なんか劇的な繰延償却をやればいいのです。
御老人を死ぬまでこき使うなんて生涯ベースの長時間労働の
推進だと思わないねかね?
言うことが矛盾している。
家庭に引っ込んだ主婦を労働現場に引きずり出す前に
やる事はいくらでもある。
現状、受刑者の数は七万人強。
毎年その半数近くが保釈されますが、
更に保釈のうち満期保釈は半数に満たない。
仮保釈の理由は様々あるが、本人事情なんかは判決時点で考慮すみ
更に考慮する必要もないし、再犯率も高い。
満期保釈まで、とことん勤労奉仕でこき使えばいいのです。
仮釈放の隠れたる理由が、受刑コストの低減だと言われています。
コスト意識の錯覚だと思わないのかねえ。
とかなんとか、的外れな政策論議には飽き飽きするし、
同じ土俵で気の利いた批判をやっているつもりのメディアにも
同様。
2018年2月23日金曜日
ところ変われば....サカナがかわる
切り身や片身がダメとは言わないが、お魚は丸ごとに限る。
活魚の姿蒸し香港風
アクアパッツァ
なんかが豪快だし、ことさらこむづかしい訳でもない。
黙々と骨を丁寧にはずし、身をせせり、きれいに「猫またぎ」にする。
残った出し汁は「猫まんま」にしてもいいし、パスタのトッピングに使うもよし...
後には何も残らないのがいい。
ところがである!
猫またぎとは、いかでお魚大好きニャンコちゃんも、
シャブルところがなにもないまでにキレイに丸魚を賞味することの意味のはずだが、
ところ変われば、ネコも喰わない不味い魚のことらしい。
猫まんまもそうだが、ネコがらみの成句には多様性がある(^^)
確かにお猫さまだって、魚と名がつけば何にでも飛びつく訳ではない。
我が家の駄猫も、鰹節は好物だが鯖節には見向きもしない。
煮干も出汁をとったあとも同じこと。
食文化は上方にかぎる...と断定的には言わないが、
こちら辺りには、ネコも喰わない不味い魚なんか...有りはしない。
いや、あるのかもしれないが、
まともな魚屋や付け台の前のガラスケースにはならばない。
そう言えば...
小洒落た寿司屋の付け台で、板前さん相手に刺身は水洗いすると
味がよくなる!と力説するマダムがいたなあ(^^)
テレビの受け売りをプロ相手に自慢げに披歴するとは相当なものだし、
スーパーの魚しか食うたことがないのだ!
たしかに運動不足な養殖魚は、肥満体でアブラがのりすぎて
多少洗い流すとマシにはなります。
2018年2月22日木曜日
浜の真砂は尽きるとも、世にドーピングの・・・
別にアスリートだけに高度な倫理観を期待し、過度なパニッシュメントを
課するものでもない。
しかし、スポーツ選手は清く正しい存在だとの虚像が跳梁跋扈する。
インチキはどの世界でも有るのです。
相変わらずドーピングの横行は目に余る。
国家ぐるみは論外としても、経済性評価計算が妥当かどうかは知らないが、
投資対効果から手を汚したんでしょう。
基本的な対策は、アマチュアリズムの復権、商業主義からの脱却しかないが、
これらは今更ながら夢想でしかない。
何もしないってやり方もあるが、これはジンケンテキでないと炎上する。
後は過度な連座制を含めた処罰の強化しかないが、
これも、善男善女が難色を示すに違いない。
まずもって現行規制を正しく理解しよう(日本ドーピング防止規程を精読する)
100ページもありますが、興味だけ言えば
たいした分量でもない。
ドーピングの証明論は面白い・・なんと「証拠の優越」という聞きなれない概念が登場します。
preponderance 0f evidence というのはアメリカンの民事訴訟手続きの基本原則
挙証責任はアンチドーピング組織にあるのですが「その程度」でいいのです。
どの程度かって・・・
more-likely-than-not であればよくて clear and convincing proof 迄要求しない。
ドーピングでないと反論する場合も同程度ですが「なかったことの証明」はハードルが高い。
審判は司法にゆだねることはできないようです。
仲裁機関に不服申し立てができますが、これらの組織がどの程度の判定能力があるのかどうかは知りません。
準拠法が日本法と規定していますから、司法関係者の副業で審理するのでしょうかねえ
消滅時効が八年です。
甘いですねえ。
ツールドフランスでは、99年の優勝を2012年に取り消されました。
重大な不正なんだから時効なしで、永久に検体保存でもいいのです。
団体競技に於いても複数選手(3名以上)のドーピングは成績剥奪等に該当します。
競技団体ごとに過重処罰ありとされますから、
ビシバシ連座制を適用することも可能です。
チームに一人でも不心得者がいればオシマイ!と思わせないと...
