2024年5月31日金曜日

暇と退屈の哲学

 




これは哲学の本だ
しかし哲学(の定義)とはなんだ?
少なくとも哲学者の数だけの定義がある事だけは確かだ!くらいは解る。

だっから、、、暇とか退屈とか下世話な事(実はかなり人生の根源的でもあるようだ)だって学問の研究対象になり、過去からも「退屈論」は論じられており、それなりのイコン(アイコン)である。


暇と退屈は似て非なる、、、どころが全くの別物

お手軽に四象限マップで概念整理をすれば


①暇で退屈

②暇だけど退屈でもない

③暇じゃないが退屈

④暇じゃないが退屈でもない


まず「暇」とはなんだ?

時間に余裕がある事だ。

仕事や家事で忙しくしている状態を暇とは言わない。

貧乏暇なしとはけだし名言。

長いヒトザルの歴史の大半は、遊動社会(ノマド暮らし)でロクにはたらかなくとも採取だけで食うには困らず、ご先祖はその日暮らしながら有り余る余暇を楽しんでいたらしい(暇ながら退屈はしなかったと人類学者は断言しますが、、、)

安楽安逸な生活は形而上学とは無縁だが、退屈は哲学を産む、、、けだし、哲学は定住生活の産物

儒教の聖典には「閑居し不善を為す」とあるし、コーリンウィルソンが殺人の哲学で喝破したように「今や犯罪は貧困ではなく退屈から生まれる」

かかるが故に「退屈」は重要な哲学上のイシューなのです。

2024年5月30日木曜日

鴨長明

 



三大随筆の作者のひとりとして「著名」であるが、本業は下鴨神社の神職。しかし、一族内のポスト争いで敗退し、この世界での出世は断念。

歌人としての研鑽も積み名声も期待したが、与した流派が御子左一門ではなかったせいか歌人としては一流とは看做されず、鎌倉での就活(実朝の歌学師範)にも失敗。

その後は、京伏見あたりに隠棲し、駄文を書き生涯を終える。

位階は従五位、最下級の貴族であった。


歴史を騒がすようなさほどの事績がない凡庸の人生。

山川日本史では歌人として登場しますが、新古今の世界では一流でもなく、逆に方丈記の著者としては無視されているが、これ如何に?



ドナルドキーン氏の著作によれば、日本人は日記や随筆、、、はやい話がブログを書くことを異様に好む民族らしい。昨今のブロガーのようにベストセラー期待ではなく(読まれる事を主目的とせず)ただただ身辺雑記を書き綴る事が楽しいそうな

私小説の伝統の濫觴かしらねえ


最近は災禍ルポルタージュとして方丈記が再発見されているって、、、しかし、そんなことははるか昔に堀田善衛さんが「方丈記私記」で触れています。

むしろ、災禍ルポルタージュとして未だに方丈記を凌駕する作品はないということかも。


鎌倉期初期だから紙の値段はまことに高価。レディムラサキだって、道長から大量の料紙のプレゼントなかりせば、源氏物語は完成しなかった。

隠遁時の鴨長明の恒産や収入の程はよく分からない。道長のようなパトロンもいなかったと思う。

東に地震、西に台風、南に大火と聞くたびに我が脚とメモ帳だけを頼りに現地探訪。狭隘な陋屋に帰り、ルポをひながにまとめる、、、

結構贅沢な暇の過ごし方ではないか(^^)

國分功一郎先生ならどんな評価をするかな?