ーーーー
ここからは妄想ですが、サスペンスでありげなのが「オリンピックの身代金」や
ミュンヘンでもあった「オリンピックテロ」
しかし、そんな危険な真似をしなくとも、選手村の食堂に大量の禁止薬物をコンタミネーションすれば
どうなりますかねえ・・・
2020年は気を付けませんとねえ。
化学薬物は貧者の核兵器です。
2018年2月21日水曜日
春の絶滅季語
気分転換に夏井いつきさんの季語辞典を手にした。
意味不明な春の季語
石牡丹
妹がりゆく猫
阿蘭陀雉隠し
然し乍ら年の功でしかないが、これは知っている(^^)
春闘
賃上げは労働組合が力づくで会社からもぎとるものであるが、
昨今は、政府が経営者を恫喝してくれるらしい。
もっとも、多少お給料が上がっても、税金への跳ね返りと
社会福祉の本人負担増で消えてしまう仕組みになっているみたい。
けだし、政府が人肌脱いでくれてると、
善男善女は錯覚しているところが哀しいし、ロクな闘争も出来ない
労働組合とやらはとっととなくなる方が世のためかもしれませんが、
あると好都合と考える向きもある。
闘争にはストライキ(これも死語)がつきもの
交通機関が止まり...勤勉な勤め人は会社に前泊
或いは差し回しのトラックかバスに便乗し、クタクタのご出勤。
所詮闘争資金の積立金がなくなる前に鉾を収めるしかない。
最初の勤務先は工場でしたから、組合費とは別に闘争資金の給与天引きが
ありました。
ストライキとなれば、賃金は不払ですから、個人積立を取り崩す。
大した額ではないが、五年あまりで本社転勤。
積立金は返戻されますが、チリも積もれば山にはならないが丘くらいにはなる。
その夜、兎我野町の安スナックで、サントリーインペリアルを
キープした。
酒瓶はクリスタルでしたから、空になった時はしっかりと
持ち帰りました。
バーテンの恨めしそうな目つきは今でも覚えている(^^)
このウィスキーの瓶はクリスタルで、空瓶が結構な値段なのです。
2018年2月20日火曜日
にほひをこせよ んめのはな(道真異聞)
東風が吹けば「思い起こす」のが梅の花...と長らく間違って覚えていたのは
赤面の至り。
和歌集により多少の異同はあるが、匂いおこすものらしい。
京の都から薫風が吹けば、都の旧宅の梅の花よ
幽閉された西方まで香りを運んでおくれ...が切なくて和歌らしい。
思い起こす...では詩想にならない(^^)
まあ、過ちはそそくさと改めて、枕はこれくらい。
今年のお謡の練習は「老松」から、
季節にふさわしくて祝儀の謡。
舞台は太宰府。
ここに紅梅殿なる御神木登場
飛梅伝説に名高い梅の古木
アレレって!
たしか、太宰府の飛梅は「白梅」のはずだ。
実際に見た記憶がある。
鷺を烏と言いくるめるのは未だに得意だし
紅と白を混濁して取りちがえるほどボケてもいない。
北野天満宮には紅白とりどりだから
どっちとも言えない。
地名にも...京都には白梅町もあれば紅梅町もあるが、
この町名はあまり歴史がなく傍証にもならない。
ファンタジーならどこでもドアでとべるだろうが、
ヒストリーではあり得ない。
誰がが勘違いして移植したのだろうか
或いは突然変異で紅が白に変わったのか?
太宰府の飛梅は樹齢千年らしいが、この手の話は大抵サバ読み
この謡曲の出来た室町期は紅梅であったはず(伝承は馬鹿に出来ない)
道真公の頃は中華趣味で梅は紅であったことは確実だし、
清少納言だって「...濃きも薄きも紅梅」とかいてます。
そうだ!
源氏に登場する柏木の弟も、紅梅大臣
王朝美学は紅梅に限るのだ。
江戸時代には、王朝美学も忘れ去られ、誰がが和趣味の白梅にすり替えたのでしょうが、
迷惑なことをしたものです。
更に知りませんでしたが、正しくは「飛松飛梅伝説」らしい。
梅ばかりが有名で、松の伝説も世間に喧伝しなくちゃというのが
隠れたる曲想である。
2018年2月19日月曜日
ブレードランナーは電気羊の夢なんか見ない
面倒な定義なぞはどうでもいいが、
一応「可能な未来の出来事についての現実的な推測」
とします。
同じ「F」でも、ファンタジーならば「起こりそうもないこと」ですから、
スターウォーズはSFではない!...なんてことになる。
そもそも「科学的知見に基づいた」ファンタジーなんて
言葉の矛盾。
この場合は、スペースファンタジーと言うべきです。
2001年宇宙の旅は難癖のつけようのないSF
ブレードランナーもそれに近い。
このジャンルの鉄板メダリストである。
加えて多義な解釈の誘惑を襲われるところも傑作の要素と言えます。
場末の二番館では、ブレードランナーとその後日談の豪華二本立て❣️
右手にワンカップ、左手には舟券握りしめてのオッチャン達の街には
相応しからぬラインナップ(^^)
しかし、結構な人の入り。
ファンだかマニアだか、善男善女が遠路はるばる足を運んできたのだろう。
原作は映画のおかげでカルト的人気な「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」
映画には肝心の人工羊さんは登場しませんし、
かなりな換骨奪胎。
大衆藝術であっても、長く高い評価を得るには
思弁的であらねばならない典型例。
物語としては破綻しているようにも思えますがねえ....
2018年2月18日日曜日
フィリップマーローはひと粒で二度美味しい
チャンドラーは数冊のハードボイルド長編で歴史に残る。
The big sleep
Long goodbye
これらは20世紀の重要な(ランキングは下の方)小説にも名を連ねています。
しかし、作風の面白味は短編集にある。
早川書房版で、さしたる意図もなく買い求めたが...これがなんとも(^^)
チャンドラーは、五十を過ぎて始めての長編を上梓。
これが「大いなる眠り」
複雑なプロット、早い話がハードボイルドにありがちな起承転結の破綻なんですが、
細かい章立てが連続活劇風で、睡魔に襲われるに至らない。
短編集を拾い読むに「これって読んだみたいな...?」
売れない時代の日銭稼ぎにパルプフィクションをかきまくり、
それらの習作群を部品化して長編に仕立て直したという創作の秘密が
垣間見える。
単純なプロットを長編に膨らますと冗漫で読むに耐えないが
この方法だとそうはならない代わりに先のような様になる。
何度読み返しても加害者が判然としないとか。
映画化された際の邦題が
三つ数えろ
よくある拳銃を突きつけて、三つ数えるあいだに白状しろってアレです。
名タイトルと言われますが、どうかなあ
以前に、ムラカミの新訳タイトルをネタに駄文を書きました。
この作品は前例踏襲なのですが、
映画のタイトルを使おうとは...思わないですよね(^^)
ちなみに、big sleep と言う表現は情感たっぷりに
結末辺りに登場します。
三つ数えろという台詞は、読み落としがない限り原作には
出てこない。
三分待ってやる...はあります。
2018年2月17日土曜日
デバイスに収納しておくべき本
旅のお供は、若い愛人...だといいが、本と音楽が定番。
アナログは嵩張るし重いし...
大抵の音楽は、あちこちのサイトに転がっているが、
電子書籍がなんとも貧弱。
自炊が違法というなら、電子化のドライブをかけて欲しいが、
電子化して欲しい書物こそ電子化がされない。
塚本邦雄の百人一首
金子光晴訳のランボー詩集
中島敦小説集
とりあえずこれだけを収納しています。
用途的に長ったらしいのはお呼びではなく、短篇系がいい。
塚本百人一首はかの小倉百人一首の解説ではなく
選ばれた百首をぶった斬り、俺ならばこの和歌を選ぶという趣向
もっとも、名歌人百人というなら、人選もおかしかろうとおもいますが、
さすがに、そこまで乱暴ではない。
ランボーはいろんな訳本がありますから、
対比掲載してくれるような親切本があればいいのだが...
そういうカスタマーサティスファクションを考慮しないから
良書が売れない。
毎度激賞の一部の熱狂的なファンに支えられる天才作家
短編なのですが、行間の厚みと深さは比類なく
阪神間の棒有名進学私学の国語教師は「銀の匙」だけを教材にしたが、
蝸牛庵ならば「李陵」を使う。
他にも希望は沢山あるのですが....
2018年2月16日金曜日
毒を食らわば皿までも(^^)
何度も使いまわしますが、それだけ映画史に残るシーンです。
所詮博打は虚業。
真っ当なビジネスではないし、
博打それ自体からは芸術も文化も生まれない...と思います。
先日内閣府が公表した「カジノ規制制度の基本的考え方」
リンクを張るのも馬鹿馬鹿しいので、興味があれば
ウェブサイトをみてください。
蝸牛庵は興味があるから行間まで読みましたよ(^^)
まずもって参入規制
これはそうだろうって誰もが思うが、参入規制の壁が高くなると
闇カジノが横行する。
認可制らしいが、許可制にして反面事業内容の透明度を劇的にあげる方が絶対にいい。
これは言ってもせんない。
施設機器規制
馬鹿馬鹿しい。
お客様が喜ぶように好きなゲームで遊ばせればいいのよ。
パチンコだって新しい台がでるから客がつく。
つまらん出玉規制なんか、自殺行為ということは証明済だ。
このルールだと壺振りの出番がなくなる。
手本引きなんかもいいがなあ。
そもそもはクールジャパン戦略の一貫なのに何考えてんでしょう?
事業活動規制
つまらん事を考えるねえ
バンバンCMうたせればいいのよ。
しかし、会計だけは統一基準、統一会計ソフトを使って貰います。
不正連帯責任付きの公認会計士監査必須もいいねえ。
懸念対策
要するに貧乏人の依存症対策です。
青少年も含みますが、ガキも一般的には貧者です。
カジノは大量の客が少額賭ける場所じゃない。
少なくとも多額のカネを張ってくれるから旨味がある。
多少物騒に言えば、外国人がバンバン賭けてくれると加えて嬉しい。
なんか、入場回数制限だって(^^)
笑いますねえ。
マイナンバーカードあるいはパスポート提示で誰でも何度でも入れる
マイナンバーで所得捕捉できるんだから、富裕層はお出入り自由でいいのよ
貧乏人は一攫千金なんか考えず額に汗して働くのが一番。
賭場の毒が味わいたいなら、金持ちになってからですよ。
ところで何処にもかいてないのですが、税制は?
仮想通貨と同じ扱いだと優遇税制にならないから、
なんか仕組んであげるほうがいい。
現在は所得の区分は10種類だが、カジノ所得なんか
新設して知恵出してもいいんじゃないかと思いますよ。
例えばその期に消費(実需)に回れば課税所得から控除なんて
多少なりとも市場経済が解れば、魅力満載の制度なんだが....
2018年2月15日木曜日
ナンジャこれ?!と頭をかかえるカタツムリ
世に言う文豪なるものがイケメン化し異能力でバトルする
アホたらしいコミックらしい....が、映画化されるんだって
蝸牛庵の定義だと映画とは言わない!ってことはさておき
歴史上の偉人や有名人が探偵化したり超人戦士になるお話は
ファンタスティックだ。
出来栄え次第だが、大層なものができた試しがない
ひたすら興味はいかなるキャラクターを使ったかにしかない。
原作は明治以降の著名文士の棚卸し...らしいが、
ところどころにマニアックだから始末におえない。
映画版だと(公式サイトの掲載順)
中島敦
泉鏡花
太宰治
芥川龍之介
中原中也
フィードル D(ドストエフスキーの作品に由来)
澁澤龍彦
これはなんとも...倒錯、頽廃、耽美
そそると言えばそそるのですが、何故に理知的な中島が?