2024年5月29日水曜日

湖の女たち

 




尺(上映時間)が長過ぎる。
二時間以内に凝縮すれば「意欲的問題作」と言って貰えたと思いますよ。

湖(ロケ地は琵琶湖かな?)ならば、なにもかも包み込み飲み干してくれるが、製作陣にはそこまでの包容力はなく、風呂敷を大きく広げ過ぎた。

画面暗いし役者の滑舌があまり良くないし、、、
なんせテーマが盛りだくさん過ぎるから、消化不良を起こしかねず、結果不本意ながら冗漫になりましたって事。エピソードを刈り込むべきだ。


原作は一読に耐えそうだから、公設貸本屋さんで借りてこよう。

リアル書店で立ち斜め読みは、、、タフ過ぎる。

2024年5月28日火曜日

都知事候補は蜜の味

 



たった、、、本当にたった「三百万円の供託金」を納付するだけで都知事選挙に立候補できます。
供託金は有効投票総数の一定比率以上の得票で落選しても返金されます。

多くは泡沫候補ですから供託金は確実に没収されますが、ドンマイドンマイ(^^)


実はとてつもなく「公費で売名」が出来るのです。

ユーチューバーやブロガーでフォロワーを増やす最大のチャンスだし、自社製品や技術をそれとなく宣伝する例もあるようだ。


政見放送は国営放送で六分間が二回。検閲が出来ませんからかなりきわどい自己PRができます。

ユーチューブチャンネルの登録勧誘とか、、、、

アタシなら、


都知事になれば「リゲイン」飲んで24時間闘います!



公選葉書が大量にもらえます。

印刷や郵便局への持込は自腹ですが、郵送費用は公費。ほぼ無料で大量のDMがだせます。

計算が間違っていないと思いますが、ざっくり十万枚の葉書!(選挙専用ですから金券ショップで買取は無理だと思います)


ポスターも公費で作成して所定の掲示板に掲示する権利が得られますが、一万箇所以上の掲示板に貼るにはかなりのマンパワーが要ります。



見ての通りですが、都知事選挙立候補者に公的に与えられた様々な権利を有効に活用するには、ひとえに白兵戦に耐えられるフットワークという消耗品をどれだけ確保出来るかってことみたい。

かかるが故に、今回は「タヌキときつねの騙し合い」に尽きる。知名度はもとより組織力がものをいう。



戦後の歴代都知事を見るに、自己責任だとは思うが都民は不幸だ。

知名度だけで選ばれた都知事が都政と都財政をメチャクチャにしているって。

でも、有権者は候補者の中からでしか選べないって、、、その反論は詭弁だ。

だったら、おのれが立候補すればいいのよ。

立候補による多額の公費でうるおうんだってことも含めれば、算盤勘定は赤字にはならない。

これでも躊躇するって、それは経済脳が機能していない。





2024年5月27日月曜日

ガーシュインとかボブマーリー

 



脈絡はなにもありません。
土曜日に若手音楽家のステージを聴き、翌日には、、、お猿の映画(正確にいうと「類人猿」です)はなんとなく食指が進まずに土壇場にレゲエ系の音楽映画を観た(^^)





大家と呼ばれる大音楽家の演奏会は敷居が高いし(お値段も)口の悪い音楽ファンはひびの入った骨董品とも、、、だったら旬前の若手演奏家のコンサートの方がコストパフォーマンスが良い。気軽にサインや写真をねだれるし、先々おたからになるかも。


ホルンは一番難度の高い金管楽器だそうです。ステージ最前列で演奏する機会はあまりないから、こんな時でもないと。

マジマジと知ったが、演奏と同じくらいの時間かけてツバ抜きをやるんだねえ。実際の演奏曲はRシュトラウスのホルン協奏曲でした


大学なんか卒業しなくとも弁護士やCPAにはなれますが、医学部を経ずして医者にはなれない。でも音大出身でなくてもクラシック音楽家にはなれます(学閥の庇護が受けられない苦労はかなり、、、って千住さんがそれとなく)

だからってことではないのだろうが、京都府立医科大から国試に合格して、、、今は気鋭のヴァイオリニスト専念。

演奏したのはプロコの協奏曲一番。ソリストを苛め抜くような難曲だった。


坂本彩、、、というとモノマネ芸人を想起されると困ります。力量のあるピアニスト。

恥ずかしいことに、ガーシュインのかの名曲は当然に知ってはいるが、ピアノ協奏曲風とはつゆ知らず(^^)



クラシックとジャズが融合した曲ですから、自由自在に、、、クラリネットのグリッサンドのテイストだけはお約束ってスタイル。

きっと、アタシはピアノが登場しないバージョンを楽しんでいたのだ。



最後にオーケストラのご紹介

嬉しい事に若い女性ばかりなんです。

今日の舞台では、弦四部で男性はたった六人しかいなかった。



で、話が変わって、ボブマーリーのこと

知らない事ばかりで、、、コンサートツアーライブかと思っていたが、本人の伝記的音楽映画だった





2024年5月24日金曜日

哲学しよう!