彼の中短編は、近代文學史の白眉
幸いにして筑摩か岩波の文庫一冊に収まります。
李陵
山月記
牛人
名人伝
実に素晴らしい
あとはズラリと傾向的に連なります。
澁澤龍彦は、数少ない全集を買ってもいいかな作家ですが、
あとは...
泉に太宰は読んだことありません。
芥川は全集を買ったことを多少後悔してます
中原は女たらしとしか思えない(多少羨ましくも)
映画館でみたポスターだけでここまで駄文が書けるのも
才能の片鱗かな(^^)
なんにしても、漫画喫茶で原作本を眺めてこよう。
最近の漫画は「養い難き連中」にはもったいない教養派もあったりします。
案外かも...
2018年2月14日水曜日
ビルボード
オスカー賞の決まり方は知ってますが、ノミネート対象からどのように選定されるかは
知りません。
ビルボードが広告立て看板であることは知ってますが、
ヒットチャートで定評のある音楽専門誌である事はもっと知っています。
舞台はミズーリ州のなんとかタウン。
山あいの保守的な...つまり、合衆国憲法修正第2条と宗教にレイシズムが支配する
頑迷固陋で因習紛々なお土地柄。
こんな街で、ティーンが集団(?)レイプされ焼き殺されれば、
騒然となり、上位捜査機関が乗り出してきてもおかしくないが、
人柄で尊敬されても捜査力が
なさげな保安官はお手上げ。
名作「ファーゴ」に登場する署長なら快刀乱麻の活躍だったのでしょうが、
今回は、フランシスマクドーマンドは被害者の母親役。
なんとも意表をつく行動が混乱の大渦となり、ある種のカタルシスで終焉する。
やはり「デトロイト」はノミネートされそうになかった。
傾向的に同じような作品が複数選ばれる事は考え難い。
内容の豊穣さが格別に違います。
あえて言えば、女性監督だからシカトされたのかも。
結末の捻り方が秀逸。
エンドマークのさらに先では、もう一回捻りが有るかもっていう
予感させます(^^)
2018年2月13日火曜日
最高の戦争映画
ミニオタや自称映画フェチが口角泡を吹いて...
ググれば、自選一覧が山と出て来ます。
好き嫌いに優劣をつけても意味が無い。
戦争は、ヒトザルの営みを一番
生々しく剥き出しに
極限的に暴力的に
崇高であり愚行でもあり....
そういう視点で選べば間違いはない。
自選一覧に拝見し言える事、大して観ていないなあって感想。
そう的外れな選択はなく、常識的に名作や問題作を選んでいますね。
素材自体一番映画向きですから、本来なら愚作の方がどうかしている。
しかし、風雪に耐えた傑作を外しています。
多分、というか確実に見落としているか眼力がないか(^^)
大いなる幻影
とかなんとか...
そもそも定義が曖昧ですから、軍人や戦争シーンが出てくれば
なんでも戦争映画...はない。
戦争映画にどどまらない戦争映画が最高なんですが、
以外に何ものでもない傑作もある。
名誉欲に執着するエリート軍人の馬鹿さと恐怖
鉄十字章ってそんなに権威なんですか?
オデッサファイルにも重要な小道具として登場してました。
2018年2月12日月曜日
一期の月影傾きて
日本の三大随筆のひとつだそうですが、身辺雑記文藝を旨とする倭の文学
他にもましなものがありそうな....
教科書の必載文献ですから、冒頭文は誰でも知っている。
しかし、巻末の文章となれば...逆に知っている方がおかしい。
何にしても、文藝は失意を奇貨としてそれを超克したところに生まれる。
鴨長明は、下賀茂神社の禰宜の職を失い、
近親者に先立たれ
歌人としても大成せず
演奏家の盛名も禁忌に触れ、失速。
止む無く、出家隠遁の身と相成った。
一体どうやって生計を立てていたのか皆目判らない。
質素であった事は書かれていますが、それでも先立つものは必要だ。
昨今の元中流、今や下流の老後破綻みたいなありさま。
社会の変革期には、木の葉が沈み大石が流れる様だから
それこそ何でもあり。
これでもか!とばかりに災厄が襲って来る。
大火
地震
竜巻
疫病
飢饉
治世者の不徳、ここに極まれり。
世は末法。
無常観から何事にも執着せずに諦観する気分を「サトリ」とでも言うのか?
方丈記は建暦2年3月に書かれた(書き上げられた)と
書いてますから、死去の四年前。
一切が執着だと否定しているようですので、
雑記書きも晩年は辞めちゃたみたいです。
伏見区あたりの掘っ建て小屋で野垂れ死でもしたんでしょうか。
堀田善衛氏の方丈記私記
71年の初版出版をもってます。
大学生の頃でどうして読む気になったのでしょう。
堀田善衛氏は、敗戦間近の原体験と方丈記の記述を重ね合わせることで
問題意識たっぶりな文芸エッセイを上梓しました。
今読み返しても感じ入るところはあります。
当時の政治の季節に疲れ果てアホたらしくて...は
皆さん、吉本隆明に逃げたらしいが、
こちらはそこまで敗北主義ではなかった。
2018年2月11日日曜日
平成プレイバック
三十年とは分かりやすい。
会社の寿命もそんなものだし、丁度世代交代。
平成の三十年の御代とは、なんだった?
清水真人氏の「平成デモクラシー史」から読み解くに...
彼は兜町新聞の政治記者であり、文化経済科学に至るまでの
俯瞰的な歴史観があるわけではなさそうだ。
ひたすら永田町の権力と統治の興亡にしか視野は及ばない。
しかし、一級の通史なので、エセーの素材の価値はある。
まず、猫の目以上に入れ替わる宰相の一覧表
竹下宇野海部宮澤細川羽田村山橋本小渕森小泉安倍福田麻生
鳩山菅野田安倍
三十年で延べ18人
それぞれに当時の風景が想い浮かびますが、
彼の著作の登場人物インデックスを見れば、最多登場は...
小沢一郎
政界の壊し屋らしいが、掻き回し屋が相応しい。
あとは、竹中平蔵、与謝野馨
形は変わっても黒子達が暗躍なり絵を描く構図は変わらない。
平成元年の1989年は世界史的にも分水嶺になる。
冷戦終結からグローバリズムへの体制変革
否応なしに求められる行政改革やら政治改革
試行錯誤の繰り返しこそが、平成デモクラシー
あまり評価が高いとは思えないが、六つの改革なんてぶち上げた
橋本龍太郎は記憶にとどめてもいい。
口先六段錬士と揶揄もされるが、ぶち上げるにも政治的エネルギーが必要なのです。
変革が必要だ!と地を這いずり回った人々はそれなりということ。
未来に良き結果....具体的には小選挙区制度と省庁再編からくる
内閣>与党、政治>官庁 の図式が、良いのかどうかは分からない。
少なくとも健全な責任野党の育成に成功していない以上
派閥間政権交代の方がまだまし。
官僚の人事権を官邸が牛耳る体制を賞賛する声が少ないが、
これは如何なものか?
統治の基本は効果的な官僚統治である。
貪官汚吏を手足に使う政治屋が跋扈するならそれは主権者の怠慢
気に入らないのは司法(内閣法制局を含みます)の堕落
法秩序こそ正義の最後の砦なのですが、三宅坂の判事達には
その気概を感じない。
最高裁判事の国民審査制度を変えて(憲法改正)
国民の手で容易に罷免出来るようにする事が、
司法の権威を担保するのです。
疑惑議員の毎度のセリフ
当選し主権者の審判を経た以上「禊は済んだ」
これは正しいのです(キッパリ)
今の国民審査制度だと、主権者の信託を得た Hon. と胸を張れない。
2018年2月10日土曜日
本当は恐ろしい「呉越同舟」
百家争鳴の時代
素晴らしい教説も賛同者がいてのこと。
説得し賛同させるには修辞学の知識が欠かせない。
巧みな比喩こそその最たるもの。
呉越同舟とは、利害は怨讐を超えるの比喩であるが、
実態はそんな生易しいものではない。
守株....待ちぼうけと言えば長閑だが、韓非はそんなお伽話をしたわけではない。
春秋時代
呉国と越国は代々血で血を洗う諍いを繰り返して来た不倶戴天の仇同士
利害が一致なんてあり得ないが、韓非によればありえたらしい。
圧倒的劣勢に立った呉国
呉国のある重臣が、密かに越国の大臣に密書を送る。
曰く
狡兎死して良狗烹らる
今では史記の韓信伝で有名な成句だが、斯様な比喩は中華の伝統
呉国はこのままでは滅亡する。
滅亡すれば貴臣は不要として駆逐されるは必定
我が身の為と思って助けてくれ
なんとも己達の利害の為にはなんでもあり(^^)
国家目標よりも保身が大事
相手の保身を教唆しつつ自分を守る狡猾さ
事実どう君主を騙くらかした知りませんが、首皮一枚で呉国は助かります。
後日談に
最終的には後年越国の勾践王の代に呉国は滅亡
勲功多大な謀臣范蠡は、さっさと辞表を書いて夜逃げ同然に逃亡します。
名を陶朱庵じゃなくて朱公と変えて商人になり
天寿をまっとうしたとされます。
多額の褒賞をもらっても、一族郎党獄門晒し首じゃ割りが合わない。
まあ分かりやすい話で、東シナ海に波風が立てば、海自に予算が回る。
893が跋扈すれば、オマワリが蔓延る。
敵対勢力は適当に転がしておくのが、飯の種(^^)
正義感に駆られて粉骨砕身努力なんかしないのが、
世渡り上手ってもんです。
部下って所詮はそんなもんですから、
上に立つ者たるやくれぐれもご用心。
2018年2月9日金曜日
クラシック音楽だって世界遺産
正確には「無形文化遺産」と言います。
いわゆる世界遺産は有形物が対象ですので似て非なる遺産。
面倒な定義は....
慣習、描写、表現、知識及び技術並びにそれらに関連する器具、物品、加工品及び文化的空間であって、
社会、集団及び場合によっては個人が自己の文化遺産の一部として認めるもの。
一覧表を眺めれば「絶滅危惧文化」のオンパレードにしか見えません。
先人達が作り上げてきた文化を墨守継承する事に意義があり、
新しい価値の付加は二義的。
新作文楽なんて聞いた事がないし、新作能も稀(復曲能の方が魅力的)
歌舞伎はまだ新作が盛んですが、クラシックのレベルになるのかどうかは分かりません。
一般的には、微妙に新しい解釈を持ち込んではいるようですが、
レベル全体が新しいランドスケープをもたらす迄には至らない(と浅学菲才ながら...)