 



2011年に刊行
十年ばかりしてから新潮文庫になりはや22刷。刊行以来の累計が30万部。
享楽と慰安のためのミステリーならいざ知らず、ジャンヌとしては「哲学書」ですから事は尋常じゃないし、2022年に東大京大で一番売れた本と言われれば、、、

因みに、近隣の公設貸本屋さんの待ち行列は40くらい(所蔵数は二冊)

それなりの「人気」というべきだが、最後尾の読者が手にするのは一年後だろう。

かの「ソフィーの世界」の爆発的人気はさておき、池田晶子さんの「14歳からの哲学」以来の珍事だし、難度もいささか異なる。

論評をするにもパスカルやハイデッガーを直接読むよりは簡単だが、それなりな歯ごたえがあります。


ユーチューブには、さまざまなお手軽「解説あるいは解釈」動画がありますから、暇でも退屈でも無い方はそっちをご覧下さい。

しかし、ユクスキュル(ドイツの理論生物学者)が唱える環世界論、、、つまり生物それぞれがそれぞれの宇宙観をもちそれぞれの時間と空間の中で生きているなら一冊の文庫本の世界だって「それぞれ」に理解されており、正しい理解や解釈だかはしれたものではない(カバー写真のキャプションだってアタシとしてはオブジェクションだ)

本気で「暇と退屈」を理解したいなら、たった800円ですから自分で買い求める事です。アタシは付箋と鉛筆片手に一週間ばかり没頭しました。




To be continued 




2024年5月23日木曜日

理科系(2)

 



様々な大学ランキングがある。
評価項目や評価ウェイトは多様であり、その意味で恣意性が高い。
しかし、どのランキングを見ても(順不同だが)


オックスフォード
ケンブリッジ
ハーバード
スタンフォード
MIT
カルテック

プリンストン


なんかが、各ベストテンの常連

コレらの尻尾に手が届きそうなのが、北京や清華

残念ながら、、、というか当然ながら倭國の最難関大学は、とても手が届かない。


その根本の理由は「建学の精神」ではないかなあ?と思う次第。中世のリベラルアーツの精神を現代に生かそう、、、か、高級官吏の即席養成の場かではかなり違うし、それに、その後の運営方針もある。

て言うか、教育勅語はこの場合は論外にしても、学事奨励の太政官布告ですら即物的(功利的)だわ。



つらつらとランキングをみるに、コレは理科系のランキングだ。

そもそも文化系はかような定量評価に相応しくないというか世界共通の物差がつくりにくい。


ともあれ、理系における国際競争力は、現段階では断トツにアメリカンだろうが、21世紀半ばには中共が追い越す、、、というのがコンセンサス。

でもいかがなものかなあ?


研究者の数や潤沢な研究費さえあれば立派な成果が産まれる、、、訳ではない。多分に必要条件だけだと思う。イデオロギーやらの頸城、ビジネスに直結する応用科学への傾斜あるいは縛りなんかが、自由奔放な創造や真理の探究を阻害するならば何をか言わんや。




科学ジャーナリストの倉澤さんの論稿を踏まえての駄文ですが、論旨や主張が倉澤氏を代弁しているわけではありません


2024年5月21日火曜日

「裏」街道をゆく

 



司馬遼太郎の「街道をゆく」は、結構面白い手軽な読み物だ。
しかし、この場合は「街道」自体が主役ではなく、その街道を行く(往還)する人物や物資にライトがあたるのだが、、、