この論を敷衍すれば、クラシック音楽も然り。
ただ、文化遺産とは申請が前提ですから、申請がないものは登録されない。
それに、申請は国家が行うものであり、
イタリアが一番申請国に相応しいと思うが、間髪いれずドイツが反対する(^^)
ウィンナワルツのように対象を限定すれば可能だが、
登録して何が嬉しいのかねえ?
お墨付きの有無で知名度や人気に影響するようなものでもない。
そもそも現代音楽の何が楽しい。
要は、無調と不協和音の塊で上から目線なスノブな思い上がり。
演奏会だと、観客は退屈、著作権料は発生。
ロクなことはない。
新しい「何か」があるのかないのか全く分からない。
がしかし...である。
60年代に出来たモダンオペラがかくも奇天烈におもしろいのか!
お母さんと一緒学派のオペラしか上演しない後進国では、
生の鑑賞は最初から諦めています。
原作がブニュエルって凄く有りませんか。
不条理映画の最高峰
作曲家は、英国の若き鬼才(だそうです)
歴史的にイギリスはクラシック音楽の世界では貧相ですが、
商業音楽では世界を席巻し続けています。
本来ならそんな区分は無意味なんですので、
融合(これも変な言い方)して新しい音楽文化を創り出す何かが
あるのでしょう。
オペラの邦題は「皆殺しの天使」
オリジナルへのリスペクトだと思います。
ブルジョアジー達がオペラがはねたあと、なんだか豪邸に監禁状態。
飢餓の中で一人また一人と肉体的精神的に崩壊し、カタストロフを迎える。
オリジナルの結末よりは救いがありそうな気がします。
評論家激賞みたいですが、METの観客の反応はそこまででもなかったような。
延々と続く超高音のソプラノが不協音。
薄汚いさま(監禁状態だから当たり前なんですが)で虚ろな目つきで
舞台上をさまよかれると...
2018年2月8日木曜日
やまとが国の始まりならば、映画は....
大昔は、発明王エジソン氏による...と言われたが、
彼の発明した映像システムを今は映画とは言わない。
定説は、リュミエール兄弟の開発した映像システム(シネマトグラフ)を映画と呼ぶ。
しかしテクノロジーの発展や映写形態の多様性からすれば
ひっくるめて「映画」と呼ぶことには躊躇する。
例えばですが...
劇場での不特定多数を対象に有料で提供される映像により構成される
娯楽物
スジ(ストーリー展開)
ヌケ(映像表現)
ドウサ(有機生命体による演技)を主たるエレメントとする創作物
思想あるいは感情を創造的に表現した物
みたいなものですよ。
異論の出そうな言辞を散りばめていますが、
特段論争をしたい訳じゃない。
アニメは厳密には映画じゃないし、商業主義から隔絶した場所には
映画は存在し得ない。
リュミエール兄弟は、リヨンのブルジョアジー
産業資本家で、写真機材の製造をやっていましたから、
映画製作はある種の事業の多角化だったようです。
理由はよく分かりませんが、早々にパテントを売却し、
映画ビジネスから撤退しました。
しかし、映画創世記に、千本以上の映画(技術的制約から1分程度)を
製作しました。
その秀作集を散りばめたのが、この映画...と言えるかなあ(^^)
個々の作品は、今見ても技巧的にもちゃんとした映画になっています。
思うに、その後の映画人の研鑽がたりません。
テクノロジーに逃げてしまったのだ。
2018年2月7日水曜日
Long Hot Summer in Detroit
怖い街だそうです。
華やかな自動車産業は過去の話
数年前に市は財政破綻もした筈です。
音楽で這い上がろうとする若者たちの舞台に最適。
しかし、映画の舞台なら、荒廃した民心と腐敗したポリスが定番。
今や、アジアンがのさばる....
いちいちイメージ引用した映画名は挙げませんから、
まあクイズがわり(^^)
1967年ならば、パクスアメリカーナの最期の輝きの頃
公民権法や貧困対策と国内政治ではそれなりの進展をみていたはずだが、
ベトナム戦争は抜き差しならない泥沼状態。
様々な矛盾が複数の大規模な黒人暴動として現れたのがこの年
けだし、60年代後半は、Long hot summer だったのです。
キャスリンビグローが、どうしてデトロイトを選んだのかは知りません。
今のアメリカンの矛盾が一番凝縮していそうだからってリベラルならいいそう。
でも、あの時代こんな話はどこにでもあったのでしょう。
連邦最高裁判決で、ミランダ警告が認められたのもこの頃
被疑者の権利保護なんてやっと緒についた時代。
いまでも定着しているか疑問視されますから、推して知るべし。
権力を背負うと人格が変わると言いますが、況やレイシストともなれば....
しかし、眼を背けたくなる惨さと皮肉
権利弱者を守るべきミランダ警告に三人の被告ポリスは
守られて、白人だらけの陪審員は無罪の判決。
オスカーノミネートされないのもなんとなく...
恥部の見せ方が、スリービルボードの方がスマートだと
思われたのでしょう。
2018年2月6日火曜日
日本をダメにしている二つの間違い
この手のコンサルタント必見の映画だし、必読のネットエセー(^^)
映画は、2012年に劇場公開されました。
DVDの存否は知りませんが、youtubeだとフルムービーで鑑賞できます。
字幕の有無は自分で確かめてください。
極めて悪質なイタズラ電話がもたらした事件(中西部での実話)
舞台はマクドナルドのお店
ストリップサーチテレフォンに翻弄される恐怖。
振込詐欺電話も酷いが、こちらはココロがズタズタにされる。
おかしいと思わなかったのか?ってのは後知恵のはなし
簡単に言うと...
警官を名乗る男の電話に騙され、服従し、指示通りに
無辜な女性従業員を横領犯と思い込み、
身体検査に始まり脱がし、最後は陵辱寸前に
至るという、スリラーあるいはホラー。
オリジナルタイトルは、コンプライアンス
邦題は、服従だか服従のなんだか....
なかなか示唆に富むコンテンツです。
面倒な頼み事を体良く断る際の定番のセリフは
そのことは個人情報保護とコンプライアンスの観点から
如何なものかと思います
言っている意味が理解できない程度の相手なら、
木で鼻をくくるようにあしらえばいい。
これらに半知可だと黙って引き下がる(多くはこの部類だ)
多少理解していると食い下がってきますが、
慌てず騒がず、同じ台詞を繰り返せばそのうち諦める。
本当に、個人情報とコンプライアンスは、
めんどくさい。
言葉として使い勝手がいいのはこんな場合だけ(^^)
2018年2月5日月曜日
NFLあれやこれや
リーグ全体の繁栄を最優先にするシステムとは、
個々のチームの覇権の固定化を許さない。
サラリーキャップにより高額のスタプレはトレードするしかない。
理屈では、チームのために値下げを申告するって・・・まあありません。
ドラフトでは弱いチームにアドバンテージがある。
毎年最下位だと、ドラフト一巡で有力選手を獲得できます。
しかし、ペイトリオッツの名QBはドラフト最下位クラスで入団しました。
こんななかでも、21世紀の16年間
スーパーボウル優勝が5回
同じく出場が2回
ほぼ隔年にスーパーボウルに出てるって信じがたい。
羽生さんの成績(現役時代のタイトルの半分は彼のもの)には及ばないが、匹敵はします。
優等生なペイトリオッツに比べて、劣等生がブラウンズ
同時期に勝ち越したのは一回だけ。
2017年のレギュラーシーズンはなんと全敗!
可能な限り競争条件を均衡にしても、
優劣はそれ以外の....コーチング力や練習の質量なんかで
決まるのでしょう。
GMやHCの知力の差かもしれません。
事件は現場で起きている!なんて名セリフだと持ち上げているようではダメなんだ(^^)
下士官兵が屈強でも、指揮官がアホだと.....
そんな事はかの戦争から学んだはずだが、健忘症な倭人は忘れたみたい。
最高のアメリカンフットボール映画と言えば「ロンゲストヤード」と言われるが、
さにあらず。
このリンク映画。
クリーブランドブラウンズのGMが主役。
知略で最高のドラフトシーズンを迎えたはずですが・・・成績はくだんのごとし
今年のSBは、あまり興味がもてないので、この映画をアマゾンプライムで・・・と思ったが
レンタル対象でないみたい。
仕方がないので、あのトムブレイディの「最後の活躍」でもみてみるか。
試合前のセレモニーが楽しいのが、アメリカンプロスポーツ
2018年2月4日日曜日
NFLは難解(だから大人向き)
たしかにルールが複雑かもしれません。
戦略や戦術の理解に乏しいと個々の戦闘シーンの巧拙も分からない。
スーパーボウル番組はお子様向きの放送じゃない。
だから、CMも....
良い子はここまでで、リンクは開封しない事(^^)
2018年2月3日土曜日
絶滅危惧職
刺青師には、医師免許が必要だと司法の世界が断じてしまった。
杓子定規にはそうなんだろうが、
これで確実にこの職業は絶滅する。
身体にいいわけはないので、絶滅しても構わない...は、いささか短絡的だし、
こんな事より、脱毛とか美容と医療の限界の方がシリアス
刺青を文化と考えるかは異論もありそうだが、
口演芸としての講談も絶滅危惧職らしい。
江戸時代から明治にかけての人気は落語の比ではない。
どこの横丁でも演場があった。
演目は武談が中心で、太平記、三国志、義士銘々伝なんか...
そもそも、講談と落語は似て非なるもの、
前者はタメになるが、後者はダメになる...なんて素晴らしい(^^)
知識を売るか笑いをとるかの違いは大きい。
明治以降、理由は様々ですが、講談は衰亡し、落語は隆盛。
正確には、落語の出来ない落語家上がりの電波芸人が跳梁跋扈。
必ずしも、芸としての落語が進化したかどうかは...分かりません。
今時のメディアとの相性が良かったのでしょう。
神田松之丞
人気の若手講談師
彼の聞き語りを杉江松恋なる方が上梓した。
特段講談にまで興味の幅を広げたわけじゃない。
ご本のタイトルと書き手の御名前がオシャレなので飛びついた(^^)
明治大正の頃は、江戸情緒があたりまえのように残っていたが、
昭和後期(所謂戦後民主主義時代)からは相当におかしくなった。
墨守する事はいいとは言わないが、
風景としては、悪貨が良貨を駆逐する様に見える。
長い歴史がないから、なんでも伝統にして記念館を作りたがる
某覇権国からすれば、勿体無く感じているに違いない。
2018年2月2日金曜日
玉三郎さま(安珍清姫伝説)
末永くうそ偽りなく....って、姦淫が罪なら虚言も罪悪。
十悪には、邪婬、妄語とあります。
恨み辛みから蛇身に変じた清姫は哀れとしかいいようがない。
道成寺の鐘に隠れても焼き殺された旅の僧安珍は自業自得だ。
歌舞伎の京鹿の子娘道成寺は歌舞伎舞踊では畢生の大作らしいが...