木枯し紋次郎



原作は笹沢左保氏

ほぼ全作品が中編であり、時代は天保期の関八州の裏寂れた街道筋。花のお江戸なんかはまったく登場しないし、飢饉凶作の時代だから荒み切った風景ばかり。

70年代から80年代に結構な数の作品が上梓され、テレビドラマにもなり、好評を好評を博した。


荒み切った風景の中に同化した孤独で虚無な無宿渡世人がひとり。



中村敦夫さん主演のテレビドラマはそこそこ観た記憶がある。菅原文太さんの映画版の記憶はない。

しかし、原作を読んでなかったもんで、公設貸本屋さんの開架棚に選集があったから、読んでみた、、、


最初に舞台となる辺りの地図が載っている

有名どころな大街道の裏道ばかりで、聞いた事のないさびれた宿場や荒れた農村、、、とかなんとかのガイドブックが毎度のイントロ

その風景に点描されるのが、上州新田郷三日月村(いまの太田市界隈)生まれの紋次郎なんだが、紋次郎と言う人物よりも風景に感情移入をしてしまう。


知らなかったが、、、、、彼のトレードマークの五寸ばかりの手製の楊枝は当時では当たり前の長さだったらしい(テレビでは見栄えもあり、更に倍ほどの長さ)

姉の機転で間引きを逃れたという暗い過去。

自分を間引こうとした家族なんかと仲良くは出来ないし、姉が嫁いで家を出た頃に紋次郎も出奔。その後は故郷とは無縁の渡世人

とあることで、三宅島送りになるが島抜けをし、その後十数年の無宿人。しかし、その世界では結構な有名人


なんてことは、原作を読んで初めて知ったし、ストーリーの多くはミステリー仕立てだし、紋次郎の快刀乱麻を断つ推理で一件落着。

無論、正統とはほど遠いヤクザ剣法も見せ場。

この作品群で、作者は日本ミステリー文学大賞にも輝いたのですから、単なる股旅ものではない。


これからは、名探偵の名前を問われたら「木枯し紋次郎」とすました顔で(^^)


2024年5月20日月曜日

ゼロ歳児投票

 




維新の共同代表が唐突に口走った、、、ゼロ歳児投票

逆風を突破するための苦し紛れみたいな、、、早い話が党利党略だろうと皆さん冷ややかみたいです。

それ以上に、口ひらく度に主権者の怒りを買っていますなあ


しかし、アタシは前向きに議論すべきテーマだと以前から思っていましたから(やっと機運がたかまりそうなんだが、、、)


参政権は主権者たる日本国民に付託された権利だが、デモクラシーに弓引くあるいはパプリックエネミーに一定の制限を加えることには合理性がある。

しかし、年齢要件の合理性とはなんなんだ?

上記の欠格事由とは別物である事は言うまでもなく、ひとえに理非弁識能力つまり意思能力の有無にある。ならば、未成年者に参政権を与えない事が合理的ならば、いまや無視しえない人数になった認知障碍者や重度の精神疾患者の参政権に制限を加えない事とバランスが取れているのか?


今少し議論を展開すれば、デモクラシーは簡単にモブクラシー(衆愚政治)に堕することは、クラシックグリースで既に実例がある。デモクラシーをデモクラシーたらしめる、堅持するためには主権者に一定の責務を課す必要があり、その責任感なり能力ある主権者だけが権利行使をすればよく、その判断は個々の主権者に委ねても支障はない。


結論を急げば、、、、


有権者登録制度を導入しよう(登録した主権者だけが参政権を行使できる)

ドメイン投票制度の対象に我が子を登録するかどうかは親権者が決めればよい。

有権者登録をしない(出来ない・理解できない)方々は選挙制度から除外される。

なお、有権者登録は更新制であり、出入りは自由。


デモクラシーに参加意欲のある主権者だけが参加する選挙制度だから、最低投票率制を導入し基準に満たない候補者は須く失格とする(結果その選挙区から議員を議会に送り出せなくても構わない。それが主権者の意思なんです)