見た事ないのでコメントなし。
しかし、能楽の道成寺は文句なしの大作。
能楽師の登竜門ですが、宗家のお許しを得た上でのヒラキ。
三間四方の広からぬ舞台上にいったい何人が登板するのかな(^^)
歌舞伎も同じしつらえみたいですが、かの伝説の後日談。
演じるにはいささか大変で、素人さんには過酷。
途中でお色直しがあるのですが、鐘の中で一人で装束を変える。
暗闇のなか、首尾よく着替えが出来ても、鐘を釣り上げた際に
ちゃんと正面を向いているか危うい(^^)
舞台の檜板の向きが参考になるが、
いざって、見所(客席)に背中を向いた例もある。
檜板の向きだけじゃなく、バックオーケストラの音にも
気を配らないとダメ!というが、師匠の教え。
お囃子の音楽が後ろから聞こえてれば大丈夫!
歌舞伎版は見た事なくて...
という事で、玉三郎以下の娘道成寺のライブビューイングの鑑賞....
予告編だと艶やかですなあ(ひとこと!)
演題は、京鹿の子娘五人道成寺
これはずるい(^^)
白鳥の湖のオデットとオディールをダブルキャストでやるようなもの
がしかし...玉三郎曰く
芸の継承のため
彼が言うなら納得しますし、それが歌舞伎の人気の秘密かも。
同じ舞台で同じ空気を吸う事でしか継承出来ない事もある。
勘九郎以下の若手が学んだかどうかは後々わかること
しかし...一人で演ずべき白拍子を五人で分担するのですが、
歌舞伎鑑賞素人が見てもこの役者毎の違いはなんなんだ‼️
勘九郎以下が玉三郎の域に達するには....
これから血反吐吐く程に修練してください。
そうそうに興味は薄れ....本当に傾向的鑑賞ですなあ(^^)
バックのコーラスとオーケストラに目がいく。
オーケストラの編成は、能の編成に三絃が加わっただけ。
所作もきれい。
文句なし!
しかし、バックコーラスはなんだ!
プロは暗譜に決まってます(キッパリ)
扇の扱いが粗雑。
あと様々な文句あり!
浄瑠璃のレベルはこの程度でもいいのか?
素謡とは言え厳しく所作を叩き込まれた素人能楽師からすれば
所詮は、大衆演劇にしか見えない...
研ぎ澄まされた玉三郎の気品のある舞が泣けてきます。
2018年2月1日木曜日
カネを貰うに手間かけるの当たり前?
ケメ子様も年金世代になったらしく、大部な「申請書」が送られて来た。
所謂「三号受給資格者」である。
今更、年金制度を仔細に勉強する気もないが、
年金とは詰まる所「利息付き預け金」の返戻に過ぎない。
制度設計上は「賦課方式の世代間扶助」だとされるが、
観念論よりも素朴な理屈の方が分かりやすいし、本来はそうすべきだった。
だから、掛け金が返って来ない...あるいは減らされるという不安になる。
年金制度の原型は、プロシア帝国に始まり第三帝国で完成したとされる。
まさしく国家「社会主義」国家とは完成された福祉国家でもあった。
誤解を恐れずに言えば、ファシズムと福祉国家は一卵性双生児なのですよ。
だから「フクシふくし福祉!」馬鹿覚えみたいに叫ぶ政治家って信用ならない。
特段ファシズムが人民に優しいわけでなく、
将来の福祉給付の為に掛け金を今の内に払いましょうと
猫なで声でささやいただけ
倭国の厚生年金制度の原型もナチスに倣って近衛政権時代に設計されたはずです。
渋る大蔵省や軍部に対しては・・・
給付はどうせ先の話
それまではむしり取った掛け金で大砲や軍艦をつくれば・・・
ひどい話だと思いますが、社保庁だってけったいな保養所を作りまくったわけですから
やっていることは変わらない。
アウトバーンとか社会資本形成に掛け金を流用したナチス政権のほうがまだ「良心的」かもしれません。
前受け金商法はやるほうにとっては美味しいし、やられるほうにはリスクがいっぱい。
海外旅行や晴れ着に英会話、エステ・・・と被害の連続なのに、効果的な対策は全く打たれない。
学習しない方がアホやとも言いますがね...
ともあれ、次のお誕生日がくれば晴れて年金がもらえるらしいが・・・
なんとも面倒なことよ
預けてあるものを返してもらうだけなのに、下手にでて「お願いしなさい」と言わんばかり。
個人情報は様々書き集めてあるはずなのに、どうして同じことを何度もさせるのかね?
なかんずく「年金受給申請権」があるだけですから、申請がないと給付しません!はいかがなもの。
愚痴ってもしょうがないので様々な確証やら証明書をかき集めていますが、
けだし「できるだけ払いたくない」って本音が透けて見えます。
本当に前受金商売は信用ならん!