第一回普通選挙実施時には、北海道選出の国会議員はいなかった。北海道には選挙権有資格者がいなかったから選出のやりようがなかったのですよ。

2024年5月18日土曜日

理系立国

 





理系の子(高校生科学オリンピックの青春)


なんともベタなタイトルで微苦笑してしまうが、このレベルだと理系とか文系とか区分する以前としか言いようがない。
そもそも理系とか文系という区分の意味がわからない。
学問領域をどちらかにプロットするのがメディアの得意技ですが、知の体系とはそれほど単純ではない。
論理的と感覚的の区分だとか訳知り顔に言われると、
頭蓋骨の中身が雲丹かキャベツに違いないと思ってしまう

経験的にいえば、アタシの農業けいな高校のクラス分けは

理数系
文科系
就職系 ・・・・ 

とかなんとかに選別されたが、特段将来の進路を明示するわけでもなく、本人希望もさることながら、単純に成績順だった様に思われます。


この理屈だと理数系の方が文科系よりも「優秀」という事になるのですが、倭国の宰相で理科系と言われる学部出身は、、、論評が難しいが


鳩山由紀夫
菅直人 のお二人だけ。

しかし、北京政府の指導者クラスには理科系が多い。
メルケル元首相も物理学専攻だから、政治とか統治・経営のような難度の高いアートに理系は不向きっては言い切れない。
唯物史観のもとで理系に才能は集まるかどうかは知らないが、唯物史観の社会科学者(主に歴史家)を見るにつけ唯物史観信奉者だから優秀とは限らず、逆に発想が貧困、思考が硬直。要するに教条主義的なのです。

メルケル氏は、その教条主義を忌避せんがため、理科系を進んだ、、、となんかの演説で。


寝っ転がって読む程度の書籍ですが、理系の才能をなんとか発掘しようとする数多の国家や企業の意欲。
多分それが国力だと信じているのですよ。
なんと、奨学金やらなんやら四百万ドルの賞金付き。
紙切れの賞状やメッキのトロフィーだけって事じゃないのが即物的ではあるが実際的。

その意欲が、隠れた才能を見出していくって言う感動実話モノですが、このような場がなければ、精神障害児だか落ちこぼれ、ゴロツキチンピラでしかなかった若者だと誤解されがちながら、再生って事実ではあるが、あのお涙頂戴甲子園の夏・・・とは紙一重で、いささか食傷気味ではある。
適当に拾い読みして、あとはブックオフまっしぐら。


ゲームとかレジャーとか人類の未来に資するとは思えないサービス産業に才能が集まる社会が健全であるはずがない。
文系とは教養に過ぎず、理系は実学って言い方にも反撥する。
要するに、理数系科目の教え方が悪いのですよ。
理数系に進んだ落ちこぼれがデモシカ教師をやってんでしょうか?
フランスの高校の哲学教師のようなレベルだは・・・申し訳ないが全く思えない。
素晴らしい先生に出会った事がないとは言わないが、限定的だ。


縁語掛詞やら言葉遊びの技巧の真髄を尽くした王朝和歌の講釈程度に数式の美学を教えさえすれば
隠れたる理数系の才能が花開くはずだ
数式の難解な解法が、たった数行で事足りるって世界はバッハの平均律の調和の世界に等しいくらい美しいが・・・


音楽と数学のエキセントリックな世界を融合させながら教えてくれた大学の先輩の言だとそう言う事になりますし、それは今でも正しいとおもっています。
改めて想起しよう。

ーーー

ギリシャ・ローマ時代に理念的な源流を持ち、ヨーロッパの大学制度において中世以降、19世紀後半や20世紀まで、人が持つ必要がある技芸(実践的な知識・学問)の基本と見なされた自由七科を
リベラルアーツという(単に教養って事じゃないのですよね)

具体的には文法学・修辞学・論理学の3学、
および
算術・幾何(幾何学、図形の学問)・
天文学(円運動についての学問、現在の地理学にも近い)・
音楽(ここでいう音楽の教育は、現代の音楽教育とは範疇が異なる)の4科のこと。

ーーー


理系だ文系だって口角泡を吹くことが馬鹿馬鹿しく思えてきませんか(笑)
ところで、よく知らないが、文理学部って有りますよねえ。
これって、上記の理屈の実践なんですかねえ・・・・

2024年5月17日金曜日

ヒストリーではなくてファンタジー

 スタイリッシュな映像美や端正玲瓏なファッションは、一見以上の価値あり、、、壮絶なアクションシーンもそれなりなんですが、アタシはシーズンベストランキングには選ばないとキッパリ



いわゆる「正統派スパイ映画」です。

そのジャンヌの常として、人物関係やストーリー展開の理解に苦労する(^^)

お手軽に、公式ウェブサイトのストーリーを引用すればかようなことなる、、、、



まるで、説明になっていない(^^)

主要な登場人物はスパイないしその関係者にちがいないのだが、

蒋介石派か汪兆銘派か、はたまた共産党か皆目分からない(もしかしたら日本軍の諜報機関かなあ?とか)



ではウィキだと、、、

.....

......

これはさらに酷いし、有り体に言えば「ヒストリーではなくファンタジー」と言うしかない。

だっから、、、大陸本土だけで1800万人の観客動員となり....一時の享楽や慰安で観るようなお手軽娯楽ではなく、歴史戦的なプロパガンダである。




あの時代、侵攻する日本軍と主体的に戦ったのは蒋介石の国民党であり、共産党は傍観していた訳ではないが、辺境を転々しながらチンタラとゲリラ戦やっていたのが史実。

抗日戦線の一部に過ぎないし、戦後の講和条約(1951年)においては中共は呼ばれていない。

国民党と共産党の内戦の帰趨が決まったのが1949年。にも関わらず、、、ですから、内戦に中共が勝ち、日中戦争で主体的に活躍していれば、当然ながら毛沢東に招待状が来たはずだから、、、


この映画では、主演のトニーレオンもワンイーボーも国汪兆銘政権の仮面をかぶった中共のスパイという設定のようです。

2024年5月16日木曜日

五代目平蔵

 


八代目松本幸四郎

丹羽哲郎
萬屋錦之介
二代目中村吉右衛門
十代目松本幸四郎


この手の役柄は歌舞伎役者の独壇場らしい。

丹羽はこの役を強く望んだが故の起用だが、萬屋も元来は歌舞伎が家業。ウダツがあがらないと考えてスクリーンに転身しとりあえずは成功


加えて、、、世襲かね(^^)

五代目平蔵は八代目幸四郎の孫だし、二代目吉右衛門は、八代目幸四郎の次男にあたる。

三代にわたり、美味しい役を独占するとは只事ではないが、大名跡が演じるに相応しいのが「火盗改役長谷川平蔵」だということ。


火付盗賊改役は江戸幕府実在の役職であり、約二百年の間に二百数十名の旗本が就任している。激務で役得とは無縁だからかまるで日替りメニュー。その中で長谷川平蔵だけが天明期から寛政期にかけて十年近くその任にあった。概ね松平定信の寛政の改革の時期に符合し、幕閣からの信頼も厚かったのだろう。しかし、あまりにも能力が高かったが故かそれ以上エラクはなれなかった。


長寿テレビ番組だが、その大半を二代目吉右衛門が鬼平を演じているから、あとの役者はかげがうすい

その「ハマり役」の後を甥っ子の十代目幸四郎がやるわけだが、、、荷が重いだろうなあ(^^)



確かに二代目吉右衛門の鬼平は絶品だ。

彼のキャラクターもあるが、脇役に人を得た。


妻久栄が、多岐川裕美

密偵おまさが、梶芽衣子.....この二人が実に素晴らしいのです(個人的な好みもあります)

さて、最新作のキャスティングは、、、



如何なものかねえ(^^)